ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

みやぎミュージックフェスタ2008イン気仙沼 海によせて その1

2010-03-24 06:49:33 | 寓話集まで
みやぎミュージックフェスタ2008イン気仙沼 海によせて 司会用台本その1です。


オープニング

語り
 ひとりの老紳士とひとりのご婦人が、こざっぱりとした身なりをして、洋傘をステッキ代わりにしてはおりませんが、とある丘の上の、木の葉の落ちきった、まだ、若芽が芽吹くには早い桜並木の下を、こんなことを言いながら歩いておりました。

紳士
―ぜんたい、ここらの丘は、怪しからん。鼎が浦の向こうに亀山を眺望して、ゆっくりと散歩をするのが、私たちの楽しみなのに、今日は、人も車も随分うるさい。

婦人
―本当に…

紳士
―まだ、風も冷たく、桜も咲かない…

語り
 ふたりは、図書館下の坂道を、ゆっくりと下っていきました。前後には、ひとり、あるいは、数人の人々が列をつくって、車道の端を、同じ方向に歩いています。その傍らを、乗用車が、徐行しながら追い越していきます。

婦人
―あら、何か、あそこに大きな看板が出ていますね。

語り
 見ると、大きな建物の正面に看板が出て、何か書いてあります。

紳士
―みやぎミュージックフェスタ2008イン気仙沼 海によせて…

三人で
―皆さん、ようこそ、いらっしゃいました。本日は、最後まで、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。


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