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はい、ということで
無事、5泊7日のベネルクス一人旅から、戻ってまいりました。
完全一人旅、かつすべて自己手配ということで
行く前も、行ってからもわからないことだらけ
時に、少し危険なこともあり、楽しいこともあり
日本では経験できない「ありえへん」ハプニングなど
様々な経験ができた7日間でありました。
今回の目的は、とにかく『国境を鉄道でまたぐ』こと。
それも、ICE(イーツェーエー)、Thalys(タリース)といった高速列車を使わず
昔ながらのインターシティ、ユーロシティといった特急列車や
各駅停車のローカル列車で国境を越えようというものでありました。
もちろん、合間合間に観光も挟みながら、ではありますが。
何から何まで貴重な経験、
もしかしたら、このブログを読んでいらっしゃる方の中にも
こういった旅行に興味がある方が、いらっしゃるかもしれません。
また、将来の自分への備忘という意味も込めて、今回の旅行記は
単に写真を羅列するのではなく、その都度成功したこと、失敗したことや
使ったウェブサイトの情報などを、広く記録したいと思います。
ヨーロッパの鉄道を見てみたい、でもツアーだと行動が制限されるから、
できれば自分で行ってみたい、という方が、実際に行動をする際に
少しでも参考になれば、幸いです。
■事前準備編
完全一人旅ということで、準備はかなり入念に行いました。
1.航空券の確保
名古屋からヨーロッパへ行くためには、ルフトハンザ航空の直行便(中部-フランクフルト)を利用するか
フィンエア、タイ国際航空、中国東方航空といった航空会社の経由便を利用するかの
二つの選択肢があります。
今回は、休みの期間が限られていたことから、現地での行動時間を最大化する目的で
往路はルフトハンザ航空の直行便を確保いたしました。
この直行便ですが、週5日運行となっており、
帰路はちょうどいい便がありません。
そこで、帰路は同じルフトハンザ航空の、フランクフルト-羽田線を確保。
羽田からは新幹線で羽島へ戻るという行程にいたしました。
羽田から中部へ国内線乗継でも、新幹線とそれほど大差なく乗れるのですが、時間が微妙(羽田で数時間の待ちが生じる)なのと
中部から羽島へのアクセスが微妙(名古屋、笠松で乗り換えるか、名古屋から新幹線利用)であることから
今回は利用せず。
チケットはいずれもANAで確保しましたが、実際のチェックイン等はすべてルフトハンザドイツ航空のオンライン上で行いました。
価格は、9/8往路、9/13-14帰路で、約20万円。
タイ国際航空であれば同じ区間9万円、中国東方航空等であればもっと安いのかもしれませんが…。
→ルフトハンザドイツ航空HP
https://www.lufthansa.com/jp/ja/Homepage
※ルフトハンザドイツ航空の座席指定について
ルフトハンザドイツ航空の座席事前指定は有料ですが、出発の23時間前より可能となる
Web上の「オンラインチェックイン」によって、23時間前からは無料で指定ができます。
私は中部出発の20時間ぐらい前にオンラインチェックインを行いましたが、全く問題なく
「2列シートの、通路側」を確保することができました(というか、20時間前時点では、ほぼ座席指定されていませんでした)。
また、オンラインチェックインをしていると、中部空港のチェックインカウンターに延々並ぶ必要がありません。
(中部空港では、オンラインチェックイン者専用のレーンが設けてあり、全く並ばずに荷物を預けることが可能でした)
なお、オンラインチェックインにはパスポート情報が必要ですので、
職場の休憩時間などで登録をと考えている方は、忘れずにパスポートの情報を控えておきましょう。
2.宿の確保
宿の確保はすべてBooking.comを通じて行いました。
私の場合、宿の清潔さにそれほどこだわりはありませんが、
とにかく駅から近いこと!なんなら、窓から駅が見えること!が絶対条件でありましたので、
Booking.comの地図から選択できるサービスがとても使いやすかったのです。
→Booking.com
https://www.booking.com/index.ja.html
また、クチコミ一覧で「過去1人でも日本人が泊っていること」も必ず確認しました。
誰か泊っていれば、最低限の質は確保されていそう、ということです。
欧米人などから良い評価があったとしても、日本人がすべて酷評している宿などは、当然に
選択肢から除外しました。
「何かあってから」では遅いですから…笑
なお、9/13はドイツで自動車の見本市があるようで、
フランクフルト、ケルンのホテルが軒並み高騰していましたので
ホテル選びにかなり苦労したことを、付け加えておきます。
宿泊費はおおむね1泊1万円程度、アムステルダムはさすが高くて、1.3万円でした。
もっとも、あとから調べたら、公式サイトを通して予約したほうが安かったというところもありましたので
これが最善の選択肢だったかどうかは、不明です。
※booking.comに登録する住所は、すべて英語で記載しましょう、
私は間違えてすべて日本語で記載しましたが、
どうやら現地へは、漢字がすべて中国語読みに変換された状態で届いていたらしく
『中国住まいの日本人』が来た、と勘違いされることがありましたw
(チェックイン時にパスポートを提出したところ、怪訝な顔をされたので、
どういうことか聞いたら、そういうことでしたw)
3.通信の確保
これは本当に重要です。我々世代は、ネットが無いと生きていけません(笑)
もちろん、ホテルや駅、場合によっては(ドイツ鉄道、オランダ鉄道の一部車両など)車内で無料Wifiが使えますが、
街中や田舎の駅、WiFiのない車内でWebを使うためには、モバイルWifiルータが必須となります。
私の場合、地図の閲覧、時刻表検索、LINE、日経新聞ぐらいがあれば大丈夫ですので、それほど容量が大きくなくても
手軽・手頃な、エクスコムグローバル株式会社「イモトのWi-Fi」を今回は使用。
こちらも、現地に到着して電源を入れるだけで、何の滞りもなくインターネットが利用でき、とても重宝いたしました。
→イモトのWiFi
https://www.imotonowifi.jp/about/
返却も羽田でポストに入れるだけ、ルーターもスマホより小さいコンパクトサイズでかさばらず、かなり満足です。
7日間で1.5万円
※私の使ったルーターは、朝8時から夕方6時ぐらいまで使用すると、バッテリーが切れいました。
夜行列車などで使用される際は、注意したほうが良いかもしれません。
4.旅行保険
これも大事ですね、色々検討しましたが、現地で24時間電話が通じるサービスのある
エイチ・エス損害保険株式会社のサービスを利用しました。
もちろん連絡先はすべて携帯の電話帳に登録します。
ウェブから登録すると2~3日で保険証券が送られてきました。7日間で4,500円ぐらいでしょうか。
→エイチ・エス損害保険『たびとも』
https://www.hs-sonpo.co.jp/travel/
結果として今回は、何の被害もなく旅を終えられましたが、何があるかはわかりませんからね。
5.海外情報の収集
外務省の「たびレジ」に渡航情報を登録しますと、現地大使館などから、事件や事故のメールが入るようになります。
登録無料。
なかなか物騒な情報も多くてアレですが…w
→外務省『たびレジ』
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
6.外貨の確保
出発の前週に、名古屋駅前、大名古屋ビルヂング1階にある
UFJのワールドカレンシーショップというところで、円をユーロに換金。
約3万円、225ユーロを持っていきましたが、現地ではもっぱらカード支払いばかりなので
帰国後確認したら130ユーロぐらい残っていました。
なお、ワールドカレンシーショップでは金種の指定ができましたので、なるべく少額を依頼し、
10ユーロ札12枚と、5ユーロ札21枚で受け取りました。
この意味ですが、
・高額紙幣は盗難のリスクが高いこと(小額紙幣なら複数の財布や鞄の底に分散して持てる)
・支払時に高額紙幣だと断れるケースがあること
・
小銭がつくりやすいこと
↑とくにこの「小銭がつくりやすい」ことが大事だと今回旅行して思いました。
というのは、今回旅行した各国、ヨーロッパの他の国もそうかもしれませんが、
駅、デパート、公共施設などのトイレは、ことごとく
有料なのであります。
値段は0.5ユーロ~0.7ユーロ(0.7が一番多かったかな?という印象です)
そして、こうした有料トイレに当然両替機などついておらず(ルクセンブルクではありましたが)
小銭で0.5ユーロ~0.7ユーロが用意できなければ、最悪『事故る』こともありうるのです。
5ユーロ紙幣であれば、その辺のキオスクやスーパーで2ユーロぐらいのジュースを買って、支払時に使えば、
すぐに適度な小銭にバラすことができるので、緊急時にも安心。
トイレに限らず、自販機でもお札が使えるものはほぼありませんし、レストランでのチップ支払など
小銭需要は意外とあるので、小銭に変えやすい小額紙幣はとても便利なのでした。
7.鉄道チケット
今回の旅のメインテーマである「鉄道」です。
現地滞在6日間のうち、到着日と出発日を除く4日間は
「ユーレイルフレキシーパス」の「ベネルクス・ドイツパス」を購入して利用しました。
→ユーレイル
https://www.eurail.com/jp
ユーレイルパス、とは
欧州のうち、大陸を走るほとんどすべての列車(特急やICEなどの高速列車を含む)が乗り放題になる夢のパス。
日本の、青春18切符の強化版、といったところでしょうか。
(日本にも、インバウンド向けに特急・新幹線を含むすべてのJRが乗り放題になる
「ジャパンレイルパス」というものがあるそうですが、私は使えません)
日本でも、上記Webサイトから購入すると、チケットがFedexで郵送されてきます。
ユーレイルパスの使い方は追々記載するとして、今回の旅行ではこのユーレイルパスを使って
自由に列車を乗り降りすることができたのでした。
ベネルクス・ドイツパスで諸々込み340ユーロ=日本円で5万円ぐらいでしょうか。
意外と高い。
※しかも私は大失敗をしていまして、今回購入したベネルクス・ドイツパスは
「ベネルクスパス(ベネルクス三国が乗り放題)」と「ドイツパス(ドイツ全土が乗り放題)」を足したものなのですが、
実際にはユーレイルパス期間中にドイツ鉄道にはほとんど乗らず
ドイツパスはほぼほぼ使っていないのでした。
ベネルクスだけのパスであれば、161ユーロ=日本円で2万円弱なので、3万円余計に払っている計算になります。。。笑
「ユーレイルパスでもとをとろうとしてはいけない」と、多くのWebサイトなどで書かれていますが…
3万円余計に払って旅行する馬鹿が、ここにいますw
※ユーレイルパスの使用開始には、事前に
現地駅窓口で「アクティベーション(有効化)」手続きが必要になるのですが、
注文時に「ウェブアクティベーション」を選択すると、既にアクティベーションされた状態で、チケットが手元に届きます。
アクティベーションの日付は、フレキシーパス(指定期間内の任意の期間乗り放題、今回私が注文したもの)の場合
「最初の利用日より前」であれば基本的にはいつでもいいようで、
今回諸事情により、旅行日程が後ろにずれたことから、アクティベーション日≠利用開始日となりましたが
利用には、何の問題もありませんでした。
ただし、ユーレイルにはフレキシーパスではない「連続利用パス」なるものがあり、これは利用開始から連続で〇日間乗り放題~という
もののようですが、こちらを使う場合は、アクティベーション日が利用開始日となるようなので
飛行機が遅延や欠航した場合に、利用日を損してしまうリスクがあることから、ウェブアクティベーションはしないで
現地の駅窓口で手続きをしたほうがよいのではないかと思います。
ユーレイルパスを使用しない到着日、出発日の鉄道パスは、
一部は現地で購入しましたが、基本的には日本にいるうちに
ドイツ鉄道(DB)のウェブサイトから購入をしました。
→ドイツ鉄道
https://www.bahn.com/en/view/index.shtml
ドイツ鉄道のウェブサイトは非常に優秀で、オンラインで列車を指定して支払まで済ませれば
あとは、チケットを印刷して持っていけば、それで列車に乗れてしまいます。
また、DBのアプリをスマホに入れておけば、チケットを印刷しなくても
スマホ上で、購入したチケットのバーコードを表示して切符として使えるほか、
スマホ上で他の列車のチケット購入も可能という、かなり進んだシステムになっておりました。
これによって、到着日、および最終日の空港周辺における移動手段を確保します。
↑画面の参考です
なお、支払にはPaypalアカウントを使用しました。
Paypalはほかにも、有料のWi-Fiにつなぐときにも使いました。
何かと便利なので(eBayでも使えますし)ひとつ持っておくと良いかもしれません。
8.その他準備・現地入りへ
当然、ヨーロッパの治安は日本よりも悪い(というか、日本が特別治安いい)ので
スーツケースベルトや鞄につけるダイヤルロック、スマホをカモフラージュするケースなど
治安グッズはたくさん用意しています。
同時に、変圧器、変換プラグ、ワイヤーコードなども準備しています。
※これも失敗談ですが、変圧器は、完全に不要でした。
というのは、現地で使う電子機器(スマホ、カメラ、WiFiルータの充電)はすべて欧州の電圧に対応しており
プラグさえ変換してしまえば、そのままコンセントにぶっ挿して普通に使用ができてしまったからです。
ごっつい重い変圧器は、ただただお荷物になっただけ、でした…。
※逆に、あってよかったものは、鞄のチャックに着けるダイヤルロック、ワイヤーコードです。
ワイヤーコードはスーツケースを電車の網棚に固定するときや、一眼を体と固定する際にとても重宝しました。
その他あってよかったものは、
・正露丸 ←水が悪いですからね…必須
・イヤホン ←暇な夜にYoutueを見て暇つぶしするため
・買い物袋 ←HEMAなどの現地スーパーで買い物をしても、袋はくれませんので
もっていかなかったが、現地で必要だと思ったものは
・スリッパ ←飛行機、ホテルなど
・ウエットティッシュ ←ホテルにティッシュなどはありません。
・制汗剤
・うちわ ←結構客車の空調が壊れてる、3回出くわしましたw
逆に、もっていったが、いらなかったものは
・変圧器(上述のとおり)
・海外旅行の英会話帳(万一の時に必要かもしれませんが、日常会話では使う機会なし)
↑ま、勉強にはなりましたが…笑
他に気づいたことがあれば適宜追加しますし、質問等ありましたらできるだけお答えいたします。
■いよいよ出発~ドイツ入国
ということで9月8日(土)、早朝7時の中部国際空港から活動開始です。
まずはエクスコムグローバル社のカウンターへ行き、Wi-Fiルータをゲット。
続いてルフトハンザカウンターへ行き、荷物を預けます。
出国審査はすんなり通過し、免税エリアを抜けて、出発ロビーへ。
出発ロビーにはUSBがさせる充電スペースがあるので、スマホにしっかり日本の電気を食わせておきますw
↑これもやらかしなのですが、日本円を全くもっておらず、出発ロビーの自販機が一切使えない状況に…
唯一カードが使えたスタバで、ようやくアイスコーヒーを入手。喉からからだったので、最高においしかったですw
いざ出発
ルフトハンザドイツ航空の機内は満席ですが、空調は程よい感じで不快ではありませんでした。
乗務員の中には日本人の方も数名いらっしゃって、少し安心(日本路線では、必ず乗務しているようです)
10時間ちょっとのフライトを終え、無事、14時にフランクフルト空港到着です。
(15時到着予定でしたが、早着しましたw)
フランクフルト空港での入国審査、何を聞かれるかと思って構えて
想定問答までつくっていたのですが、特段何も聞かれず…ちょっと残念
ずっと隣の係の方と雑談しており、パスポートを渡してひたすら待機…という謎の状況で
とりあえず何か言おう、と「I'm from Japan」といったら「I Know(知ってる)」といって、入国スタンプを押されましたw
空港に着いたら、まず地下のバゲッジクレーンへ行き、預けてあった自分の荷物を受け取ります。
フランクフルト空港では、荷物受取のレーンが、なぜか
いったんパブリックエリアに出た先にあります。つまり、だれでも入れてしまうという状況。
なので、
荷物レーンで自分の荷物を、悪意を持った人に持っていかれないように、十分注意しなければなりません。
まぁ、出口に税関もありますし、たぶん大丈夫だろうとは思いますが。
10分ぐらい待って、ようやく荷物を受け取り、税関を通ると到着ロビーに入ります。
これで晴れて、ドイツの土を踏めたわけです。
長かった…でも、これからが旅のはじまりなわけです。
さて、フランクフルト空港には、ICE、ICといった長距離列車の発着する『Frankfurt Flughafen Fernbahnhof』と
近郊列車、Sバーンの発着する『Frankfurt Flughafen Regionalbahnhof』の二駅があり、両駅は徒歩で10分程度離れています。
フランクフルト市内へ向かうのであれば、基本的には後者でSバーンの8号線に乗ります。
今夜の宿はベルギーのリエージュというところにとりました。
なので、まずはフランクフルトから西の「マインツ」というところへ
こちらの近郊列車で移動。利用したのはRegional駅です。
Regional駅は何やら3番線の増設工事中。
イチ国際空港の(しかも、ヨーロッパ最大のハブ空港の)玄関駅にしては、ちょっと薄暗くて陰気な感じです。
(Fernbahnhofのほうは、ガラス張りの超綺麗な駅でした、後日記事にします)
ここからRB(RegioBahn?ドイツの各駅停車)でマインツ駅へ移動。
1日目の行程です。
フランクフルトを出発して、マインツからは特急列車でケルンへ、
ケルンで近郊列車、さらに国境ローカル線でリエージュへと至る行程です。
リエージュ到着予定は22時。さて、
無事にたどりつけるでしょうか…(←伏線w)
【Frankfurt am Main Flughafen Fernbahnhof】15:23 →【Mainz Hbf】15:49(RE2 Koblenz行)
マインツに到着。
非常に長くなりましたので、続きは別記事で。
★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで<本記事>
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)
(15)帰国日に、事件発生