●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●金星探査機「あかつき」、金星大気のスーパーローテーションの維持のメカニズムを解明

2020-04-27 06:35:01 | 宇宙探査機

 北海道大学・JAXA宇宙科学研究所などの研究者からなる国際研究グループは、金星探査機「あかつき」によって取得された観測データに基づき、長年謎だった金星大気の高速回転(スーパーローテーション)がどのように維持されているのかを明らかにした。

 金星の分厚い大気は、自転の60倍ほどにも達する速さで回転していることが知られている。これをスーパーローテーションと呼ばれている。

 スーパーローテーションは、何らかの加速機構がなければ維持できないことが知られているが、それがどのような機構であるかは、わかっていなかった。

 今回、「あかつき」で得られた画像と温度データの詳細な分析より、この加速機構を担うのが、「熱潮汐波」であることが明らかになった。

 地球の潮の満ち干に関わる海の潮汐波は、月の引力によって生み出されるが、大気中には昼間熱せられて夜冷却されることによる潮汐波が地球にも金星にも存在し、熱潮汐波と呼ばれている。

 金星では、この熱潮汐波が、低緯度で大気の加速を担うことが重要であることが明らかになった。

 これまで、大気中に存在する潮汐波以外の波や乱れ(乱流)も加速を担う候補として考えられてきたが、むしろその逆に働いていることも明らかになった。なお、それらは赤道を離れた中緯度において重要な役割を果たしていると考えられる。

 これらの組み合わせにより、子午面循環によるゆっくりとした極向きの熱輸送と、スーパーローテーションによる速い夜側への熱輸送が両立するシステムが形成されて、太陽からの熱が効率的に分配されいる。

 この研究により、「あかつき」計画の当初からの大きな目標が達成された。

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●宇宙探査●JAXAと欧州宇宙機関、水星磁気圏探査機「みお」の地球スイングバイに成功

2020-04-22 18:11:03 | 宇宙探査機

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)および欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)は、国際水星探査計画「ベピコロンボ(BepiColombo)」の水星磁気圏探査機「みお」の地球スイングバイ後の軌道計測と計算を行い、「みお」が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認した。

 「みお」は、地球スイングバイにおいて、地球の重力を利用して目標どおり約5km/sの減速を行いながら、2020年4月10日(金)13時24分57秒(日本時間)に地球に最接近し、南大西洋上空の12,689kmを通過した。

 ESA深宇宙ネットワーク局の探査機運用により、現在「みお」の状態は正常であることを確認している。

 「みお」に搭載した低エネルギー電子観測器(MPPE/MEA)によって太陽風および磁気圏の観測も行った。

 今後は定期的な機能確認に加えて、2020年10月15日に予定している金星スイングバイのような惑星スイングバイや惑星間空間巡航時の科学観測運用を実施していく予定。

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●宇宙探査●NASA、9年ぶりの有人飛行機を5月27日に打ち上げ

2020-04-19 16:58:02 | 宇宙ステーション

 米航空宇宙局(NASA)は、米国の民間企業のスペースXが開発中の新型宇宙船「クルードラゴン」に人を乗せて、5月27日にケネディ宇宙センター(フロリダ州)から大型ロケット「ファルコン9」に搭載して打ち上げ、ISS(国際宇宙ステーション)に人を送る。

 これは、米国として、2011年のスペースシャトルの退役以来、9年ぶりの有人飛行となる。

 なお、現在、野口聡一宇宙飛行士は、新型宇宙船「クルードラゴン」に搭乗してISSへ向かうための訓練を行っている。
 

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●宇宙探査●JAXA、有人宇宙探査に向けた活動を強化

2020-04-17 15:42:56 | 天体観測施設

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び筑波大学のチームが進めてきた、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟での宇宙マウス飼育システムの開発及び地上の健康長寿や有人宇宙探査に関する研究が、令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞 科学技術振興部門)を受賞した。

 JAXAは、国際宇宙ステーション(ISS)の利用成果最大化に向けた日米協力枠組み(Japan-U.S. Open Platform Partnership Program: JP-US OP3)のもと、「きぼう」日本実験棟での宇宙マウス飼育システムを用いた低重力ミッションの共同実施を米国航空宇宙局(NASA)との間で、2020年2月に合意している。

 この共同ミッションを通じて、JAXAは、筑波大学の協力を得て、日米の国際研究チームにより、今後の有人宇宙探査活動に向けた活動を強化する方針。

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●宇宙探査●小惑星探査機「はやぶさ2」、地上局がKa帯電波の受信に成功

2020-04-12 17:25:57 | 宇宙探査機

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2019年12月16日に成功した小惑星探査機「はやぶさ2」からのX帯信号の受信(8GHz帯)に引き続き、2020年4月8日 午前3時15分頃(日本時間)に、Ka帯(32GHz帯)信号の受信に成功した。 

 Ka帯による深宇宙探査機信号の受信は国内で初めて。

 Ka帯の利用により、探査機からのデータ伝送量をX帯に比べて増加させることが可能な見込みであることから、今後の探査機運用に大きく寄与することが期待されている。 

 今回、はやぶさ2からの電波を捉えたのは、JAXAが長野県佐久市で建設を進めている美笹深宇宙探査用地上局の直径54mのアンテナ。

 今後は、新規開発中の固体電力増幅装置を用いたX帯(7GHz帯)による指令信号等の送信確認となる。 この確認を経て、美笹局は2021年4月からの本格稼働を予定している。

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●宇宙探査●野口聡一宇宙飛行士、米スペースX社の「クルードラゴン宇宙船」に搭乗してISSへ向かうための訓練開始

2020-04-02 18:58:41 | 宇宙ステーション

 野口聡一宇宙飛行士は、現在、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在に向けた準備・訓練を実施しているが、アメリカのスペースX社が開発を進めている「クルードラゴン宇宙船」の運用初号機に搭乗してISSへ向かうための訓練を行うこととなった。

 「クルードラゴン宇宙船」には、4人の宇宙飛行士が乗り込みISSへ向かい、ISSに長期滞在する。

 打ち上げ時期は、現在のところ未定。

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