小泉喜美子の『弁護側の証人』を読んだ。
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財閥の御曹司・杉彦とストリッパーのミミイ・ローイが恋におちて周囲の反対を押し切って結婚。さらに妊娠していることがわかったところ、二人の結婚を認めようとしない杉彦の父が何者かに殺害されてしまう。犯人はいったい誰なのか・・・。
昭和30年代に書かれた作品で、かなり大雑把な印象を受ける捜査は、当時冤罪事件が多かったのでそんなものだったのだろうか? ミスリードを誘う作品で最初から違和感があったにもかかわらず見事にだまされた気分。以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
この作品のキモは、逮捕されて死刑判決を受けた被告が誰だかはっきりと書かれていないことで、読者は夫の杉彦だと思って読みすすめるのだが、お話しの最終盤で、実はそれが妻のミミイ・ローイだったことがわかるしくみ。読者はだまされた感を感じることになる。あまりに短絡的すぎる殺人はちと解せない感はあるけどね。
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