ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

竹が生える 月刊ココア共和国 8月号電子版掲載詩

2020-07-31 22:45:29 | 月刊ココア共和国 投稿詩
竹が生える
日差しが照りつける坂の
崖の地面から青い竹が生える
隠れた地下茎から竹の子が分かれて
しなやかなしたたかな竹が生える

フュシス
あるいはナトゥーラ
能産的自然

人間が意図して呪文を唱えて
生え出すものではない
自ずから然り
萌え出ずるもの
燃え上がるもの

制御できない時分の花
百年に一度の華やぐことのない花
稲穂のような見過ごされる花

花の美しさなどはない
青竹の眩い輝きは
昔々目くらましのように一度
高貴の人々を打ったが
儚い幻影
稲穂のような華やがない花
自ずから萌え出ずる竹

青々とした華やがない美しさ
蔓延る自然






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