【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

形から入る

2011-03-07 18:41:08 | Weblog

 小学校の新一年生を対象とした交通安全教室のニュースをテレビでやっていました。あどけないなあと思いながら頬笑ましく見ていましたが、そういえば新一年生が降りたバスの直前を横切っていて発進したバスにひかれて死んだ、というニュースが以前あったから、真剣に教えるべきことではあります。
 ただ気になったのが「形」にこだわって教えていること。安全確認は「右左」と言うものだから、子供は「左右」で見た後「えっと、どちらからだったっけ?」と固まっています。大切なのは「両方」を確認することでしょう。道路を横断する時に手を挙げて、では「右手を挙げて」と指導しているものだから左手を挙げた子供がどっちの手を挙げるんだったっけ?と迷うことに夢中になって安全確認がおろそかになっています。大切なのは、手を挙げることで道路横断の意志を表明することと小柄な子供の“身長”を伸ばしてドライバーから視認されやすくすること。だからどちらの手か迷うよりも挙げやすい方の手を挙げればいい(左利きだったり荷物を持っていたり怪我をしていたり、なんてこともあるでしょ?)。
 形式遵守よりも安全確保の方が大切だと思う私は、変?

【ただいま読書中】『石と化す疫病 ──ノーチラス号の冒険(7)』ヴォルフガンク・ホールバイン 著、 平井吉夫 訳、 創元社、2007年、952円(税別)

 ノーチラス号は海底で宇宙船を追跡することになります。非常に危険な宇宙船です。なにしろそれに触れた生命体はすべて石化してしまうのですから。ノーチラス号は、石化した魚が散らばる跡を追跡し、カリブ海の小島に到達します。しかしそこにはドイツ軍の巡洋戦艦が待ちかまえていました。さらに、まるで人形つかいに操られているような黒服の集団まで現われます。
 ノーチラス号の中は、とげとげしい雰囲気に包まれます。まるで何ものかが一行の心に悪の種を蒔いたように。そして、本来は平和だった小島も、戦闘的な雰囲気に包まれてしまいます。異星船はなぜか近づいた動物の攻撃性を増強する作用を持っているらしいのです。そして近づきすぎた動物を石化する作用も。
 今回登場する謎の男は、なんとアトランティスの“関係者”で、マイクが恋するセレナを夢中にさせてしまいます。やれやれ、困ったもんです。さて、本巻で始まった話は8・9と全三巻かけて完結するそうです。黒服集団に奪われた異星船はどうなるのか。沈没したノーチラス号はどうなるのか。ぎくしゃくしてしまった乗組員たちの人間関係はこれからどうなるのか。問題山盛りで、次巻へ。