【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

○婦

2019-11-05 07:16:24 | Weblog

 かつての「チェアマン」は「チェアパーソン」、かつての「看護婦」は「看護師」。
 ところで「娼婦」は「セックスワーカー」とかに言い換えないのかな? 男もやってますよね?

【ただいま読書中】『愛なんてセックスの書き間違い』ハーラン・エリスン 著、 若島正・渡辺佐智江 訳、 国書刊行会、2019年、2400円(税別)

 SFを扱う「未来の文学」シリーズの1冊で、著者はとんでもなくキレのあるSFで知られた人ですが、なぜか本書はSFではない短編ばかり収賄されています。

目次:「第四戒なし」「孤独痛」「ガキの遊びじゃない」「ラジオDJジャッキー」「ジョニーはおまえのものでもおれのものでもない」「クールに行こう」「ジルチの女」「人殺しになった少年」「盲鳥よ、盲鳥、近寄ってくるな!」「パンキーとイェール大出の男たち」「教訓を呪い、知識を称える」

 前書きで「SF作品は含まれていない」と教えてもらっていますが、ついつい「ハーラン・エリスン」という名前の魔術が私の脳にかかってしまって、「SF臭さ」を探してしまうのは、悲しいものです。おかげで「ふつうの小説」の読み方ができにくい。
 生と死、性と死、有名であること、異常心理……様々な題材が、じつに真っ当に料理されて読者の前に並べられます。ただ、著者の饒舌ぶりがちょっと鼻につくのは、やはりSFではないからかもしれません。SFだったらあの饒舌さが物語の駆動力になるのですが。ただ、著者のファンの人は、読むべき作品が集められている、と私には感じられました。