徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

憎悪に至る鬼ごっこ

2011-09-12 18:54:47 | News
経産省前「人間の鎖」が成功し、ポジティブな気持ちになった後に地元に戻って酒を呑みながら、新宿で逮捕者が出たことを知り、正直「やはり」と思った。

素人の乱のデモで十数人の逮捕者が出てしまったことは残念だが、しかし彼らの一部に警備側を挑発しながら、場の「空気」を熱くするスタンス(手法)はなかったか。事実素人の乱としては「失敗」だったと思える東電前デモでも、主宰の松本氏がしきりに警備側を挑発していたのをオレは目の前で見ていた。
勿論その手法自体を否定するものではないけれども(彼のカリスマは認めるし、文字通り場の空気はホットになる)、しかし、これは所謂フーリガンの手法に近い。
クラブに忠誠を誓うと同時に、敵と味方がはっきりとしたスポーツエンタテイメントでは、相手クラブのサポーターとの煽り合いもサポーターの「娯楽」である。リーダーはそれによって集団心理を煽り、かつ集団をまとめるという手法は確実にあるだろう。それも2ちゃんねるの中のような牧歌的な煽り合いのように、エンタテイメントの側面だと言ってしまうこともできるけれども、しかし、その煽り合い=鬼ごっこの「鬼」が本気になってしまったときにどんな形であれ悲劇は起こる。
素人の乱というサブカルのスタンスもやはり、残念ながら悪戯っ子の悪ふざけという「鬼ごっこ」のスパイラルに入っていたと思わざるを得ない。

参加者のメッセージはシリアスだったというのは事実だろうし、疑うべくもない。テキストで読んだり、動画を観る限り、柄谷行人氏のスピーチやいとうせいこうさんのポエトリーリーディングは感動的だったと思う。そして逮捕者の支援は必要なものだし、協力したい。勿論警察の露骨な干渉は批判しなくちゃいけないだろうけれども、憎悪を剥き出しにしてこれ以上エスカレートすることは避けたいと思う。
敵を見間違うことほど運動を疲弊させるものはない。

(追記)
いろいろとブログやTLを追っていくと、オレ自身は現場にいないわけだからこのエントリはちょっと内容的には先入観に捉われ過ぎている感じはしてきたな、と反省(修正はしないけれども)。伝えられる個々の拘束状況は理不尽な話ばかりで、ここのところツイデモでは出没しなくなったけれども、これまでもたびたび悪質な挑発を繰り返し、どうやら今回は逮捕の発端にも関わっているらしきウヨの連中には怒りしか覚えない。
また逮捕された主催スタッフは参加者が逮捕されないようにパフォーマーに注意を呼びかけていたようだし、少なくとも主催サイドは今回の警察の動きにかなり警戒感を持っていたのだろう。勿論それでも過去の素人の乱系のデモで起こったことを考えれば、今回再び起こるであろう事態はスタッフでなくとも予想はできていたことだろうし、それにも関わらず十数人の逮捕者が出てしまったということは、やはり素人の乱だからこそ狙い撃ちにされたと言えないか(勿論様々なグループが参加しているとはいえ、万単位の人間が集まってしまえば、これはすでに素人の乱だけでコントロールができるわけないと思うが)。

しかし事情を知らない(調べない/調べられない)人たちにとっては逮捕という事実だけが残る。
経産省を囲んでいた善良なおじさんおばさん運動家には影響はないかもしれないけれども、若い世代のライト層に少なからず影響が出るんじゃないかという心配は残る。一方では、それが“あちら側”の目的という見方もあるんだけれども。
もっと周囲にいるひとりひとりがトラブルの芽を摘む方策を考えるべき時なのだろう。ちなみに怒りを剥き出しにすることそのものを否定しているわけじゃないですよ。勿論。
とりあえず19日NO NUKES MORE HEARTS(ツイデモ有志の隊列が参加)と24日のツイデモは是非とも熱く、ピースフルに歩ければいいなと思うです。

(さらに追記)
ツイデモではピースフルな姿を見かけた参加者が、同一人物とは思えないほどトラメガで興奮気味に叫んでいる姿をYOU TUBEで観ると、やはり改めて、これは「場」そのものの問題でもあったと思わざるを得ない。

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