宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」表面への2回目の着陸に向け、目印となるボールを狙った場所に投下したと発表した。
「りゅうぐう」の高度約10メートルまで降下してボールを放出した。ボールは狙い通り、クレーターを含む20メートル四方の領域に落ちた。
これにより、6月下旬~7月上旬に「りゅうぐう」への着陸を試みる。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」表面への2回目の着陸に向け、目印となるボールを狙った場所に投下したと発表した。
「りゅうぐう」の高度約10メートルまで降下してボールを放出した。ボールは狙い通り、クレーターを含む20メートル四方の領域に落ちた。
これにより、6月下旬~7月上旬に「りゅうぐう」への着陸を試みる。
京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の安田直樹教授を中心とするKavli IPMU、東北大学、甲南大学、国立天文台、東京大学大学院理学系研究科、京都大学の研究者らからなる研究チームは、ハワイのすばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ 「Hyper Suprime-Cam (HSC; ハイパー・シュプリーム・カム) 」を用いた半年間の観測により、赤方偏移1以上 (約80億光年遠く) の遠方超新星58個を始め、約1,800個もの超新星を発見した。
近傍を含む大量の超新星を発見したことのみならず、遠方超新星を半年間という短期間の観測からこれほどの数発見できたことは、大口径のすばる望遠鏡の集光力と高解像度で広視野という HSC の特徴を合わせた、すばる HSC での観測の強みが存分に活かされた成果と言える。
超新星爆発は星が一生の最期に起こす大爆発で、宇宙進化の原動力であることが知られている。太陽の10億倍以上という銀河全体に匹敵する明るさで光り輝き、その後一カ月から半年ほどで暗くなってしまう。
特に、Ia (いちえい) 型と呼ばれる超新星は、その絶対的な明るさがほぼ一定であるため、見かけの明るさの明暗により超新星までの距離を測定することが可能。
また、近年では Ia型超新星よりも5-10倍も明るい超高輝度超新星と呼ばれる特殊な超新星が次々と発見されている。
超高輝度超新星は、その明るさのために非常に遠方のものまで観測できることから、宇宙初期にできた大質量星の性質を知るのに重要な手がかりになる。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、5月28日~30日に、宇宙探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」につくったクリエーター付近への着陸を目指す準備作業を行う。
高度10mまで近づき、着陸の候補地点へマーカーを落とすことにしている。
作業が順調に進めば、当初の予定通り、6月下旬~7月上旬に「りゅうぐう」への着陸を試みる予定。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)付加価値情報創生部門数理科学・先端技術研究開発センター細野七月特任技術研究員らは、現在の地球及び月を作った原因とされる、巨大衝突仮説と呼ばれる現象のコンピュータシミュレーションを行い、月が原始地球のマグマオーシャンと呼ばれるマグマの海から作られた可能性があることを突き止めた。
現在の地球と月は、46億年前に起きた、ふたつの天体の衝突である巨大衝突という現象によって作られたと考えられてきた。巨大衝突仮説は地球と月の様々な特徴を説明できるため、コンピュータシミュレーションにより様々な検証がなされてきた。しかしながら、アポロ計画で月から持ち帰った岩石に含まれる様々な元素の同位体比測定結果は、巨大衝突仮説に基づく従来のコンピュータシミュレーションの結果と矛盾することが指摘されてきた。
そこで同研究では、従来の標準的な巨大衝突仮説に基づくモデルを改良し、原始地球にマグマオーシャンがあるという仮定の下、巨大衝突のコンピュータシミュレーションを世界で初めて行った。その結果、マグマオーシャンが月の形成に大きく寄与することで地球と月の同位体比問題が解決される可能性があることを示唆した。
巨大衝突仮説は、現在の地球及び月を考える上で極めて重要な仮説であり、この仮説を元に地球のその後の熱進化などが考えられてきた。同研究の計算結果は、これまで考えられてきた初期地球とは違う結果をもたらすもの。これは、現在の地球がどのように形成されたかを知る上での、大きな手がかりとなるであろう。また、巨大衝突仮説は原始地球のみならず、太陽系内の他の惑星にも起きたと考えられている。このような、「惑星の多様性」を説明する上でも、同研究の計算結果は示唆を与えることが期待される。
経済産業省及び宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」を通じて、JAXAの人工衛星「つばめ」の観測画像を5月15日より公開した。これにより、高頻度観測による新たな衛星データ利用の創出を目指すことにしている。
経済産業省では、衛星データを活用したビジネス創出を促進する観点から、「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備・データ利用促進事業」を実施し、ユーザにとって使いやすい衛星データプラットフォーム「Tellus」の開発を進めている。
同事業では、これまでJAXAから、陸域観測技術衛星「だいち」等のJAXA保有の衛星データの提供及び技術的助言を受けており、2019年2月21日には「Tellus」のプロトタイプ版を一般公開した。これにより、衛星データの無償での商業利用が可能となっている。
この度、経済産業省及びJAXAは、JAXAが技術実証を目的として開発運用を進めてきた超低高度軌道を飛行する超低度衛星技術試験機「つばめ」の画像データを、5月15日より、「Tellus」を通じて公開した。
「つばめ」は、4月2日~5月10日までの間、超低軌道(約270km)から東京都心を毎日16時半頃に定点観測し、その後、段階的に高度を下げ、今秋9月頃にかけて撮像実験を行うこととしており、これらの観測データが「Tellus」で公開されることになる。
自社開発の小型ロケット「モモ」3号機の打ち上げに成功したインターステラテクノロジズは、北海道大樹町にあるのロケット開発実験場・発射場のネーミングライツ(命名権)を5400万円で販売を開始した。
期間は2年間で、公式の呼称やGoogle マップへの掲載名が希望の名義になる。
国立天文台、中国国家天文台などの研究者から成る研究チームは、中国の分光探査望遠鏡「LAMOST」による探査で選び出した恒星を、すばる望遠鏡に搭載した高分散分光器HDSで詳細に観測するという共同研究を2014年から続けている。
同研究チームは、これまで観測した400個を超える恒星の中に、元素組成に際立った特徴のある恒星を発見した。こういった恒星が天の川銀河で見つかったのは初めてだが、天の川銀河を取り巻く矮小銀河ではこれまでにいくつか見つかっている。
この恒星は矮小銀河の中で誕生したものの、母体である矮小銀河が後に天の川銀河と合体した結果、現在は天の川銀河の一員となっていると考えられる。また、この恒星の母体である矮小銀河が誕生してから天の川銀河と合体するまでは、ある程度の時間が経過していたことが示唆された。
天の川銀河のような大きな銀河は、周囲にある小さな銀河との衝突・合体を何度も繰り返して成長してきた。恒星の元素組成を調べることは、天の川銀河の成長の歴史を研究していく手掛かりとなる。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は少量生産システム(ミニマルファブ)による宇宙用集積回路製造の実現を目指しているが、このたび、1000トランジスタ規模の集積回路(4ビットシフトレジスタおよびI/O回路)を設計し、産業技術総合研究所(産総研)が開発した実用SOI-CMOS 2層アルミ配線プロセス技術Technology 2018を用いて試作、その動作実証に成功した。
今回の成果により、宇宙機向けの少量多品種集積回路を短期間で製造できるミニマルファブ方式の有効性が確認できた。今後は実用化に向けた検討を行く。
また、産総研は宇宙機だけでなく、産総研が目標とするミニマルファブによるIoTデバイスの実現など、今後ミニマルファブを広範な産業分野へ適用するよう、応用開発を加速して行く。
今回の研究で、(1)速い装置動作、(2)ユーザーインターフェースの統一、(3)フルオート装置動作、(4)クリーンルームフリーというミニマルファブの新しい機能によって、回路設計者が一人で自らデバイス製造を行えることが実証された。これは半導体産業において一人でハイテクを全て使いこなすという新しい世界を切り拓く重要な成果。
<新刊情報>
書名:人類、宇宙に住む~実現への3つのステップ~
著者:ミチオ・カク
訳者:斉藤隆央
発行:NHK出版
地球温暖化や資源の枯渇、小惑星や彗星の衝突、太陽の膨張……。地球がいずれ壊滅的なダメージを受けることは避けられず、人類は生き延びるために宇宙に移住する必要がある。世界的に高名な理論物理学者で、未来学者としても定評のある著者が、宇宙移住への道を3つのステップで解説する。まずは月や火星に入植し、次に太陽系外の星々への進出を果たし、それと当時に人体の改造や能力の強化を行うというプランだ。NASAやイーロン・マスク、ジェフ・ベゾスらの挑戦や、AIやスターシップなど最新テクノロジーの進展を追いながら、驚くべき人類の未来を見通す。最高にエキサイティングな科学読み物。
東京大学・JAXAの橘省吾教授、東京大学の上塚貴史特任助教、国立天文台・総合研究大学院大学の廣田朋也助教、理化学研究所の坂井南美主任研究員らの研究グループは、オリオン大星雲の中の巨大原始星「オリオンKL電波源I」から回転しながら吹き出すガスの流れ(アウトフロー)の根元付近に、一酸化アルミニウム分子が存在することを、アルマ望遠鏡の観測データから明らかにした。
これまで、一酸化アルミニウム分子は、年老いた恒星から吹き出すガスにしか観測されていなかった。同研究では、巨大原始星にその分子を発見し、その空間分布まで初めて明らかにした。
一酸化アルミニウム分子がアウトフローの根元付近にだけ観測されるという事実は、揮発性の低い一酸化アルミニウム分子がアウトフローの中で固体微粒子(ダスト)に変わっていることを示唆する。
アルミニウムを主成分とする鉱物は、太陽系最古の固体物質中に豊富に存在するが、その形成環境は充分に理解されていない。
同研究の結果をきっかけに、今後、原始星周囲での金属を含む分子の分布を明らかにすることで、太陽系最初期に惑星の材料となった鉱物がどのようにつくられたのかを理解することに繋がると期待される。