米航空宇宙局(NASA)の次世代宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」は、地球から約150万キロ離れた、ラグランジュ点の一つL2に到達した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020年度から実施中の「THINK SPACE LIFEプラットフォーム」の一環として、新たにTHINK SPACE LIFE アクセラレータプログラムを立ち上げ、広く事業提案を募集することとした。
同プログラムを共催する募集事業者6社の事業領域と宇宙生活の課題・ニーズから設定された6つのテーマ毎に事業提案を募り、選定された提案については各募集事業者と提案事業者との共同開発を進めることで、地上での新しい事業創出と宇宙での実装を目指す。JAXAは募集、ワークショップ開催やメンタリング等を通じて支援を行う。
また、同プログラムでは、選定された事業提案に対し、さまざまな環境の下で地上実証する機会の提供・拡充も図っている。オフグリッド環境の提供事業者に加えて、今回新たに、都市型環境、航空機内環境の提供事業者2社との連携を開始する。
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【「THINK SPACE LIFEアクセラレータプログラム2021」事業提案募集<概要>】
〇主催:国立研究開発法人宇宙航空開発研究機構
〇共催(募集事業者):株式会社資生堂、株式会社ニトリ、日本たばこ産業株式会社、株式会社パル、有人宇宙システム株式会社、株式会社ワコール(五十音順)
〇募集期間:2021年12月13日(月)~2022年2月13日(日)23:59まで
〇応募資格:日本の法律に基づき適法かつ有効に設立され、かつ存続する法人
〇募集テーマ:
1生活リズム/体内リズムの見える化と適正化による美の実現 (株)資生堂
2宇宙・地上双方で活用できる睡眠の質を向上する循環型機能性商品の開発 (株)ニトリ
3宇宙・地球における、ストレス状態を緩和する"チルアウト"の実現 日本たばこ産業(株)
4地上でも宇宙でも「ちょっと幸せな日常」を提供する商品開発 (株)パル
5持続可能な自己管理行動を支える遠隔・健康管理支援サービスの開発 有人宇宙システム(株)
6非重力負荷環境を見据えたフットケア/ヘルスケアの実現 (株)ワコール
〇募集ページ:https://eiicon.net/about/think-space-life2021/外部リンク
〇募集要項:https://eiicon.net/about/think-space-life2021/application-requirements.pdf
2021年12月25日に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」の折りたたまれた状態からの展開作業が1月8日に完了した。
JWSTは、全長6.5メートルの黄金の主鏡が凹型に組み立てられ、焦点合わせの準備が整った。
JWSTは、「ハッブル宇宙望遠鏡」の後継機で、100倍もの観測能力を持ち、2022年7月から観測開始を予定している。
著者:ケイティ・マック
訳者:吉田三知世
「はやぶさ2」により帰還した「リュウグウ」試料の初期記載に関する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究論文が、イギリスのオンラインジャーナル「Nature Astronomy」誌にに掲載された。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020年12月に小惑星探査機「はやぶさ2」によりC型地球近傍小惑星「リュウグウ」の表層2箇所から計5.4gの試料を持ち帰った。
始原的な隕石を分析することから、地球を生命惑星とした太陽系形成期のプロセスを理解する努力がなされてきた。また、C型小惑星は、炭素に富む小天体であることが望遠鏡観測から推定され、始原的な隕石の母天体であると考えられてきたが、これまで物的証拠はなかった。
持ち帰られた試料のサイズ・重量・可視/近赤外反射スペクトル分析を進めた結果、帰還試料は現地での撮像観測から知ることができた小惑星全体の特徴を反映しており、水・有機物に富む始原的な特徴を持つことが明らかになった。
既知の隕石と比較すると、最も太陽の組成と近い始原的な隕石と似ているが、より暗く、比重が小さいという特徴を持つことが分かった。「はやぶさ2」は、その由来が明快であり、かつ、太陽系初期の情報を雄弁にもたらす試料を帰還させたと言うことができよう。
2021年6月に開始された初期分析では、より詳細な分析が行われており、試料が太陽系形成論を進展させる潜在能力がより明らかになることが期待される。
初期記載の結果をまとめると、帰還したリュウグウ試料はリュウグウ表層試料の代表的な試料であり、可視・近赤外スペクトルの特徴や顕微鏡観察の結果から高温包有物が見られない点などから既知の隕石ではCIコンドライトに最も似ているが、密度が小さいこと、反射率が低い点では異なっていることが明らかになった。今後、引き続いて行われるより詳細な分析、すなわち、初期分析・2次キュレーション分析、公募分析に対して参照となる情報を提供することが出来た。この初期記載成果は今後の国内外のサンプルリターンミッションに対しても、キュレーションとして初期にどこまでしなければいけないのかということについての標準とすべき、好例となった。<宇宙航空研究開発機構(JAXA)>
米航空宇宙局(NASA)は、バイデン政権が2030年まで国際宇宙ステーション(ISS)の運営を継続すると確約したことを明らかにした。
バイデン政権は、ISSの運営継続に向けロシアを含む国際パートナーとの協力を確約したという。
その他のパートナー国も延長を承認すれば、ISSは2030年まで運営が継続されることになる。