有馬もとの補助犬訓練士ダイアリー

聴導犬・介助犬国際認定インストラクター(日本聴導犬協会)有馬もとのプライベートブログです。

 6: 万博Part2: 聴導犬が瀬戸愛知県館訪問

2005-08-18 23:56:08 | 補助犬&聴導犬&介助犬
 8月3日、瀬戸愛知県館http://www.aichiken-kan.jp/seto_index.htmlを訪問させていただきました。写真は、館の前で(左から)副館長様、館長様、しろ君、いつのまにか、いつも中央に陣取る「くろ」ちゃん、もりちゃん、ななちゃん、スタッフの方々。愛知館はステキですよ~~。心が洗われます。シーボルトが持ち帰った「狼」の剥製も展示されています。

 愛知万博の総合プロデューサー山根一眞様
(http://www.yamane-office.co.jp/index.html)が「(福)日本聴導犬協会応援団長」になってくださいました。
以前から、山根様のことは、NHKなどのテレビで存じ上げておりました。
 ご縁で、聴導犬にならなかったレイ(現在改名して、れい)ちゃんの新家族になってくださいましたことから、長きにわたり、応援をたくさんいただいております。

 ご縁はあっても「応援団長」なんて、恐れ多くて、そんなこと協会からは、頼めませんでしたが、山根様からあたたかなお申し出をいただき、ありがたく頂戴いたしました。
 
 さて、本題に入りましょう。
 山根様が企画、プロデュースした瀬戸愛知県館は、訪問後に感じられたのは「自然と人間の共生」でした。映像と、音で感じる「森の鼓動と呼吸」では、万博の会場になった瀬戸の山の自然と、生き物たちの四季です。
 せせらぎや、木立をゆらす風の音など、心を和ませる自然の音楽もありましたが、木が水を吸い上げる音は、恐ろしいほどの音で生きるために、木も一生懸命なんだなっと、感動しました。なんだか、野球選手とかが、試合後に水をゴックンゴックンとのどに流しているような音でした。
 愛知県内の小学生が創った、廃棄物を利用した虫の工作が展示されていて、そうそう、岡崎の聾学校の子供たちの作品もありました。それが、全体的にすばらしくて、子供たちの創造性の豊かさや観察力の高さをひしひしと感じました。

 生き生きとした子供たち作成の虫たちを拝見しながら、思っていたのは、Petsという脳の活性化を診る検査。虐待されていない子の脳の活性と、虐待された子供さんの脳の活性を比較すると、前者の方が、活性が活発なそうです。
 子供の創造性や、脳の活性化がのびのびと、はかられるように、日本がもっともっとやさしい環境になればいいと、願いました。

 協会犬の育て方も、日本聴導犬協会では、子犬時代にはベタベタした愛情たっぷりで、その子の能力、個性がひきだされるような育て方をしています。
 だからこそ、成長して協会にもどってきたときに、新しいことにドンドンチャレンジできる勇気と自信を持った子に育てられるのです。

 いつも、思うのは、お子さんの教育も、命ある犬たちの教育も、基本は、同じことではないかと、思います。「愛情」と「時間をかけて見守ってあげる」ことがではないのかなぁと。

 会場では、シーボルトが持ち帰った「狼」の剥製も見ることができました。
 最初に、山根様にお目にかかった折にも、子供のように目を輝かせながら、今は絶滅してしまった「日本狼」のお話をされていらっしゃいましたが、まさに日本から持ち出された「狼」の剥製でした。瀬戸愛知館に展示するために「狼」の剥製を、日本に里帰りさせたときには、山根様、きっと初恋の相手に再会(確か、以前、どこか、外国に、オランダかな、見に行かれたと聞いたような)したときのように、喜ばれたことでしょう。

 山根様の少年のような、透明な感性があるから、あんなに人の心をあたたかくする瀬戸愛知館をプロデュースできるのだなぁと。

 副館長様、お忙しいのに、ご案内をありがとうございました。副館長様も、ステキな方でした。

 

 

 5:あきちゃん、元気いっぱい

2005-08-18 16:18:08 | 身体障害者福祉
 新入生のあきちゃん、ビーグル犬とミックス(ラブとコギー)母さんとの息子です。一瞬の拾い食いで、細菌検査で陽性が出て、3日間病院通いでした。でも、今、元気です。

 候補犬として、譲渡いただいたアキちゃんですが、ちょっと目を離したすきに落ちていたビニール袋入りの食べ物をバクバク。全部ではなく、ほんの一口でしたが、ゴックン。譲渡後の高齢の全身チェックをしたら、細菌が陽性に出て、緊急治療になりました。3日間、松本の獣医さんまで通い、昨日、やっと完治しました。

 明日は、東京のソージャライザーさん宅へ移動です。

 訓練士が子犬の面倒を見ると、ついつい幼少期から英才教育をして、ノビノビした芽を摘んでしまいがちなので、保健所や、動物保護団体から来た子は、できるだけ早くソーシャライザー宅へお願いしております。かつては、いじめられたり、あまり大事に育てられなかった子が「愛情いっぱいで育ち、人間が好きで人間のために働きたい」と、願うように、ベタベタした愛情で育てていただくようお願いをしております。しつけなんて、二の次、三の次。とにかく、あたたかな人間との肌の接触や、やさしい言葉。子犬に命令するのではなく、考える時間を与えることが、大事です。

 あきちゃんも、ソーシャライザーさんのお宅で、きっと、候補犬としてスクスク育てられることでしょう。
 あきちゃん、がんばれ。ソーシャライザーさんに感謝。


 

 

4:東京田無ライオンズクラブ様 ご来所

2005-08-17 16:36:02 | 身体障害者福祉
 以前から、ご支援をいただいている東京田無ライオンズクラブ様の7人の会員の方々がご来所。介助犬の夢ちゃんと、聴導犬もりも、ご挨拶させていただきました。

 社会福祉法人化の折にも、ご支援をいただいた東京田無ライオンズクラブのメンバー7人の方々が、協会をご訪問くださいました。これで、2度目のおでましになります。千葉に嫁ぐ小型介助犬の夢と、葛飾区に行く聴導犬もりちゃんも、ご挨拶させていただきました。
 どの子も、愛想がいいので、スタッフがいるより、ほんわかした雰囲気です。

 メンバーのお一人は、宮田村のご出身なので、なんとなく、親戚の方が着てくださったような、親しい気持ちになります。
 
 ちょっと話は変わりますが、宮田村は、小さな村ですが、(福)日本聴導犬協会の創設以来、みなさまから心やさしい応援をいただいています。
 (福)日本聴導犬協会が使わせていただいているのは、無人駅の前にある、松下歯科の看板が門に下がったままの民家です。犬がいっぱいいるのに、お宅を貸してくださったボランティアさんに、感謝しております。なんと、隣のお宅も、違うボランティアさんのお宅。軒続きで2軒並んでいるので、全部で100坪ほど。育成団体としても、なんとなく、通っています。もちろん、盲導犬の施設とは比べ物になりません。
 創立当初の10年前には、あちこちに柵をつけていなかったので、時々、頭のいい子が、柵を手で開け、全頭脱走なんてこともありました。
 
「バァーバァー」」
と、警笛を鳴らすので、
「今日はなんだか、うるさいね」
などと、のほほんとしていると、お迎えのサカイ家電さんの奥さんが、
「お宅の犬たちが、線路渡ってるよ~~」
 なんて。スタッフの監督不行き届き&温厚というか、のんびりと育っている犬たちなので、いくどご迷惑をおかけしたことか。
 犬たちは、スタッフが呼べば、悪げなく素直に戻ってくるのですが、脱走されるごとに、結構冷や汗ものでした。

 今は、費用もでき、そのおかげで、柵もでき、犬たちが逃げ出すこともありません。でも、宮田の村民の方たちの寛容さと支えで、ここまでこれたという感じです。

 さて、話を戻しますが、田無ライオンズクラブのみなさんは、この手狭な協会で、30分ほどニコニコとやさしいお言葉で過ごされ、お帰りになりました。
 がんばってはいてもなかなか頭数も増えない聴導犬です。
 ご支援者の方に本当に申し訳ない気持ちです。でも、応援していただけることで、また明日から仕事を続けられます。
 
 みなさま、ご来所、ありがとうございました。

3:みち、べるちゃん、あきちゃん、子犬が3頭

2005-08-16 18:52:14 | 捨て犬&動物保護
長野県動物愛護センター  ハローアニマルさんから来たべるちゃんと、訓練指導をする猫にゃん太君。仲良しです。猫とも仲良くなれる温厚な子だけが、候補に選ばれます。
 
 8月12日、埼玉県から「ウチの子犬が候補犬になりませんか?」と、わざわざお母さん犬と子犬3頭を連れて、ご家族が来てくださいました。松本がお父さんのご実家ということでしたが、宮田までは、遠路、お越しいただけたことは、ありがたいことです。
 お母さんは、コギーとラブラドールのミックスで、お子さんとの散歩中に、ビーグル犬と交配してしまって誕生してしまった子犬たちでした。
 性格は、とっても温厚で、たれ耳の白と黒の愛くるしい子犬です。

 お父さんのお名前をいただいて、あきちゃんと、命名。当協会では、成長しても忘れられないようと、願って、ご縁のある方のお名前を頂戴しております。

 さっそく、獣医さんで、医療チェックをして、ソーシャライザー(子犬育てのボランティアさん)の林家へ。母犬や、これまでのあたたかなご家庭から離れて不安になる子犬のために、すぐに、一般家庭で愛情を注いでいただくためにソーシャライザー
宅へお願いをいたします。

 子犬は、今年、べるちゃん、みちちゃんと、3頭目になります。
 よく「どうして候補犬を繁殖したり、購入したりしないですか?」
 との質問を受けます。確かに、そのほうが、成功率や計画性も高くなると、理解しております。

 でも、捨てられ、むげに殺される生命の中から、生かし、役立ってくれる子を見つけるのが、(福)日本聴導犬協会の使命です。難しいからこそ、やりがいも、使命感もあります。それに、ユーザーさんのところで働く先輩の補助犬たちが、犬種に関係なくすばらしい働きをしています。
 ゴールは、障害者の方の幸福感ですが、それと同時に質の高い補助犬を捨てられたワンちゃんや飼い主の見つからない子、特にミックス犬から選ぶことをこれからも続けて行きたいと考えております。

 みなさん、ぜひ、応援してくださいね。


 

2:愛知万博で、対談をさせていただきました

2005-08-13 13:20:48 | 身体障害者福祉
 8月3日、愛知万博での記念写真(左から滞在訓練中の聴導犬ユーザーさん、有馬、スタッフの矢沢さん。参加した協会犬:聴導犬もり、デモンストレーション犬のななと、くろ、しろでした。)
   Think The Earthのプロジェクトのお招きで、市民パビリオンで対談をさせていただきました。Think The
Earthプロジェクトの原田さんの司会で「聴導犬」「聴導犬が、捨てられたワンちゃんたちから育てられること」「(福)日本聴導犬協会が、環境を考えて育成を図っている」ことなどを、お話いたしました。
 特に、毎日の食事に乳酸菌(豆乳ヨーグルト)や、海草を与えたり、自然食のフードを与えるなど、工夫をしています。おかげさまで、9歳が最年長ですが、癌や白血病の子がいません。食事は大事です。
 協会犬を放す屋外の消毒でも、消毒薬とバチルス菌(納豆に入っている菌)の併用を行っています。土が活性化し、おしっこの臭いもしません。人間は、人間社会だけで生きているように感じていますが、実は、細菌などのミクロの世界と、体内的にも体外的にもつながっていることを、いつも考えるようにしています。
  そんなお話も、Think The Earth(地球を考える)プロジェクトなので、させていただきました。万博は多忙でいけないと思っていたので、行けてうれしかった!
 

1:補助犬インストラクターの日記開始。ドキドキ

2005-08-11 20:18:18 | 身体障害者福祉
 ADIのロゴマーク国際的な補助犬の協会「国際アシスタンス・ドッグ協会」(世界86育成団体加盟)に正式加盟した団体だけが使えます。1986年の創立以来、英語圏外で初めて、理事(2001-2005)になりました。
 

 はじめまして。補助犬訓練士(2001年に聴導犬インストラクター資格を英国聴導犬協会からいただきました)で、(福)日本聴導犬協会の会長をさせていただいており ます「有馬もと」と、申します。これから、(福)日本聴導犬協会の活動日記を紹介させていただきます。よろしくお願い申し上げます。いつも、HP担当のス タッフから日常報告の記事を書いてくださいと、言われても、あまりかけなかったのですが、ブログだと気軽に書けるのはなぜでしょう。
  さて、(福)日本聴導犬協会の特徴は、協会で育成する補助犬(聴導犬と小型の介助犬)の候補となる犬が、ほとんど保健所や保護団体から来た「元捨てられたワン ちゃん」で「ミックス」になります。補助犬を通した障害者福祉と、動物福祉の2つの福祉を担っています。