米航空宇宙局(NASA)は、「未確認飛行物体(UFO)」などを科学的に検証するチームを立ち上げ、10月24日から研究に着手した。
約9カ月後の2023年半ばに調査結果が公表される。
米航空宇宙局(NASA)は、「未確認飛行物体(UFO)」などを科学的に検証するチームを立ち上げ、10月24日から研究に着手した。
約9カ月後の2023年半ばに調査結果が公表される。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウ試料について、科学的成果の最大化を図るために、世界中より研究を広く公募するための第1回「国際研究公募(国際AO)」を実施していたが、この度、40件(9カ国)の研究提案を選定した。
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【第1回「国際研究公募(国際AO)」の概要】
(1)目的
・世界の研究者から研究提案を募り、研究成果が期待できる研究者に試料を提供することで、「はやぶさ2」プロジェクトの科学的成果の最大化を図る。
・国際AOを通じて世界の研究者に試料を提供することにより、世界の惑星科学の発展に貢献する。
(2)経緯
・2020年12月、「はやぶさ2」カプセルの帰還。
・2021年6月以降、JAXAの試料分析業務として、各大学と連携し、初期分析を実施。
・2021年12月17日、科学的成果の最大化を図るため、世界中より研究を広く公募する第1回国際AOを発出。
・2022年3月25日、意思通知書(Notice of Intent)募集締切。105件(19か国)を受付。
・2022年4月22日、公募受付締切。57件(12か国)の研究提案を受付。
(3)選定結果
・リュウグウ試料研究公募委員会(AOパネル)で審議し、57件のうち40件(9か国)(74試料、約230mg)を選定し、2022年6月13日、はやぶさ2サンプル配分委員会(Hayabusa2 Sample Allocation Committee「HSAC」)はAOパネルの選定結果を承認。
・選定された40件のリストはこちら:https://curation.isas.jaxa.jp/topics/22-06-17.html
(4)今後の予定
・6月末からリュウグウ試料を分配予定。
・今後も半年ごとに、合計4回の国際AOを実施予定。
探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料から、アミノ酸など複数の有機物が見つかった。
その一部は生命の材料に使われる物質だった。
世界各国の天文学者が参加する国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」は、2019年、遠く離れた銀河にあるブラックホールの撮影に史上初めて成功たが、今回、新たに太陽系を含む天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール「いて座Aスター」の姿を初めて捉えた画像を公開した。
いて座Aスターは、太陽の400万倍もの質量を持つが、ブラックホールは光を全く発しないため、画像は、いて座Aスター自体ではなく、それを取り囲むガスが放つ光。
画像は、80か国300人以上の研究者が5年以上かけて作成した。
北海道大学低温科学研究所の香内 晃教授、桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部の中野英之教授、岡山大学惑星物質研究所の山下 茂准教授、奥地拓生准教授、九州大学大学院理学研究院の奈良岡浩教授、海洋研究開発機構生物地球化学センターの高野淑識主任研究員、東京大学大学院理学系研究科の橘 省吾教授らの研究グループは、星間分子雲のチリに大量に含まれている有機物を加熱すると、水が大量に生成されることを発見した。
これまで、地球に水をもたらした物質としては、彗星の氷や、炭素質隕石に含まれる水を含む鉱物などが候補になっていた。しかし、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の探査によって彗星の氷の寄与はほとんどないことがわかり、また、炭素質隕石では地球の水が多くなりすぎるなどの問題があり、地球の水の起源はわかっていなかった。
星間分子雲由来の有機物は、氷がなくなってしまう、太陽から2.5天文単位の距離より内側の領域でも残っているため、有機物から水ができるという結果は、地球のみならず、火星や小惑星の水の起源を解明する上で、重要な成果。
「はやぶさ2」によって採取された試料中の有機物の分析と相まって、地球をはじめ、地球型惑星の水や有機物の起源が解明されることが期待される。 (海洋研究開発機構<JAMSTEC>)
2017年に関西地方を中心に目撃された火球(明るい流星)が、小惑星を起源としたものであることが明らかになった。この火球の起源である小惑星は遠い将来に地球に衝突する可能性もある。この流星体が小惑星から放出されたメカニズムを考察することは、天体の衝突から地球を守ることにもつながる重要な研究成果。
国立天文台などの研究者から成る研究グループは、2017年4月29日未明(日本時間)に関西地方を中心に目撃された火球について、多地点で観測されたデータを解析した。
「SonotaCo Network(ソノタコ ネットワーク)」と名付けられた監視カメラ群が国内12カ所で捉えた火球の観測画像から、火球の経路を算出した。その経路から求めた流星体の軌道は、地球接近小惑星「(164121) 2003 YT1」の軌道とほぼ一致していた。火球の元となった流星体は、この小惑星から放出されたと考えられる。
この小惑星は、大小二つの天体が互いを回り合う二重小惑星。もともとは一つだった天体が、自転が速くなり二つに分裂したと推測されている。分裂の時期は過去1万年未満と推定できることから、分裂時に流星体が小惑星から放出されたとすれば、今回求められた軌道ともつじつまが合うことが分かった。
今回の火球程度の流星体の大きさであれば、衝突しても地球環境への影響はないが、もっと大きな流星体や小惑星本体が地球に衝突すると、地球へ深刻な被害をもたらすことになりかねない。地球接近小惑星の監視や、小惑星からの物質放出の研究は、地球を守るためにとても重要。同研究では、流星科学の活用により、地球接近小惑星の潜在的な危険性に迫ることができた。(「国立天文台」ウェブサイトより)
米国・カーネギー研究所などの研究チームは、すばる望遠鏡を用いて2004年から2007年にかけて行った観測から、土星の外周を回る衛星を新たに20天体「発見」したと発表した。
この「発見」により、これまでに見つかった土星の衛星の数は82となり、木星の発見総衛星数の79を上回った。
東京大学宇宙線研究所の馬渡健特任研究員、早稲田大学の井上昭雄教授らの研究チームは、ろくぶんぎ座の方向にある「COSMOS(コスモス)」という天域で、宇宙年齢10億年の時代の「老けた」銀河の観測に成功した。
COSMOS天域では、日本のすばる望遠鏡を含む世界中の望遠鏡が協力した観測がこれまでに行なわれており、全天で最も良質な画像データが揃っているが、同研究チームは、既存の観測データに加え、アルマ望遠鏡による超高感度電波観測も独自に行い、同天域にある近赤外線で明るい3万7千の天体から「老けた」銀河の候補を3つ選び出した。
詳細な解析から、これらの天体はいずれも、宇宙年齢10億年程度の時代にある約7億歳の星から成る「老けた」銀河である可能性が高いことがわかった。つまり、宇宙年齢わずか3億年(135億光年の距離)の時代に銀河が誕生していたことが推測できる。
これまではビッグバンから5億年後(約133億光年の距離)の銀河まで発見されていた。
去る2019年4月10日にブラックホールの直接撮像を成し遂げたと発表したイベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)チームに、2020年の「基礎物理学ブレークスルー賞」が贈られることが決定した。
総計347名の受賞者のうち、国立天文台に所属する研究者は、EHT Japan代表の本間希樹教授・水沢VLBI観測所長をはじめ11名。
この賞は、2012年から授与されている、基礎物理学・生命科学・数学における重要な進展を表彰する国際賞のひとつ。
これまでにも東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章卓越教授など複数の日本人が受賞しており、国立天文台でも2016年に重力波の直接検出に貢献した2人の研究者が特別賞を受賞している。
東京大学/国立天文台の王 涛(ワン・タオ)特任研究員らの研究チームは、可視光線と近赤外線で観測するハッブル宇宙望遠鏡の画像には写っていないが、それよりも少し波長が長い赤外線で観測するスピッツァー宇宙望遠鏡の画像には写っている天体63個を観測対象として選び出し、そして、アルマ望遠鏡を用いてそれらを観測し、39個の天体からサブミリ波を検出した。
解析の結果、39個の天体はいずれも、110億年以上前の宇宙に存在する星形成中の巨大銀河であることが分かった。
典型的な宇宙膨張に従った銀河進化に関する多くの理論では、初期の宇宙に星形成中の巨大銀河がこれほど多く存在することは想定されておらず、この観測結果は宇宙や銀河の進化の理解に大きな謎を投げかけるもの。
銀河の質量は、太陽の数百億倍から1千億倍と、天の川銀河と同等かやや小さい程度だが、昔の宇宙では例外的に大きいもの。
星を生み出すスピードも天の川銀河の100倍以上と推定されている。やがてこれらの銀河は、巨大楕円銀河へと進化していくものと考えられる。
これまでの宇宙膨張モデルに基づく理論的予測では、このように星を活発に生み出す巨大な銀河は、宇宙の初期には存在できないと考えられてきた。今回の観測によって、銀河進化の理解にはまだまだ未解明な点が多いことが浮き彫りになった。
アルマ望遠鏡や近未来の新しい観測機器でのさらなる観測研究が待望される。