鹿 鹿 鹿 鹿……
初めての奈良は、東大寺も春日大社も法隆寺も、
そんな名だたる寺社をまともに訪れることも出来ず、
もっぱら鹿とたわむれるそんな旅に終始した。
それでも満足、満足。
これほどすり寄ってきて、鼻でお尻のあたりを小突き、
せんべいを催促する。せんべいを両手高くに掲げると、
頭をびょこん、ぴょこんと下げ、「お願い、ちょうだい」と
これまた催促する。
そんな仕草がいちいち可愛いのだ。
小、中、高校の修学旅行生は特に鹿君には人気で、まとわりついて離れない。
彼らは露店でせんべいをよく買うことを鹿君たちは知っており、
それで彼らを標的にし、追いかけ回すのだ。
ただ、うまくせんべいをやらないと執拗に追いかけられ、
女の子なんか悲鳴を上げることになりかねない。
また妻のバッグから少しだけのぞいていたビラが
食いちぎられるということもあった。
このようなこともご用心だ。
鹿なんて動物園に行けばいくらでも見られる。
ごもっとも。でも、これほどすり寄られると可愛いんだな。
といった具合で、奈良公園の鹿たちとたわむれた一日となった。
もっとも、11月3日のこの日は祝日。
観光客であふれ東大寺も南大門あたりまで。
肝心の大仏さんの拝観も諦め、
ミュージアムに展示してあった両手を拝むにとどまった。
南大門にある金剛力士像
春日大社にはまったく近づけなかった。
わずかに京都へ戻る道すがら夕暮れの興福寺を訪れた程度だった。
奈良はもう一度訪ねなければならない。
それでも満足、満足とは、とても楽しかったのでしょう。
奈良の旅、良いですねー♪