国立天文台の高野秀路氏と名古屋大学の中島拓氏を中心とする研究グループは、アルマ望遠鏡を用いて渦巻銀河M77の観測を行い、その中心部に存在する巨大ブラックホールのまわりに、有機分子が集中して存在することを初めて明らかにした。
こうした分子は、ブラックホール周囲では強烈なエックス線や紫外線放射によって壊されると考えられているが、今回の観測成果は、大量の塵とガスによってエックス線や紫外線がさえぎられている領域があることを示唆している。
国立天文台の高野秀路氏と名古屋大学の中島拓氏を中心とする研究グループは、アルマ望遠鏡を用いて渦巻銀河M77の観測を行い、その中心部に存在する巨大ブラックホールのまわりに、有機分子が集中して存在することを初めて明らかにした。
こうした分子は、ブラックホール周囲では強烈なエックス線や紫外線放射によって壊されると考えられているが、今回の観測成果は、大量の塵とガスによってエックス線や紫外線がさえぎられている領域があることを示唆している。
グーグルによるの国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE(GLXP)」(賞金総額3000万ドル)に挑戦する、アイスペース社が運営する日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」は、アメリカの宇宙開発企業アストロボティック・テクノロジー社と月面輸送契約を結び、2016年後半にアメリカで打上げを実施すると発表した。
<打上げ概要>
打上げ予定時期:2016年後半
打上げロケット:SpaceX社Falcon9(ファルコンナイン)
打上げ場所:アメリカ・フロリダ州ケープカナベル
月面着陸船(ランダー):アストロボティックGriffin(グリフィン)
月面着陸予定地:Lacus Mortis(死の湖)
ハクトは、開発スケジュール・コスト・システム要件などの総合的な観点から、GLXP中間賞を受賞するなど高い技術力が評価されているアストロボティックのランダー「Griffin」に相乗りすることが、最もGLXPミッションの成功確率が高いと判断。
2016年後半に打ち上げられるランダー「Griffin」には、ハクトの月面探査ローバー「Moonraker」と「Tetris」に加えて、ハクトと同じくGLXPに参加するアストロボティックの月面探査ローバー「Andy」も搭載されているため、2チームは同時に月面に着陸し、それぞれGLXPミッション達成を目指すことになる。
GLXPでは、初となるチーム間の提携となり、もしどちらかのチームがGLXPミッションを達成した場合には、優勝賞金2000万ドルは2チーム間で分配する。
また、月面の着陸予定地点である「死の湖」には、地下の溶岩トンネルにつながる「縦孔」が存在すると考えられており、GLXPのミッションに加えて、世界初となる月面の縦孔探査でその存在を発見することができれば、月面の厳しい温度変化や宇宙放射線の影響から身を守れる天然の月面シェルターとして将来の月面有人探査などで活用できる可能性がある。
<新刊情報>
書名:佐藤勝彦の眠れなくなる宇宙入門
著者:佐藤勝彦
発行:宝島社
同書は、「眠れなくなる宇宙のはなし」シリーズの著者である佐藤勝彦氏が案内する“「宇宙の入門ビジュアルムック”。宇宙の「過去・現在・未来」が一冊でわかるというのが基本コンセプト。宇宙の「過去」では「古代人の宇宙観」ならびに佐藤氏の専門であるインフレーション理論を詳しく、宇宙の「現在」については、いま一番ホットといってよい「地球外生命探査」を集中的に記述。そして宇宙の「未来」については数億年、数十億年後の地球、そして数千億、数百兆年後の宇宙の未来像を描き出す。ベストセラー3部作をカラー絵図とともにダイジェスト。やさしい解説で入門書に最適。
国立天文台、大阪教育大学、名古屋大学、京都産業大学などの研究者からなる研究チームは、2013年8月に現れた新星爆発をすばる望遠鏡で観測し、3番目に軽い元素であるリチウム(Li)がこの新星で大量に生成されていることを突き止めた。
リチウムを生成・放出している天体が直接的に観測されたのは今回が初めて。
米国とロシアの2名の宇宙飛行士が、今年3月からISS初の1年間の長期滞在を開始する。
その後、油井亀美也宇宙飛行士は、今年5月26日から約半年の国際宇宙ステーション長期滞在を開始する。
第44次/第45次長期滞在クルーは、JAXAの油井亀美也宇宙飛行士を含む6人(米国2名、ロシア3名、日本1名)。
なお、来年度打上げが予定されている宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)により、高エネルギー電子、ガンマ線観測装置などがISSに運ばれることになっている。
JAXA宇宙医学研究センター長の向井千秋宇宙飛行士は、フランス レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエに叙され、ティエリー・ダナ駐日フランス大使により勲章を授与された。
レジオン・ドヌール勲章は、フランスの最高勲章で、ナポレオン・ボナパルトによって1802年に創設され、軍人や文化・科学・産業・商業・創作活動などの分野における民間人の「卓越した功績」を表彰することを目的としたもの。
向井千秋宇宙飛行士は、1994年7月8日ー23日、ペイロードスペシャリストとして、スペースシャトル・コロンビア号でのミッションに参加し、この時の宇宙滞在時間は14日17時間55分で、女性の宇宙最長滞在記録を更新した。また、1998年10月29日―11月7日、スペースシャトル・ディスカバリー号でのミッション (STS-95) で2度目の宇宙飛行を行った。
国立極地研究所の片岡龍峰 准教授と、日本科学技術振興財団の糸屋覚氏らは、世界初となる全天周8K解像度によるオーロラ映像の連続撮影に成功した。
同研究チームは、オーロラの全体像と微細な構造を同時に撮影するため、新たに全天周8K撮影システム「ハウル」を開発した。
「ハウル」は、デジタル一眼レフカメラNikon D800Eを5台、東西南北と天頂に向けて直角に配置し、デジタルカメラ制御ソフトNikon Multi Camera Controlを用いて5台同時にシャッターを切り、視野が重なり合う5枚の対角魚眼写真を合成することによって全天周8K分解能を実現している。
全天周8K分解能とは、円周魚眼フォーマットの直径で8000ピクセルを超える分解能。従来の単一カメラによる全天周ドーム映像と比べて10倍以上の画素数になっている。
また、2月13日には、同研究で撮影した全天周8K解像度のオーロラ映像の上映と、撮影システムと画像処理の研究開発に関する講演を、8Kドーム映像を体感できる高解像度デジタルプラネタリウム神楽洞夢(三重県津市)で行うことになっている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」を平成27年冬期に金星周回軌道へ投入するための計画および観測計画を策定した。
金星探査機「あかつき」は、平成22年12月の金星周回軌道への投入失敗後、平成27年冬期の金星会合の機会に金星周回軌道へ投入する計画の詳細検討を行ってきた。
「あかつき」は金星周回軌道に投入後、リモートセンシングによって地球の双子星と言われる金星の大気を観測する予定。
大気循環のメカニズムの解明や、地球との比較によって「惑星気象学」を発展させることが期待される。
1. 金星周回軌道への再投入計画
投入予定日:平成27年12月7日(月)
2. 観測計画
金星探査機「あかつき」は、金星を周回する周期8~9日の楕円軌道上から、複数の観測波長で各種観測を行うことを予定している。
三菱重工業および宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H-IIAロケット28号機による情報収集衛星「光学5号機」の打上げについて、下記のとおり実施すると発表した。
打上げ予定日:平成27年3月26日(木)
打上げ予定時間帯:10時00分~12時00分(日本標準時)
打上げ予備期間:平成27年3月27日(金)~平成27年4月10日(金)
打上げ場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場
<新刊情報>
書名:ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた宇宙の絶景
監修:縣 秀彦
発行:洋泉社
宇宙138億年の謎を解き続ける宇宙の眼、 ハッブル宇宙望遠鏡のベストフォトセレクション!