小学生の時、「マリー・セレステ号事件」について読んで、私は震え上がりました。そういえばその本には「バミューダ・トライアングル」も載っていたように私は記憶しています。あの時にはネットも無いし、単に「本に書いてある」だけで十分震え上がる(あるいは想像をたくましくする)ことができましたが、今の小学生だったらすぐにネットで“裏"を取るのかな?
【ただいま読書中】『世界海の秘録(庄司淺水ノンフィクション著作集6)』庄司淺水 著、 三修社、1978年、2300円
海の怪物、漂流、海賊、反乱、船内(一種の密室)での殺人事件など様々な海の奇談がたっぷりと紹介されています。ちょっと毛色が変わっているのが「ボストン茶会事件」で、著者もその「無理」には気づいていますが「海と船に関係のあることだけはまちがいない」と無理を押し通してしまいます。たった3時間の事件でのちの世界の歴史を変えてしまった、という点では「海の奇談」と言えなくもないかな、と私はその主張を受け入れます。
戦争の秘話としては、第二次世界大戦でのドイツのポケット戦艦「グラーフ・シュペー」号の自沈が取り上げられます。このエピソードを取り上げるのだったら、たとえばユトレヒト沖海戦の後のドイツ艦隊の運命なんかも取り上げて欲しいな、なんて思いますが、そうなると「戦争秘話」だけで別に本が複数冊必要になりそうです。
ともかく昭和の香りがぷんぷんとする本です。懐かしいなあ。あの頃はこういった本を素直に楽しめたんですよねえ。