温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT:ゴーサット)の観測データを使って、地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は季節変動をしながら年々上昇し、平成27年5月に約398.8 ppmを記録した。
さらに推定経年平均濃度は、平成27年7月に約398.2 ppmに達したことがわかった。
このままの上昇傾向が続けば、月別平均濃度や推定経年平均濃度はともに、遅くとも平成28年中に400 ppmを超える見込み。
これは、「いぶき」の観測によって地球大気全体の平均濃度が400 ppmに近づくことを初めしたもので、衛星による温室効果ガス観測の重要性を表すものと言える。
「いぶき」は、環境省、国立環境研究所(NIES)及び宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した世界初の温室効果ガス観測専用の衛星で、平成21年1月23日の打上げ以降、現在も観測を続けている。