宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、内之浦宇宙空間観測所から高性能小型レーダ衛星「ASNARO-2」を搭載したイプシロンロケット3号機の打上げを平成29年11月12日に予定していたが、射場での機体点検作業時において電気系統に不適合が確認され、対策に相応の時間を要することから、打上げを延期することとした。
なお、新たな打上げ日は未定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、内之浦宇宙空間観測所から高性能小型レーダ衛星「ASNARO-2」を搭載したイプシロンロケット3号機の打上げを平成29年11月12日に予定していたが、射場での機体点検作業時において電気系統に不適合が確認され、対策に相応の時間を要することから、打上げを延期することとした。
なお、新たな打上げ日は未定。
PDエアロスペースは、宇宙機開発のキーとなる「ジェットーロケット切替エンジン」の技術実証に成功した。
同技術は、爆轟(デトネーション)と呼ばれる衝撃波を伴った燃焼形態を有する「パルスデトネーションエンジン」(PDE)の特徴を活かし、
① 大気中では空気を酸化剤に用いて燃焼させるジェット燃焼と、
② 宇宙空間を含む希薄大気環境下では、純酸素など自機に搭載した酸化剤を用いるロケット燃焼を、
③ 単一のエンジンで切り替えて作動させるもの。
これにより、宇宙機を地上から航空機のように離陸させ、大気中を飛行し、高高度で一気に加速、そのまま宇宙空間へ到達。その後、地球(大気環境下)へ再突入した後、滑空および再度、動力を用いて飛行し、空港に着陸するシステム(完全再利用型宇宙往還機)が出来るようになる。
マックスプランク地球外物理学研究所・国立天文台の但木謙一学振特別研究員と東北大学の児玉忠恭教授を中心とする国際チームは、従来の定説である「銀河の衝突合体説」に加えて、別の進化経路があったことを示す決定的な証拠を発見した。
これは、世界最高性能の望遠鏡群(すばる/ハッブル/アルマ)を駆使して、110億光年彼方の銀河の中心部で新たな星が爆発的に生まれていることを突き止めたもの。
この激しい星形成活動により、銀河は合体をしなくても、自らその形を変えることができたことが判明した。
今回の研究の新しい点は、ハッブル宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡の両方を駆使して、複数の観点から110億光年離れた銀河を解剖したこと。
近赤外線を観測するハッブル望遠鏡では、銀河を構成する星からの光を捉え、「110億年前の時点で、銀河がどのような形をしているのか」を調べる。
一方アルマ望遠鏡では、星の材料である塵や分子ガスが放つ電波をとらえ、「銀河のどこで新しい星が作られているか」を調べる。
この2つを組み合わせることで初めて、「銀河の形がどのように進化するのか」知ることができた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と新たな協力分野について以下のような共同声明を発表したが、この中で、「りゅうぐう」の次のミッション「DESTINY+」を計画中であることを明らかにした。
1. 両機関は、衛星による温室効果ガス(GHG)観測データの精度向上と同データの利用を共同で促進し、気候変動問題に対応するための政府レベルの取り組みや気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議論に貢献することで、パリ協定の効果的な実行に寄与する。
2. 両機関は、国際宇宙ステーション(ISS)を含む微小重力環境を最大限に活用していく。また、地球低軌道以遠の宇宙探査における将来の協力可能性についても検討する予定。2018年3月3日に日本政府が主催する第二回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)は、宇宙探査のための国際協力に関し実り多い対話促進に関する意見交換ができる重要な会合になる。
3. 両機関は、惑星科学の分野でさらなる協力の可能性を検討する。JAXAとDLRの象徴的な協力であり「りゅうぐう」に向け飛行中の「はやぶさ2」にはMASCOTが搭載されており、2018年夏には目的地に到着予定。これに続くミッションとして、JAXAは、「DESTINY+」と命名したミッションを計画中であり、小型・軽量化された機器や高性能イオンエンジンにより、将来の深宇宙探査技術の実証を目指す。また、このミッションは地球に生命居住をもたらした過程の理解も目指す。生命の必須物質である有機物を含む惑星間ダストの実態解明のために、JAXAは活動小惑星である「フェイトン」をフライバイ観測する機器の開発を計画しており、DLRは、ドイツが長年に亘り世界に優位性を誇るダスト質量分析装置の提供に関心を示している。
ISS日本実験棟「きぼう」を月・火星などに向けた有人探査へのテストベットとして活用して、国際宇宙探査へ科学的に貢献することが求められているが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「きぼう」内に人工重力環境を発生させるターンテーブル上で小動物(マウス)を飼育する装置"MARS"を開発し、初回実験として微小重力環境(μg)および人工重力環境(人工1g)で同時長期飼育を行った。
筑波大学等と連携し、長期飼育したマウスの骨・筋肉等の変化を分析したところ、μg で引き起こされたマウスの骨・筋肉の量の顕著な減少が人工1g では見られず、「重力が動物の身体そのものの形作りを決定づける」ことを純粋な重力影響のみの比較から明らかにしました。
今後、μg と1g の間の重力環境(パーシャルg という)において、動物の身体の形作りを決定づける重力閾値が見いだされることが期待され、宇宙探査にかかる科学面だけでなく、重力のある地球上で動物が繁栄してきた道程が「きぼう」において紐解かれることも期待される。
アストロスケールと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、この度、将来のスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去に向けて、共同研究契約を締結した。
同共同研究では、アストロスケールの技術実証衛星「ELSA-d」の開発において、JAXAがデブリ除去のため研究を進めているデブリへの接近・捕獲技術の検証にかかる試験技術を提供して協力するほか、軌道上において「ELSA-d」が取得する模擬デブリの画像データの評価を共同で行う。
宇宙空間には、宇宙機の爆発・衝突事故等により1センチを超えるスペースデブリが75万個以上存在すると言われ、今後も宇宙機の衝突事故等によりさらに増加することが懸念されており、デブリへの対策が急務となっている。
こうした中、持続的な宇宙利用のための環境保全を目指し、JAXAは今後も大学、民間機関などと協力し、デブリ除去技術の確立に取り組むことにしている。
無人宇宙探査機「カッシーニ」は、9月15日、13年間にわたる土星およびその衛星の探査を終え、土星の大気に突入して任務を終えた。
カッシーニは、1997年に打ち上げられ、2004年に土星を回る探査機となった。
移動体衛星通信サービス大手企業である英国インマルサットと三菱重工業は、インマルサット社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6」シリーズ初号機の打上げ輸送サービスを三菱重工に委託することで合意し、契約を締結した。
衛星は仏エアバス ディフェンス アンド スペース社が製造中で、2020年にH-IIAロケットで打上げ予定。三菱重工にとって、海外顧客からの衛星打上げ輸送サービス受注は、今回で5件目となる。
三菱重工の打上げ輸送サービスは、打上げ成功率約97.6%に加えて2005年以降35回連続成功という高い成功率を誇り、そして定刻打上げにより、高い顧客満足を実現している。
H-IIAの後継機となるH3ロケットは現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工が共同で開発中。H3初号機は2020年の打上げを計画しており、このH3は価格を含めた顧客満足度を向上させた打上げ輸送サービスを可能とする。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、イプシロンロケット3号機による地球観測用のレーダ衛星「ASNARO-2」の打上げについて、下記のとおり実施すると発表した。
<地球観測用のレーダ衛星「ASNARO-2」性能概要>
主要搭載機器:合成開口レーダ
分解能:1.0m
観測幅:10km
質量:570kg
◇
打上げ予定日:平成29年11月12日(日)
打上げ予定時間帯:6時00分頃~6時35分頃(日本標準時)
打上げ予備期間:平成29年11月13日(月)~平成29年12月31日(日)
打上げ場所:内之浦宇宙空間観測所
国際天文学連合は、冥王星にある大陸のような地形を、日本の小惑星探査機にちなんで「はやぶさ台地」と命名した。