徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

「120分間もがんばった末にPK戦負けで勝ち点0ではかわいそう」の論理

2013-09-16 05:38:50 | Sports/Football
11日のJ1、J2合同実行委員会で導入の方針が固まり、明日17日の理事会で「2ステージ制」復活が正式に決定する見通しだという。土曜日のアイスタでも清水、名古屋両ゴール裏で反対の意志を示す横断幕が掲げられた。
これに対してネットに出没している「勝手に代弁すんな!」という人も気持ちもわからないでもないのだが、積極的に賛成でもない限り、リーグは強行してしまう模様なので代弁も何も関係ないです。この状況で言う主張というのは「反対」でしか意味がない。賛成、もしくは「どうでもいい」ぐらいに思っているなら、「反対の反対」なんざ主張せずに放っておけばいいんです。
どんなところにも「反・反」の輩は出没するものである。

ドメサカ板まとめブログ : J1各チームサポーターによる2ステージ制反対の横断幕まとめ

勿論オレも2ステージ制には断固反対です。

<アメリカのプロサッカーリーグMLSは96年にスタートした。そして、アメリカ人の関心を引くために、日本と同じような延長戦や、その後のシュートアウト(日本のPK戦に相当)を実施した。しかし5シーズン目の来年、シュートアウトを廃止して引き分けを導入し、延長戦も10分間だけにするという。
 日本でも、今季からPK戦が廃止されて引き分けが導入された。理由は、「120分間もがんばった末にPK戦負けで勝ち点0ではかわいそう」という、多分に心情的なものだった。
 だがMLSでは、「どういうリーグにしていくか」からすべてが発想されている。当初は、サッカーを知らないアメリカ人を引きつけて「ビッグスポーツ」に仲間入りしようとしていた。しかし来年からは、主としてすでにサッカー好きの人びとの満足を考えてリーグを運営していく方針に転換したという。(中略)
 Jリーグはスタート前の91年に大がかりな調査を行い、サッカーをしている中高生が観戦にくることができるように「土曜日午後6時半キックオフ」の原則を決めた。しかしその後、人気沸騰とテレビ放送からの要請でそんな取り決めは忘れ去られ、現在に至っている。
 Jリーグとはどういうリーグなのか、それぞれのクラブは地域社会のなかでどのような存在なのか、どういう人びとにスタジアムにきてほしいのか。すべてのことを、原点に戻って考え直す必要があるように思う。>
大住良之「サッカーの話をしよう」No.291 「ファン不在」の土曜午後3時キックオフ 1999年11月24日

一年通して戦って、「頑張って」年間勝ち点で1位になってもプレーオフで年間勝ち点下位に敗退したら「かわいそう」だよなあ…。何なんだよ、「がんばった」「かわいそう」って。小学生か。

劇的を越えて/第25節 名古屋戦

2013-09-16 05:02:19 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


土曜日はアイスタで名古屋戦
3連休の初日ということで予想通り東名は横浜周辺で激混、だったら朝イチの便にしとけよとも思うのだが、結果1時間30分程度の遅れだったため永楽町で途中下車し時間通り到着できた。台風の影響もあるのだろうが結構な湿気があるものの、吹く風は涼しい。
何てったって15時キックオフである。一番好きな時間帯だ。
ホームの場合はゴール裏ではないから“並ぶ”必要はないとはいえそれでも東京からは早めに出掛けなければならないけれども、日帰りできて、ゲームを思い出しながら呑む時間もたっぷり(というほどはないけれども)時間があるというのがいい。しかしまだ9月も半ばということもあり、ピッチ内ではそんな呑気な状況ではなかったようだ。
強力なラドンチッチを抑え続けていた名古屋の新人DF牟田は両足が攣って途中交替してしまったし、そのラドンチッチもゲーム終了直後の挨拶が終わると(燃焼感と勝利の喜びもあっただろうけれども)センターサークルの近くでしばらく横になっていた。やはり24.55歳の清水と30.45歳の名古屋の平均年齢差(スタメン)の影響は時間を追うごとに明らかになっていた(まあ牟田とラドンチッチの年齢差は逆なんだが)。

この日のレフリーだった家本“研修”政明はプラスクオリティープロジェクトに忠実なレフリングで、名古屋サポーターにしてみればPKを流しやがってと思うだろうが、こちらにしてみれば名古屋のファウルは流しまくりアクチュアルプレーイングタイム(実際のプレー時間)を稼ぐ。
プレーヤーやスタンドの不満を全身で受けながらハーフタイムには警備員に守られた家本が、それでもゲーム終了後にはスタンドから野次も飛ばされずに消えていったのは、あまりにも劇的な勝利だったおかげだろう。

劇的な勝利は確かにその瞬間は至上の喜びでスタンドも盛り上がるのだけれども、シーズンを通して見れば実にあてにならない。過去2シーズンのアフシンのエスパルスというのは劇的な勝利が少なくなかった。しかし逆に言えばこれはチームの不安定の証明だった。
不安定にさせる要因はシーズン途中で一転、二転するチーム構成が大きかったと思うし、それは今シーズンも繰り返されたのだが、現時点で今年の夏の補強は成功だったと言える。バレーほどJでの実績はなかったとはいえ、それ以上にポストとしての技術の高いラドンチッチ、そして清水で実績を残していた元紀とタクの復帰が攻守に渡って自信と落ち着きを与えている影響は小さくない。
ただ、このゲームで唯一不満の残ったのは櫛引のアクティブに欠けたプレーだったのだが、これがこれまで西部、海人といった主力級を放出し続けてもJで最高レベルのGK陣を誇ってきた清水がいよいよ林を放出したツケだったと思うと皮肉なものである。

名古屋に先制点を獲られても、スタンドも決して悪い意味でヒートアップすることはなかった。近辺のAゾーンはメインの中でも特に野次の多いエリアだと思うのだが、自分たちのチームに対してネガティブな野次は少なかったと思う(しかし名古屋の阿部翔平はゲームを通して野次られ続けた)。
チームは以前のように失点して拙攻に陥るようなことはなかった。
そしてゴールを狙える雰囲気はスタンドにも伝わる。
途中交替で投入された村田が一度目の突破でシュートを失敗しても、二度目の突破で冷静に、そして最高のクロスを元紀に送った。焦れずにゴールを狙える形ができつつある。
時間帯こそ劇的だったが、ゴールは必然である。

次節は21日、ニッパツ三ツ沢球技場で首位横浜との対戦。前回、リーグでの横浜戦は最悪の3月に行なわれた。特別内容だったとは今でも思えないのだが、結果は“最悪の3月”の幕開けとなるものとなった。
首位で、ベテラン揃いの横浜があのときから大きく変わるということはないだろうが、今の清水がどこまでできるのかは興味深いし、楽しみだ。
しかし、残念ながらキックオフは15時ではない。

「普通」であるということ/差別撤廃 東京大行進に向けて(1)

2013-09-16 02:53:50 | News
ずーっと教室のような場所には居心地の悪さしか感じていなくて、集団や組織を見るとそこに教室の光景を見てしまう悪癖がついてしまっている。いまだに、である。
学校や教室というのはいつまで経っても派閥とヒエラルキーの世界で、とっても頭のいい奴やバカ(本物の)やちょっと悪い連中とはそれなりに付き合えたものの、やはり「普通の人たち」がさっぱりわからなかった。だからとっとと社会に出た。社会では頭のいい奴はとことん頭が良く、バカはひたすらバカで、悪い連中の悪さは果てしない。社会は教室よりももっと酷いところではあるけれども、それはそれで素晴らしい。社会にはもっと多様な居場所や豊かな生き方がある。
そして「普通の人たち」というのは「場所」が作った同調圧力であることに気付く。
「普通」というのはきっと人ではなく場所を指す。誰だって本当は“普通”で、“普通じゃない”。
それぞれの人が生きるため、そしてそう生きたいと願う場所(=社会)ができあがれば、人はそこで「普通」を身に纏う必要はないのだよね。

3.11以降の運動は「普通の人たちの運動」だという。
確かにオレ自身もそう言い、書き続けてきたけれども、しかし最初に突破口を開いたのは、やはり筋の通らないものは許さない頭のいい奴らと後先を考えずに動いたオレのようなバカな連中だっただろうと思う。学校は卒業したとはいえ、社会に出たってそれぞれの「場所」はなかなか人を自由にしてくれない。「普通」の呪縛から逃れられない。だから社会は“だんだん”としか動かない。
そして今年の春からだんだんと動き始めた社会の、ひとつの成果として来週日曜日の新宿で差別撤廃を求めるパレードがある。
パレードまであと一週間、これが2013年の“普通の場所”になれば、と願う。(たぶん続く)

差別撤廃 東京大行進 The March on Tokyo for Freedom
日時:9月22日(日)12時半集合/13時出発
集合:新宿中央公園 水の広場

<数年前から、東京の新大久保や大坂の鶴橋など、全国各地でレイシスト団体によるヘイトスピーチ・デモや街宣活動が繰り返し行われてきました。私たちはこのような卑劣なデモに対して、2013年2月から様々な形の抗議活動を行なってきました。そして、7月14日に大阪で行われた「OSAKA AGAINST RACISM 仲よくしようぜパレード」への連帯をベースにしながら、人種、国籍、ジェンダーその他の偏見の範疇に基づくすべての形態の差別に反対するデモを9月22日に行ないます。>
People's Front of Anti Racism/差別撤廃 東京大行進 The March on Tokyo for Freedom公式サイト