徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

遺言執行人/高橋源一郎「ニッポンの小説 百年の孤独」

2009-10-12 19:18:51 | Books
<たとえば、シマザキトウソンという、詩人で作家だった青年は、キタムラトウコクという、同じように詩人で作家だった男の「遺言執行人」の役をかってでました。コバヤシヒデオという青年も、同じように、ナカハラチュウヤという青年が亡くなった後、「遺言執行人」として、大いに活躍しました。そして、戦争のような大きな事件が起こり、人が大量に亡くなると、当然のことながら、「遺言執行人」も大量に現れることになるのです。
 そして、そういった「遺言執行人」たちに、「我々は死者の代弁をしているのだ、死者のいうことに、つまり我々のいうことに耳をかたむけろ」といわれると、誰の代弁もしていない、誰の「遺言」も預かってはいない我々は、なんだか恥ずかしくなって、頭を下げ、眼を閉じて、しばらくの間、神妙な面持ちで、彼らの発言を聞くことにするのですが、内心では、「いつ、話が終わるんだろう、早く終わらないかなあ、夕方から、見たいテレビの番組があるんだけど」などと思っているのです。>
(高橋源一郎『ニッポンの小説 百年の孤独』「死んだ人はお経やお祈りを聞くことができますか?」より)

僕が君を知ってる

2009-10-12 01:02:18 | Music
SHIBUYA-AXで恒例のバースデイライブ、<I stand alone 仲井戸"CHABO"麗市「僕が君を知ってる」>。今回はバースデイというよりも文字通り「僕」仲井戸麗市が「君」忌野清志郎に送る一夜。BLUEさんのサイトで、清志郎死後のCHABOさんのMANDALAでの壮絶なライブのようすは読んでいたが(読めば読むほど、あれはRCに殉じたファンと、本当の“関係者”向けのライブだよなあ…)。個人的にも青山ロックンロールショー以来、CHABOのライブは久しぶりなので期待していた
冒頭でCHABOが宣言した通りに、RCサクセション、清志郎、そしてカヴァー曲のみで構成された約3時間30分。言葉と歌がすんなり身体に溶け込んでくる。また妙に湿っぽくなることもなく清志郎、RCの思い出話を辿りながら語り、歌う構成は緩やかで伸びやかで、時間はまったく気にならなかった。、
そして終盤、舞台上に星が浮かぶ中、清志郎死去直後のライブで読まれた手紙が再びCHABOによってリーディングされる。この清志郎への手紙も、以前よりもCHABOなりに新しい一歩踏み出したような印象を受けた。暗転の後、虹が浮かび上がる。そしてCHABOがステージを去った後、CHABO&清志郎による「君が僕を知っている」の映像が流される。
もう、これは反則である。
「甲州街道はもう秋なのさ」「夜の散歩をしないかね」、そして清志郎への手紙と泣くタイミングはいくらでもあったのだが、何とか我慢した。しかし最後の最後に、その、当の清志郎とCHABOの映像が映し出されては、何十回と観た映像だとはいえ、泣かないわけにはいかないのだ。まさに青山ロックロールショーで、祭壇の前で「トランジスタラジオ」が聴こえてきたときのような衝撃。
帰り道、錦糸町の加賀屋で少々酒。まあ、呑まずにはいられないわけなのよ。

<セットリスト>
1.よォーこそ
2.激しい雨
3.君が僕を知っている
4.たとえばこんなラブソング
5.つ・き・あ・い・た・い
6.上を向いて歩こう ※メロは坂本九Ver.
7.You Got A Move~ボスしけてるぜ
8.よそ者
9.多摩蘭坂
10.2時間35分
11.春が来たから
12.僕とあの娘
13.夢を見た
14.カニ~ムシ~ヘビ
15.(リーディング)※コーヒー・サイフォン
16.ぼくの自転車のうしろに乗りなよ
17.お墓
18.(リーディング)※清志郎から古井戸へのメッセージ
19.甲州街道はもう秋なのさ
20.(リーディング)※1994年、夏
21.忙しすぎたから
22.エンジェル(インスト)
23.毎日がブランニューデイ
24.キモちE
25.いい事ばかりはありゃしない
26.雨上がりの夜空に
27.夏の口笛
(enc)
28.南行きの列車で行く
29.スローバラード
30.嵐が去った後にAfter the storm
31.夜の散歩をしないかね
32.(リーディング)※“戦友”たちへ
33.(リーディング)※chaboから清志郎への手紙
34.君が僕を知っている(北海道Ver.)/仲井戸麗市&忌野清志郎

※自力セットリストなので間違っている部分があればご指摘下さい。

清水さん後編

2009-10-12 00:57:44 | LB中洲通信2004~2010
午前中に下北沢で、改めて清水宏さんの取材。
前回の取材を受けていろいろと調べ直して話を伺うことができたので、(すでにネタになっている部分も含めて)バイオグラフィ的には充実した内容になるか…と思ったが、さすがに出演舞台リストは断念。四半世紀に及ぶキャリアを持つ清水さんだから、今のうちにまとめた方がいいんじゃないかなと思うんだが。