宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)が、9月30日(水)午前5時08分(日本時間)に第3回軌道離脱マヌーバを実施し、大気圏に再突入したと発表した。
HTV5は、所期の目的である国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送を完遂し、再突入をもって、約42日間にわたるミッションの全任務を完了した。
無人補給船「こうのとり」5号機は、29日未明、ドッキングしていた国際宇宙ステーション(ISS)から分離された。
「こうのとり」には不要物が積み込まれており、30日に大気圏に突入し燃え尽きる予定。
チューリッヒ工科大学の研究者を中心とした研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された多天体近赤外撮像分光装置(MOIRCS)を使い、ビッグバンから40億年後の宇宙に存在している、既に星形成活動を終えた銀河を観測した結果、大質量楕円銀河がビッグバンの40億年後の状態から、さらなる星形成活動が生じることなく、現在に至ったことを明らかにした。
同研究チームは、一度に多数の天体のスペクトルを取得できるMOIRCSの強みを活かして24個の銀河について効率的にデータを取得し、それらをすべて足しあわせることで200時間の観測時間に相当するスペクトルを合成した。
その結果、観測した銀河の年齢が10億年であり、また金属量が太陽に比べて1.7倍、アルファ元素(酸素、ネオン、マグネシウム、ケイ素、硫黄、カルシウム、チタンなど)と呼ばれる星形成の継続期間の指標となる元素と鉄の比が太陽に比べて2倍程度であることが、この合成スペクトルの分析から分かった。
このような遠方銀河において、恒星のアルファ元素と鉄の比を求めたのは初めてのこと。これによって、銀河が星形成をおこなった期間が10億年より短かったことが分かった。
東京工業大学大学院生命理工学研究科の工藤明教授らは、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で2ヵ月間飼育したメダカを分析し、無重力で骨量が減少するメカニズムの一端を世界で初めて明らかにした。
破骨細胞が無重力下で活性化され、破骨細胞の特徴である多核化がより進んでいることが分かった。
また破骨細胞のミトコンドリアの形態異常が観察され、ミトコンドリアに関連している2つの遺伝子「fkbp5」と「ddit4」の特異的な発現上昇が認められた。
三菱重工業および宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、カナダTelesat社の通信放送衛星「Telstar 12 VANTAGE」を搭載したH-IIAロケット29号機の打上げについて、下記のとおり実施する。
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打上げ予定日:平成27年11月24日(火)
打上げ予定時間帯:15時23分~17時07分(日本標準時)
打上げ予備期間:平成27年11月25日(水)~平成27年12月31日(木)
打上げ場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場
千葉工業大などが開発した流星観測衛星「S-CUBE」が、2015年9月17日21時02分(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟から油井亀美也宇宙飛行士により放出され、地球周回軌道に投入された。
超小型人工衛星開発企業のアクセルスペースは、約18億円の第三者割当増資を実施し、引受先であるスカパーJSATおよび三井物産との間で業務提携に関する覚書を締結した。
同社は、今回の調達資金を利用して、2017年中をメドに地球観測用の超小型衛星3機を打ち上げ、地球観測画像データ事業に参入する。
スカパーJSATとの業務提携契約では、主に超小型衛星の運用に関して協業することを、三井物産との業務提携契約では、主に超小型衛星画像の利用サービスに関して協業することをそれぞれ目的としており、両社との業務提携を通じて地球観測画像事業基盤の一層の強化を図る予定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)の国際宇宙ステーション(ISS)からの分離、及び再突入について、次の通りのとおり決定した。
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ISSからの分離予定日 : 平成27年9月29日(火)
予定時刻 : 午前0時20分頃(日本標準時)
大気圏への再突入予定日 : 平成27年9月30日(水)
予定時刻 : 午前5時31分頃(日本標準時)
(時刻は実際の運用状況によって前後することがある)
千葉工業大学は、二度の打上げ失敗に見舞われた流星観測カメラ「メテオ」の兄弟ミッションである流星観測衛星「S-CUBE(エスキューブ)」が、2015年9月17日(木)21時頃(日本時間)に、国際宇宙ステーション日本実験棟から放出され、地球周回軌道に投入されることが決ったことを明らかにした。
S-CUBEは世界初の「宇宙からの流星観測プロジェクト」で、S-CUBEの放出ミッションは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也宇宙飛行士が放出コマンドを送信する予定。
軌道投入後初めてのS-CUBEの可視時刻(S-CUBEと千葉工大地上局が通信できる時刻)は2015年9月17日(木)23:30~9月18日(金)01:00になる見込みで、この時からS-CUBEの運用が開始される。
S-CUBEは、千葉工業大学惑星探査研究センターを実施責任機関として、千葉工業大学惑星探査研究センターと東北大学が共同で開発する大学独自のプロジェクト。
アストロバイオロジーセンターの成田憲保特任助教(国立天文台併任)と分子科学研究所の正岡重行准教授らの共同研究グループは、 生命が必ずしもいなくても、酸素を豊富に保持する地球型惑星が存在しうることを理論的に明らかにした。
同研究チームは、太陽系の地球型惑星や衛星などにも豊富に存在している酸化チタンの光触媒反応によって、非生物的に酸素が発生することに着目した。
その上で、地球に類似した環境の惑星を仮定した場合に、惑星表層の0.05%程度(地球でいえば北海道の面積以下)で酸化チタンの光触媒反応が継続すると、現在の地球と同程度の酸素大気が発生・維持されることが推定できた。
つまり、 光合成を行う生物が存在しなくても、太陽系外の生命居住可能惑星に地球と同程度の酸素大気が発生してしまう可能性が十分にあることを明らかにしたもの。