9月7日~9日の3日間、東京国際フォーラムにて開催された東京ジャズ・フェスティヴァル、今年も地上広場にて嬉しい無料ライヴが行なわれました。毎年これを楽しみにしている私も7日と8日の2日間、会場へ足を運んでみました。
まず7日。私のこの日のお目当ては、レバノンのベイルートで生まれ、パリで育ったというトランぺッター、イブラヒム・マーロフ。格好良かったですね~。アラブ的な音階を使っているらしいのですが、単なるジャズとは一味違う一種独特のムードがありましたね。途中、ボ・ディドリーの「I Am A Man」、と言うよりマディ・ウィーターズ的なブルースを織り込みながらその独特のムードは密度を増していく感じでした。圧巻だったのは彼の故郷をタイトルにした「Beirut」。曲前のMCではレッド・ツェッペリンのことを話していたようですけど、前半は静かに荒涼とした叙情性を紡ぎ、後半からハードロック的展開に雪崩れ込む様はまさにツェッペリン!! しかもそんなツェッペリン的ダイナミズムの中にイブラヒム・マーロフならではのムードが渦巻いている。格好良かったですね~! ですが残念ながら私、この夜は別に予定(ビルボードでMEIKOのライヴ)があったのでイブラヒム・マーロフを途中で諦めなくてはならないのでした…。
そして8日。この日はたっぷりと野外のジャズ・イベントを楽しみました。と言っても、この日はジャズと言うよりかなりミクスチャーな面子。まずはBRUUT! から。オランダから登場のジャズ・バンド。ジャズといってもかなりヒップな感じで、粋なスウィング感でファンキーな演奏を楽しませてくれました。こちらもMCでレッド・ツェッペリンがどうのこうのと語り、その名も「Led」という曲を披露。今、ツェッペリン流行ってるの?みたいな。格好良かったです!
そしてこの日のお目当て、JAGA JAZZISTです。ノルウェーから来た前衛集団。数年前のフジロックで観そびれて以来のリベンジです。アルバム「One-Armed Bandit」のジャケットを思わせるスロットマシーンの絵柄が飾り付けられたステージに現れた9人のオーケストラ。ジャズ・ロックをベースにしながら、音響やポスト・ロック的な先鋭さも濃厚。予測不可能な曲展開が宇宙的なアンサンブルでスリリングに駆け抜ける。ギター、ベース、キーボード、ビブラホン、トランペット、チューバ、などなど多彩な音色。しかも一人一人が曲ごとに楽器を持ち替えるという、サウンド的にも視覚的にもドラマティックな展開に引き込まれていく。さらにドラマーさんがやけに盛り上げ上手で、ことあるごとに前に出てきて観客を煽る。それに答えるように観客達も最後は総立ちで盛り上がる。ラスト曲は「Music! Dance! Drama!」。圧巻でした!
そしてこの日の最後を締めたのが、BBB Sound System DJ Set。これはイスラエル出身、ニューヨーク発のバルカン・ミクスチャー・バンド、バルカン・ビート・ボックスによるDJセット。ジャズ・イベントでこれ大丈夫なのかな?と思いきや、音が鳴ると同時に観客席もほぼ総立ち。BBBのメンバー3人が鳴らすビートが有楽町の空に響き渡る様はかなり快感。手動のパットを駆使しながら繋がれるリズムはやたら肉感的で、女性ダンサーが出てきた頃には観客達も出来上がって完全に野外パーティの様相に。純粋にジャズを聴きに来た人達は唖然としていたかもしれませんけどね。およそ1時間、踊りまくりなDJタイムでした。有楽町という、都会の真っただ中ならではの開放感でした!!
今年も屋台村との同時開催でしたので、ライヴの合間にフェス飯っぽい食事も楽しめて、楽しい1日でした。