超小型の人工衛星でビジネスを展開するベンチャー企業のアクセルスペースは、リアルタイム地球観測網(コンステレーション)を構成する超小型地球観測(リモートセンシング)衛星「GRUS(グルース)」の最初の衛星の2016年打ち上げを目指している。
GRUSは、100kg以下の超小型衛星でありながら、地上分解能2.5mの地球観測が可能で、現在、試作モデルを開発中。
「コンステレーション」には星座という意味もあり、これらの衛星は鶴の群れの様に地球を周回することから、英語でつる座を意味するGRUSと名づけたもの。
今までの商用リモートセンシング衛星は、地上分解能を向上させるように進化してきた。
しかしながら、商用リモートセンシング衛星の数はそれほど多くなく、ユーザーがある地点の撮影を希望しても、そもそも衛星が撮影地点上空に飛来するまでに数日かかる、撮影地点が雲で覆われている、他のユーザーの希望と競合する等して必ずしもユーザーの希望通りに画像を撮影できるとは限らなかった。
また、このようにユーザーが撮影希望を出して新たに撮影する画像の価格は高く、このような画像を利用できるユーザーは限られていた。
そのため、現在、安価かつ即応性の高いリモートセンシング画像が利用できるようになることが待ち望まれている。
超小型衛星でありながら、GRUSには地球観測用の大口径光学系が搭載されており、いわゆる白黒画像のパンクロマティック画像と、青、緑、赤、近赤外の各波長ごとの画像であるマルチスペクトル画像を取得することができる。
地上分解能はパンクロマティック画像は2.5m、マルチスペクトル画像は5.0mを達成する。
当初は3~5機程度を打ち上げ、まずは地球のどの地点でも1日1回は撮影できるレベルからスタートし、徐々に軌道上の衛星の数を増やすことにより最終的には数十機による高頻度な準リアルタイム観測網を構築する予定。
軌道は、太陽同期軌道で高度は675km(予定)。