アイスペースは、民間月面探査機「HAKUTO-R」ミッション1のランダー(月着陸船)による、民間企業として世界初の月面着陸を予定していたが、4月26日8時時点において、ランダーとの通信の回復が見込まれず、月面着陸を確認するSuccess9の完了が困難と判断した。
一方で、設定した10段階のマイルストーンのうち、Success 8までのマイルストーンで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現するうえでの貴重なデータやノウハウなどを獲得することができた。
これらは、今後の月面探査を進める上で大きな飛躍であり、日本のみならず、世界の民間企業による宇宙開発を進展させる布石になる。
同社は、2024年のミッション2、2025年のミッション3の技術成熟度を飛躍的に高めることを目指し、今回のミッション1のサクセス8までの運用と着陸シーケンス中に取得されたとデータとノウハウを最大限活用していくことにしている。
ミッション2では、マイクロローバー(小型月面探査車)を活用し、本格的な月面資源探査を開始することを計画。目的は、ミッション1同様に、月の情報と地球-月輸送サービス構築に向けた技術検証。
ミッション3以降の目的は、水資源探査を中心とした、月の情報と地球-月輸送サービスプラットフォームの構築。高頻度でランダーの月面着陸とローバーでの月面探査を実現し、顧客の荷物を月へ輸送、そして要望に応じて月面のデータを取得する等のミッションを行う。