movieloverの辛口日記2!

50代のおっさんの日記です。書きたいこと書いてます。

『阿佐田哲也はこう読め!』(北上次郎)

2024年11月21日 00時02分46秒 | 読書

北上次郎の『阿佐田哲也はこう読め!』を読んだ。

『色川武大 阿佐田哲也全集』と『色川武大・阿佐田哲也電子全集』の、それぞれ阿佐田哲也の巻に著者が書いた解説をまとめたもの。

わたし、高校生の時に『麻雀放浪記』を読んでその面白さに引き込まれて、阿佐田哲也の作品をむさぼるように読んだ。『麻雀放浪記』は何度読んだかわからない。阿佐田哲也はわたしの大好きな作家で、その作品を、こちらもわたしの好きな書評家の北上次郎が解説してるので読まないわけにはいかない。

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いやー、すごく深く読み込んでるなぁという印象。オビにも著されているのだが、『麻雀放浪記』評がこの傑作を見事に表しているので引用しておく。

 

 私たちはもう二度と『麻雀放浪記』のような物語を持つことはない。麻雀の戦略、戦術がふんだんに登場するが、その凄さもさることながら、これは無法者の書であり、管理された社会に生きるものにとっては痛烈な書だ。このような物語はおそらく二度と書かれない。そのくらい『麻雀放浪記』は他に類を見ない奇跡的な傑作である。

 

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『涙はふくな、凍るまで』(大沢在昌)

2024年11月18日 00時02分50秒 | 読書

大沢在昌の『涙はふくな、凍るまで』を読んだ。

先日読んだ『走らなあかん、夜明けまで』の続編的な作品。『走らなあかんー』が面白かったので忘れないうちに読んでみた。


 

出張で北海道へ来た主人公、男たちに追われるロシア人女性を助けたことから、小樽から稚内へと事件に巻き込まれていく・・・。今回は自ら巻き込まれていったような感じで、前作ほどのスリリングさはないがそれなりにうまくまとめていて、まずまず楽しく読める作品。

さらに続編があるようなのでそちらにも期待したいよね。

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『スター』(朝井リョウ)

2024年11月13日 00時02分12秒 | 読書

朝井リョウの『スター』を読んだ。

尚吾と絋が共同監督として大学のサークルで作った映画が映画祭でグランプリを受賞。大学卒業後、尚吾は映像制作会社へ入社し映画製作に携わり、絋はYoutubeの制作の仕事へ。同じ映像を扱う仕事でも、対極にいる二人。それぞれが、どこへ向かって行けばいいのか悩みながら仕事をしていく。

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若い時に進むべき道についてここまで考えられるなんてうらやましい。アツいなぁ。なかなかに考えさせられる作品で、読み応えあり。たびたび語られる「心の問題」というのが著者なりの答えなのだろうなぁ。

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『ラクして稼ぐ不動産投資33の法則』(今井基次)

2024年11月11日 00時02分18秒 | 読書

今井基次の『ラクして稼ぐ不動産投資33の法則』を読んだ。

不動産投資で成功するための管理会社選びについて書かれている。主に賃貸マンション・アパートの大家さんになりたい人向けに、管理会社のタイプ別の特徴を列挙して、どういった管理会社がいいか(ダメか)をわかりやすく説明しててとっても参考になる。不動産投資を考えてる人は必読。


 

わたし不動産投資することはない(資金的にできない)と思うが、とっても参考になったよ。

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『テミスの剣』(中山七里)

2024年11月03日 00時02分32秒 | 読書

中山七里の『テミスの剣』を読んだ。冤罪事件を扱ったミステリィ。

不動産業者夫婦の強盗殺人事件で容疑者として逮捕された楠木は、違法な取り調べで自供し、裁判では一転無実を訴えたものの死刑が確定、刑務所で自殺した。この事件の取り調べにかかわった刑事の渡瀬、後年別事件で捕まえた迫水が、不動産業者夫婦の強殺を自供。楠木は冤罪だったことが判明、検事の恩田を通じて告発し大きな問題になるが、迫水は無期懲役に・・・。

25年ほどのちに迫水は刑務所を出所、その当日に何者かによって殺害される。いったい誰が殺したのか? 渡瀬が独断で調べていくと・・・。

冤罪について問いかける問題作で、軽く読む分にはそれなりに面白く読める。ただミステリとしてはちと弱い印象。さらにどんでん返しのつもりなのか? 別の事件も絡んできて・・・。

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以下ネタバレなので未読の方は読まないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

  

迫水の出所は彼に恨みを抱いてるであろう人たちに何者かが知らせていて、結果、楠木の父親が迫水を殺害した。が、迫水の出所を知らせたのは検事正になっていた恩田。恩田は当時扱っていた事件の被告の妻で元女優に、被告に便宜を図ることを条件に体の関係を持った。その二人がラブホテルから出てきたところで、不動産業者夫婦を殺害した迫水が出てきたところをみていたので、楠木が犯人ではなく、迫水が犯人であることを知っていたはずだという。恩田の罪は楠木の無罪を告げず、自分を見た迫水を、恨みを持つものに示唆して殺害させたこと。

かなりまわりくどいお話しで、ついていくのが精いっぱいだった。

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『ザ・ロイヤルファミリー』(早見和真)

2024年10月29日 00時02分11秒 | 読書

早見和真の『ザ・ロイヤルファミリー』を読んだ。山本周五郎賞受賞作。

なんの予備知識もなく読んでみたら競馬のお話しだった。

人材派遣会社の社長秘書になった主人公。彼のメイン業務は社長の持ち馬にかかわる仕事。夢のGⅠ制覇、有馬記念制覇に向かっていく馬主を描くとともに、馬と人間の血の繋がりを描く作品。

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ちょっとうまくいき過ぎって気がしないでもないが、グイグイ惹き込まれて一気に読了。楽しく読める作品だ。

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『コンビニ兄弟3ーテンダネス門司港こがね村店ー』(町田そのこ)

2024年10月21日 00時02分37秒 | 読書

町田そのこの『コンビニ兄弟3ーテンダネス門司港こがね村店ー』を読んだ。以前に読んだ『コンビニ兄弟ーテンダネス門司港こがね村店ー』『コンビニ兄弟2ーテンダネス門司港こがね村店ー』に続く3作目。

北九州の門司港にあるローカルコンビニのテンダネスを舞台に、このコンビニにかかわる人達を描く連作短篇集。今作では、直接コンビニとは関係のない「ハロー、フレンズ」が収録されているのが特徴。また、「プロローグ」と「エピローグ」と「花に嵐」がうまくつながってて楽しい。


 

前二作同様どれも温かい気持ちになれるお話で、楽しく読める作品。読んでおいて損はないよ。

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『リーチ先生』(原田マハ)

2024年10月17日 00時02分00秒 | 読書

原田マハの『リーチ先生』を読んだ。約600頁の長篇作品で、新田次郎文学賞受賞作。

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芸術家のバーナード・リーチが来日してから北京へ行き再来日後イギリスに戻って工房を造るところまでを、彼に師事した沖亀之助の視点で語られる。リーチは実在の芸術家で、高村光太郎、富本憲吉など著名な実在の人物も登場するが、亀之助は架空の人物らしい。

著者にしては淡々とした語りでちと喰い足りないなぁと思っていたのだが・・・。さすがに人気作家、巧くまとめてくるねぇ、じわじわと感動が湧き上がってくる。なかなかに読み応えあり。

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『走らなあかん、夜明けまで』(大沢在昌)

2024年10月09日 00時02分51秒 | 読書

大沢在昌の『走らなあかん、夜明けまで』を読んだ。


 

初めての大阪に出張で来た主人公。少し目を離したすきに翌日の会議で必要な資料が入ったアタッシュケースを置き引きされてしまう。盗んだ男を追っていくと、さらに別の男に渡り、さらにはやくざのところへ。最初に盗んだ男が、本来受け取るべきアタッシュケースと主人公のアタッシュケースを間違えたのが原因。大阪に不慣れな主人公を助けてくれた女性がやくざの人質になってしまい、主人公は本来のやくざが手に入れるべきアタッシュケースを取り戻すために別のやくざのところに・・・。

巻き込まれ型のサスペンス小説。テンポのいい展開と手に汗握るスリリングさ、やくざ相手の丁々発止、これが面白い。痛快エンターテインメント。読んでおかないともったいない。続編もあるみたいなのでそちらも読んでみたい。

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『キップをなくして』(池澤夏樹)

2024年10月05日 00時02分48秒 | 読書

池澤夏樹の『キップをなくして』を読んだ。

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キップをなくして改札から出られなくなった子供たちが東京駅で暮らす。駅の子(ステーションキッズ)と呼ばれる彼らは、学校に行かず不思議な力をもって通学する子供たちを手助けする。駅の子のなかには亡くなっているミンちゃんがいて・・・。

主人公イタルが駅の子になり、駅の子として東京駅で生活し、ミンちゃんを天国へいざなって、駅の子を卒業していくお話し。クライマックスはミンちゃんを天国まで送るために北海道へ旅するくだり。けっこう地味なファンタジーで、つっこみどころ満載だが、なかなかに楽しく読める作品だ。

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