国立天文台は、米国ハワイ州から次世代超大型望遠鏡TMT(Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡)の許可が下り、TMTが本格建設に入ることになったと発表した。
TMTの建設に向け、これまで、日本、米国、中国、カナダ、インドの5カ国の協力で準備が進められ、2014年5月6日、米国において「TMT国際天文台」(TIO)が法人登記され、設立された。
TMT国際天文台は、実際に望遠鏡建設を進める組織で、完成後には望遠鏡の運用も行う。 また、参加機関からの代表で構成される評議員会(議長=カリフォルニア大学サンタバーバラ校のヘンリー・ヤン学長、副議長=国立天文台の家正則教授)で方針や重要事項を決定することになっている。
TMT建設において、日本は望遠鏡本体構造の製作と主鏡製作の一部という基幹部分を担当する。
主鏡を構成する492枚の分割鏡(交換用を含めると574枚)の鏡材は、全て日本が製作する。2013年からすでに量産に入っており、2014年3月までに60枚の鏡材が出来上がり、鏡面の研削・研磨加工も量産に入っている。