アクセルスペースがウェザーニューズと共同で開発した気象・海象観測超小型衛星「WNISAT-1R」は、7月14日に主衛星Kanopus 1機と、同衛星を含む他72機の小型衛星とともにカザフスタン・バイコヌール宇宙基地より打ち上げられ、衛星の最初の日本上空通過時に信号の受信に成功した。現在、搭載各機器の状況を確認する初期運用を実施中。
「WNISAT-1R」は、光学カメラによる気象・海象観測を主な目的とした質量43kgの超小型衛星。
冬場の渤海(中国)・セントローレンス湾(カナダ)や夏季の北極海を通航する船会社に対し最適な航路情報を提供するためには、海氷分布を高頻度に知ることが必要。これを実現するためには世界中の海氷を観測する衛星を開発することが最も効果的であると判断しWNISAT-1Rプロジェクトが計画された。
同衛星は2013年に打ち上げた「WNISAT-1」で獲得した技術を継承・発展させ、アクセルスペースとウェザーニューズが共同で開発したもの。
なお、「WNISAT-1R」は、メインミッションである各地海氷の光学観測に加え、「光学カメラによる台風・活動中の火山などの観測」「GPS等の測位衛星から放射される電波(マイクロ波)が地表で反射して戻ってくる波を観測することで地表の状態を推定するGNSS-R (Global Navigation Satellite System – Reflectometry) 」をミッションとしている。