Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

錯覚

2020年04月27日 19時49分22秒 | エッセイ
趣味を同じくする知人女性が、奇妙なことを書いてきた。
「私は、自分が消えてしまうという体験をしました。
1時間ほどどこかの次元を彷徨っていたらしい。今いる私は、
この次元の人間ではないのではないか。10年先の未来から来ている
かもしれないし、100年前の過去から来ているかもしれない」
などと書いているものだから、
「きっと時計を見間違ったのでしょう。錯覚、錯覚……」
そう受け流したのだが、「間違いありません」と言うのである。
何とも奇妙な話で、よく理解できないままでいる。    
                         
   いつものように川べりをウオーキング中のことだ。
   後ろに「パタ、パタ」と足音がする。近づきもせず、離れもせず……。
   自分の歩調より1テンポ遅れるから、きっと誰かが後ろにおられるのだろう。
   そう言えば、先ほどすれ違ったサングラスをかけ、
   マスクをした年配の女性はどこだ。消えたのか。
   思わず振り返った。サングラスがこちらを睨むようにして見つめる。
   やはり、この人の足音だったか。安心する。
   ところが、途中道を違えたのにやはり足音が聞こえる。
   身構えるようにジャージのポケットに手が触れる。
   中で携帯電話が歩調に合わせるように「パタ、パタ」と音を立てていた。

春特有の黄砂まじりの雨を浴び、哀れな姿をさらすマイカー。
ガソリンスタンドの洗車機に入り、車の中から前後に行き来する、
その動きをじっと見ていたら、自分が動いているような
感覚となり、ぎょっとなる。ああ、嫌だ嫌だ。
              
   さしもの〝安倍一強政権〟も足元が少々覚束なくなってきたようだ。
   安倍総理の在任日数は歴代総理の最長記録を更新中であり、
   2021年9月末までの任期を全うすると、それは3567日まで伸びる。
   だが、一連の「モリ・カケ」疑惑、「桜を見る会」問題、
   さらに閣僚の相次ぐ不祥事……等々、少なからずダメージを受け、
   これに新型コロナウィルスが追い打ちをかけている。
   最新のNHK世論調査では安倍政権の支持率は39%まで落ち、
   不支持の38%と拮抗している。コロナウィルスに関する施策も
   決して評価が高くない。
   自民党内での求心力も落ちてきたと取りざたされ始めた。

その機に乗じ野党が結集、再び政権を奪還する──こんな思いが一瞬よぎる。
だが、それはまさに〝安倍一強政権〟の揺らぎがもたらす錯覚であろう。
安倍内閣の支持率が30%台まで下がったといっても、
では野党各党の支持率は?と言えば……先のNHKの調査結果でも
立憲民主党4.0%、国民民主党0.5%、日本維新の会1.6%、
共産党2.9%などとなっており、国民の支持がさっぱり高まらない。
これでは「政権奪還」は夢物語に等しい。
ああ、一瞬でも錯覚してしまった。馬鹿、馬鹿しい。


志賀島

2020年04月27日 05時49分22秒 | 日記
4月26日 日曜日 黄砂による薄い薄ーいベールを透かした薄曇り。
この日のウオーキングコースは、博多湾の北部に位置する志賀島にした。
晴天であったら、さらに素晴らしい光景が見れただろうに。いささか残念。
                        
   それでも、新型コロナウィルスによる閉塞感から逃れるように、
   高層マンションがにょきにょき建つアイランドシティを抜け、
   今は営業を休んでいる海の中道公園を横目に車を1時間ほど走らせた。
   「島」と言っても砂州によって道路(これを海の中道と呼んでいる)が
   整備されており陸続きとなっている。
            
1周10㌔ほどの小さな島なのだが、古代日本において
大陸・半島との海上交易の拠点として重要な位置を占めていたらしい。
それを証明するかのように、漢の皇帝から与えられたものとされる金印が
この島から出土している。これには「漢倭奴国王」と刻まれており、
現在は国宝として福岡市博物館に常設展示されている。
           

             島の南東部にある志賀海神社近くの福岡市中心部
             を望む海岸で、久しぶりに潮の香を嗅いだ。


その志賀海神社は綿津見三神を祀り、
全国の綿津見神社の総本山である。


   島北部の玄海灘沿岸のエリアは玄海国定公園に指定されており、国民
   休暇村などがある。目の前の勝馬海岸は、夏場は海水浴客で賑わう。
   この日はやや風が強く波が立っていた。


            国民休暇村には宿泊施設、温泉など
            があるが、コロナにより臨時休業中。