十月末には満九年の結婚記念日を迎える。最近は「物言えば唇寒し秋の風 芭蕉」じゃ無いけれど、夫婦で居ても互いに話さず、それぞれ犬に話しかけたりしているのは、心淋しく物足りない事だ。と言うのも、ニックの無駄遣いを叱ったり、倹約倹約と口を酸っぱくして言うのが嫌になるから。本当にそう言う時の口は酸っぱくて、業突く張りの婆あになった気がしてならん。かと言って夫婦揃って無駄遣いを続ける事は出来ぬ。私ばかりが倹約して安化粧品に安香水使って、その分が5万円のアルマーニのブルージーンズに消えて行くのは嫌。しかも、9万いくらのジーンズがたったの5万になった、4万円も倹約した、という、たわ言聞くのは嫌である。大富豪のロシア人御用達スキー場クールシュヴェルで3000万の毛皮がたったの300万、2700万の節約、買えば買う程倹約、という発想と一緒じゃん。それは倹約じゃねー! 300万の無駄遣いじゃー！
