【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

団体

2010-10-26 19:16:04 | Weblog
■ジャンプ女子、ソチで?IOCが前向き検討
(読売新聞 - 10月26日 10:15)

この記事の中に「フィギュアスケート団体」とあるのを見て、シンクロ団体のような感じで、何人もが同時にリンクで滑って一斉にジャンプしたりスピンしたりする姿を妄想してしまいました。
たぶん違ってますよね。体操の団体と同じで、個人が国別チームで対抗する、というものでしょうけれど。

【ただいま読書中】『忘れられた島 ──ノーチラス号の冒険(1)』ヴォルフガンク・ホールバイン 著、 平井吉夫 訳、 創元社、2006年、952円(税別)

インド生まれのマイクは、両親の死後アンダラ・ハウスというイギリスの上流寄宿舎学校にいました。マイクはがっかりしています。インドが政情不安定のためクリスマス休暇を寄宿舎で過ごさなければならないのです。不安定なのはヨーロッパもでした。オーストリア/ドイツとそれ以外の国々との間に緊張が高まっていたのです。
ひとりぼっちのマイクを可哀想に思い、ルームメイトのパウルの父親、ドイツ海軍のヴィンターフェルトが自分の艦レオポルド号にマイク(や同じ立場の学生、校長)を招待します。しかしモーターボートは事故に遭い、マイクたちは誘拐されてしまいます。誘拐したのはなんとヴィンターフェルト。船が向かう先はカリブ海。目的は、マイクが相続した何か。でもマイクはそれが何でどこにあるのか知りません。
“守護天使”(シク教徒の戦士シン)がマイクたちの脱走を助けます。ヨットで目指すは「忘れられた島」。航海の途中、シンはマイクが実はダッカル皇子であること、そして、忘れられた島にある秘密が、世界の運命を左右するものであることを明かします。しかし、それ以上の秘密は漏らしません。それは「許されていない」のです。
やっと見つけた島には、伝説のノーチラス号が保管されていました。あまりに強力な武器だからこそネモ船長は世界から隠していたのです。しかしヴィンターフェルト(とレオポルド号)が島に迫ります。大砲を撃ちながら。マイクはどうしたらよいのでしょうか。マイクたちは二十年以上眠っていたノーチラス号を起動します。自分たちの命を救うために。
ヴェルヌの『海底二万マイル』へのオマージュがたっぷり含まれた作品です。さらに、秘密を抱えた多国籍の少年たちが航海するところは『十五少年漂流記』でしょう。単なる少年活劇としてもとても楽しめますが、「こっち」と「あっち」をつなぐ友情を引き裂こうとする時代(第一次世界大戦がもうすぐ起きようとしています)の重さも印象的です。
本シリーズはなんと全十二巻。図書館に全部揃っているかな?


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