徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

「主役」は来なかった、が/12.19新橋駅前SL広場

2011-12-20 00:38:33 | News

新橋に出かける前にTLに流れる統一戦線義勇軍の針谷さん@giyuugungityouのツイートが目に入った。それだけで改めて「これは今までのデモとはちょっとわけが違うぞ」という気分になった。何と言っても普段はなかなかできない「直接対決」である。街頭といいつつ警備はそれなりに厳しくなるだろうし、いつものTwitnonukesとは違い、現場が怒りに満ちているのは明らかだ。
プラカードは途中でネットプリントしていくつもりだったのだけれども、メモっていたナンバーが既に期限切れだったので結局手ぶらで新橋に向かった。まあプラカードがなくても声がある。
正午手前に新橋駅に到着するとSL広場に横付けされた民主党の街宣車前はすっかり人で埋まっていた。とはいえ、立錐の余地もないというほどでもないので人をかきわけて前に進み、適当な場所を確保。
背広姿の警備はかなり目立って多い。蓮舫内閣府特命担当大臣がスピーチしている途中、前に立っていた子連れのお父さんが一瞬プラカードを掲げ、声を上げた。ただそれだけで背広姿の男たちが彼と小さな女の子を取り囲み、排除しようとしていた。
彼は激しく抗議し、当然のようにオレを含めて周囲にいた人間も抗議の声を上げた。
もうそれだけでムカムカしてきた。オレが目撃した排除の現場はそれだけだったけれども、そんなふうにプラカードを掲げただけで排除された人たちは何人もいたという。誰もが穏やかな街頭演説になるとは思っていなかっただろう。反原発だけではなく、街宣車の前に集っていた人たちは、さまざまな思いを抱えて怒りを露わにして隠すことはなかった。
なぜなら「彼ら」は確かに目の前にいるのだから。
しかし正午を10分ほど過ぎたあたりから街宣車の上の動きが慌しくなり、周囲に不穏な空気が流れ始めた。

そんなとき、先ほど男たちに取り囲まれていたお父さんが目の前でプラカードを掲げた。それはもう、街宣車の上のよくわからない動きに業を煮やしたといった感じで、今度ははっきりと、力強くプラカードを掲げた。
それが合図となり、それまで隠れていたプラカードも一斉に掲げられ、同時に怒号に似たコールが始まった。移動している間はまったく集まっている意識はなかったのだけれども、Twitnonukesの平野君やいつもの連中が近くにいた。プラカードがないぶんオレは声を出した。
もう街宣車の声はほとんど聴こえない。断片的に聴こえてきたのは「野田総理はここには来ない」という、ちょっと信じられない言葉だった(勿論、今思えば金正日の死去という緊急事態にあって、のこのこ槍玉に挙げられるわけにもいかないという事情も理解できなくもないが)。「主役」が来ないSL広場では急遽始まった「デモ」にテレビカメラが向けられた。
反原発グループは前列まで押し寄せて、一部のネトウヨから茶々を入れられながらもコールは15分、20分と続いた。
わずか30分ほどの出来事だったけれども、オレたちは剥き出しの怒りを表現できたんじゃないか。そう受け取って欲しい。
そして、これからもそうありたいと思う。

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