ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年5月14日付 ナタリー・コール Natalie Cole - Pink Cadillac

2024-05-12 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年5月14日付、この週も1位の交代がありました、2位から上がって1位はGloria Estefan and Miami Sound Machineの"Anything for You"。Gloria Estefan and Miami Sound Machineですが、まずは1985年に、Miami Sound Machineとして最高位10位を記録した"Conga"が初のTop40ヒット、1987年に最高位5位の"Rhythm Is Gonna Get You" から、アーチスト名をGloria Estefan and Miami Sound Machineとしましたが、この曲で通算で8曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒット、ついに初のNo.1獲得です。

2位は8位からジャンプアップ、Johnny Hates Jazzの"Shattered Dreams"。Johnny Hates Jazzですが、イギリス出身のポップスバンド。デビューアルバムからのシングルで、すでにイギリスでは大ヒットしていましたが、アメリカでは88年になってからチャートを上がり、初のヒットシングルが2位まで上がってきました。

3位は1週のみの1位からダウン、Terence Trent D'arbyの"Wishing well"。Terence Trent D'arbyですが、ニューヨーク出身のR&B歌手、ソングライター。デビューアルバムのリリースは1987年、そのアルバムからの1枚目のシングルはTop40には届きませんでしたが、2枚目のシングルのこの曲で初のTop40入り、ついにNo.1獲得です。

4位は14位から驚異のジャンプアップ、George Michaelの"One More Try"。George Michaelですが元Wham!のメンバー、Wham!で6曲のTop40ヒット、ソロになってからのヒット、Aretha Franklinとのデュエットを含め、通算12曲目のTop40ヒットで、Wham!の"Wake Me Up Before You Go-Go"、ソロでの"Faith"など6曲のNo.1を含め、10曲目のTop5ヒットとなりました。

5位は前週と変わらず、Natalie Coleの"Pink Cadillac"。Natalie Coleですが、アメリカのソウルシンガー、偉大なる歌手ナット・キング・コールの娘で、子供の時から歌手として活躍しています。Top40には、75年に"This Will Be" が最高位6位を記録、70年代後半から80年代半ばまで、ヒットがあまり出ない時期もありましたが、この曲で9曲目のTop40ヒットで、77年に最高位5位を記録した"I've Got Love on My Mind" 以来、この曲が2曲目のTop5ヒットとなりました。

この週5位はNatalie Coleの"Pink Cadillac"。最高位はこの7日と14日の2週間の第5位。年間チャートは75位。10年以上ぶりの大ヒットになりました。

Natalie Coleですが、アメリカ出身のシンガーソングライター。 父親は、世界的なジャズピアニストでソウル歌手のナット・キング・コール。子供の時から歌手として活躍しています。

ナット・キング・コールといえば、クリスマスのスタンダードナンバー"The Christmas Song (Merry Christmas to You)"が、今でもクリスマスの季節になると、チャートに入ってきます。

Natalie Cole、子供の時から活躍していましたが、アルバムのデビューは1975年、デビューアルバム『Inseparable』をリリースします。そこからのファーストシングル"This Will Be"が、いきなり全米6位の大ヒットとなります。

そこから1980年まで、最高位5位の"I've Got Love on My Mind"など、全部で6曲のTop40ヒット、うち3曲がTop10ヒットとなるなど、人気女性ソウルシンガーとして活躍します。

1976年には、"Mr. Melody"が、アメリカでは最高位49位とヒットしませんでしたが、日本では大ヒット、当時、日本のラジオの洋楽番組では、よくかかっていました。この頃から洋楽を聞いている皆さんは、Natalie Coleといえば"Mr. Melody"、という方が多いのではないでしょうか。

そのNatalie Coleですが、1980年以降は急にヒットが出なくなります。さらに、麻薬中毒により活動を休止するなど、長期の低迷に陥ります。

そして、1987年にリリースした彼女の11枚目のアルバム『Everlasting 』でついに復活、このアルバムから、まずは2曲のTop40ヒットがでます。そのうちの最高位13位を記録した"Jump Start"についてはこちらをご覧ください→→→

この曲"Pink Cadillac"ですが、アルバム『Everlasting 』からの3曲目のシングルで、年間チャートに入る大ヒット、年間チャートに入ったのは、"Our Love" が、1977年に最高位10位、78年の年間チャート43位を記録して以来、ちょうど10年ぶりのこととなりました。

"Pink Cadillac"ですが、曲の作者はなんとBruce Springsteen。Bruce Springsteenのアルバムには入っていませんが、シングルのB面に彼のボーカルによるこの曲が録音されています。

この曲のプロデューサーはDennis Lambert 。Dennis Lambert はプロデューサーとしてはもちろん、シンガー・ソングライターとしても有名ですね。Starshipの"We Built This City" の作者にも、彼の名前があります。プロデュースとしては、主にソウル系のものが多いでしょうか。The Righteous Brothers やPlayerの名曲"Baby Come Back"も彼のプロデュースによるものです。

Natalie ColeがBruce Springsteen"Pink Cadillac"を取り上げたのも、Dennis Lambert の発案によるものだそうです。Bruce Springsteenらしい勢いのあるロックで、Natalie Coleの大復活につながりました。

こちらがBruce Springsteen"Pink Cadillac"オリジナル。1983年の"Dancing in the Dark" B面収録曲です。

今週    先週    song    /    artist
1 2 ANYTHING FOR YOU / GLORIA ESTEFAN AND MIAMI SOUND MACHINE
2 8 SHATTERED DREAMS / JOHNNY HATES JAZZ
3 1 WISHING WELL / TERENCE TRENT D'ARBY
4 14 ONE MORE TRY / GEORGE MICHAEL
5 5 PINK CADILLAC / NATALIE COLE
6 6 ALWAYS ON MY MIND / PET SHOP BOYS
7 3 ANGEL / AEROSMITH
8 10 NAUGHTY GIRLS (NEED LOVE TOO) / SAMANTHA FOX
9 9 ELECTRIC BLUE / ICEHOUSE
10 11 I DON'T WANT TO LIVE WITHOUT YOU / FOREIGNER
11 4 WHERE DO BROKEN HEARTS GO / WHITNEY HOUSTON
12 13 WAIT / WHITE LION
13 16 TWO OCCASIONS / THE DEELE
14 18 PIANO IN THE DARK / BRENDA RUSSELL FEATURING JOE ESPOSITO
15 7 PROVE YOUR LOVE / TAYLOR DAYNE
16 21 EVERYTHING YOUR HEART DESIRES / DARYL HALL & JOHN OATES
17 25 TOGETHER FOREVER / RICK ASTLEY
18 24 DREAMING / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
19 15 GET OUTTA MY DREAMS, GET INTO MY CAR / BILLY OCEAN
20 26 MY GIRL / SUAVE
21 30 CIRCLE IN THE SAND / BELINDA CARLISLE
22 22 PAMELA / TOTO
23 28 STRANGE BUT TRUE / TIMES TWO
24 12 DEVIL INSIDE / INXS
25 33 MAKE IT REAL / JETS
26 17 GIRLFRIEND / PEBBLES
27 32 WE ALL SLEEP ALONE / CHER
28 29 ONE GOOD REASON / PAUL CARRACK
29 36 FOOLISH BEAT / DEBBIE GIBSON
30 35 I STILL BELIEVE / BRENDA K. STARR
31 37 I'M STILL SEARCHING / GLASS TIGER
32 43 THE VALLEY ROAD / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
33 49 ALPHABET ST. / PRINCE & THE REVOLUTION
34 27 SAY IT AGAIN / JERMAINE STEWART
35 47 KISS ME DEADLY / LITA FORD
36 23 I WISH I HAD A GIRL / HENRY LEE SUMMER
37 39 NIGHTIME / PRETTY POISON
38 42 NITE AND DAY / AL B. SURE!
39 45 DA 'BUTT / E.U.
40 53 DIRTY DIANA / MICHAEL JACKSON

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25 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Ⅿr. MelodyのN.Cole (hannah)
2024-05-12 21:28:48
星船さん、こんばんは。
星船さんも書いておられるように、僕にとってはやっぱり♪Ⅿr. Melody♪のN.Coleですね。
洋楽を聴き始めた高校1年の夏ごろにラジオでよく流れていました。
てっきりアメリカでもヒットしたものと。
この曲のヒットはあまり記憶になくて、91年の♪Unforgetable♪が復活ヒットと思っていました。
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Unknown (太ったボンジョビ (-∀- )~)
2024-05-12 22:19:12
ジャンプスタートのときはありがとうございました。とても悩ましい曲で頻繁に聞き直しておりました。今でも大好きであります。
で、ピンキーなキャデラックはここまで上がっていたのですか❗驚きました。いいとこ11位だとばかり。キーススウェットもそうでしたが結構リアルタイムではチャート気にしてなかったかなあ?
曲はボスのカバーでしたよね?なんかこれをパクったのがエロスミスのデュ~ドなのでは?なんかノリが似てないですかね?また私だけかな?
ではまた明日➰👋😃
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色の付いたクルマに例えるのは… (音時)
2024-05-12 23:48:10
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/40790555.html
はい、ちょっとこの曲はエッチな、あっち系の歌詞のある曲(!?)。ナタリーは正統派の女性シンガーという印象があったので、歌うには勇気もいったことでしょう。プリンスの“Little Red Colvet”といい、色のついたクルマに例える…っていうのは洋楽あるあるでしょうかね(^_^;)。
 ブルース・スプリングスティーンの“ピンク・キャデラック”はシングルでは“Dancing In The Dark”のB面に収録されました。僕はブルースの「Tracks」(CD 4枚組セット)で持ってます。
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ナタリー・コール復活の曲は (星船)
2024-05-13 20:20:07
hannahさんこんばんは。
私としては、ナタリー・コールといえば絶対に"Ⅿr. Melody"なのですよ。当時、ソウルはあまり聞いてはいなかったですが、この曲は特に大好きな曲でした。
"Unforgetable"はお父さんとのデュエットでしたね。私にとってのナタリー・コール復活の曲は、この"Pink Cadillac"と、名曲"Miss You Like Crazy"です。
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まさかのBruce Springsteen (星船)
2024-05-13 20:23:49
太ったボンジョビさんこんばんは。
ナタリー・コールの本格復活がまさかのBruce Springsteen、これはびっくりでした。
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この歌詞には (星船)
2024-05-13 20:29:08
音時さんこんばんは。
歌詞拝見しましたが、Bruce Springsteen作の曲で、この歌詞には驚きました。プリンスならわかるんですけどね。
ナタリー・コールが歌うには「年をとりすぎている」ってちょっと笑えました。正統派の女性シンガーですが、このくらいいいじゃない、とも思いましたが。
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忘れないでね (hannah)
2024-05-13 21:36:21
星船さん、こんばんは。
N.K.Coleの娘さんという血統付きでデビューし、70年代後半は女性ソウルヴォーカルの第一人者として君臨していた彼女。
80年代に入って低迷し、その間に数々の女性ヴォーカルがデビューし、ヒットする中で、私をわすれてもらっちゃー困る!と言わんばかりの復活でした。
D.Lambertは歴史に残るヒット曲のプロデューサーだったんですね。
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エアロスミスに続き (星船)
2024-05-13 21:56:39
hannahさんこんばんは。
ナタリー・コールが人気があったときは、76年、77年の時で、その後は、ほぼヒット曲が出なくなりましたので、正直言って忘れていた歌手でしたが、全米Top40が終わってからのまさかの復活でした。
Dennis Lambertですが、エアロスミスに続き、大物復活に大きな影響を与えた立役者の一人ですね。
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Unknown (太ったボンジョビ 😫)
2024-05-13 22:17:57
ごめんなさい😫謝ります。
「ナタリーの中ヒット、これはボスのカバーなんですぜ(`^´)」
みたいなことどっかに書いたんですけど、それはピンクキャデラックではなく、キャデラックランチのことでした。
「河」アルバムに入ってるヤツなんですが、これ、ピンクのノリノリと違って、ドカ●ンがみんなで昼飯喰ってる絵面が想像できるノンキ~ソングなのでした。
あと中ヒットでなく大ヒットでしたねー。
でもみなさん「河」アルバムはほとんど知らないんじゃないてすかあ?
おっと言葉が過ぎました、今晩のところは「消え行く男」になっておきましょう、うふふふ。
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"Cadillac Ranch" (星船)
2024-05-14 18:00:32
太ったボンジョビさんこんばんは。
『The River」の中の曲ですか、2枚組ですからねぇ、なかなか全部聞くのは難しいですね。でも、"Cadillac Ranch"、ライブ盤に入っていて、カッコいい曲だったのじゃあないかな。Status Quoバージョンもあったようですね。
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