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ミセスローゼンの上人坂日記

潮騒のごとく風鳴る町の秋

ダンボール箱がさらに七個空く。本の荷をひっくり返して、弓子の夏休みの課題図書を探し当てる。ジューイッシュ差別問題と「罪と罰」をミックスした「ちょっと退屈なストーリー」だそうだ。弓子は感想文を今日になって書いている。夏休みはあと五日で終わり。昨夜、高校入学のオリエンテーションをミスしてたことが発覚した。朗善先生が、「レイバーデイには何もないと思うがね」と何度も教えてくださってたのに、弓子は聞く耳持たず、「オリエンテーションはレイバーデイにあるんだから」と言い張って、ほんとのオリエンテーションの日には洋服を買いに行ってた。しかしまあ、なんとかなるだろう。高校に電話して確認、安心した弓子は、「新ブログを私も書く」と言い出す。心が曇ってると、ちょっとした失敗もミゼラブルに感じ、心が晴れてくると、えらい失策も楽観視できる。今夜は四季介と弦子と一緒に、花の歌を練習する予定。「ほんといい歌だな。これ振ると泣いてしまうかも」と言って出勤した。泣いてもかまわないよ。本の棚が届かなくてもいいし。

弦子の愛用カキ氷器。
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