塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

サッカーにおけるピグマリオン効果

2022-03-31 00:32:12 | 日記
 中野京子著「文春文庫 名画の謎 ギリシャ神話編」においてピグマリオン効果についての考察があります。

 よく源氏物語の中で光源氏が、幼少の紫の上に対して自分が思い描く女性として育てる場面が指摘されますが、ピグマリオンも自身が手掛けた彫刻(女性像)を愛しく思い続けた結果、彫刻は生身の女性となり、彼と抱擁したという形になるのです。

 日本でもアスキーがファミリー・コンピュータソフト「ベストプレイ・プロ野球」を発売し、選手としてプレイヤーが遊ぶのではなく、指揮官として投手交代や盗塁、バントのサインを出すという、シミュレーションゲームを発売したほど、日本男性の多くは

 プロ野球チームの指揮官になりたい
 采配を振るい、勝たせたい

 という欲求をもっていたのでしょう。

 それ、サッカーにおける指揮官も同じですよね。

 例えばヨハン・クライフは、FCバルセロナにおいて攻撃時常にオフェンス・トライアングルを構成し、常にパスを2方向に出せることを選手に意識させ、両翼を最大限に活用する3-4-3,4-3-3を採用し、1992年にUEFAチャンピオンズ・カップを獲得します。

 クライフに取ってサッカーは

 「常に美しく振舞う、そしてかつ」

 事が理想であり、その結果を求め続けました。

 当時はアリゴ・サッキのゾーン・プレスも猛威を振るい、

 ナポリに在籍するディエゴ・マラドーナを封じ込めること
 そのためにはマン・マークではなく、最終ラインから最前線までを短くし、彼に空間を与えない
 その方がACミランにとっても価値がある

 と考え、実戦を戦い抜きます。

 指揮官は常に解雇と隣り合わせですから、自分の描くサッカーを追求することで好成績を収めようとします。

 ただ戦術に詳しくなればなるほど、当の選手たちが疲弊し勝ち点3が遠ざかりかねないことも事実ですが。

 
コメント
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