瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

『グレース&グリッド』02

2006年06月19日 | 読書日誌
◆『グレース&グリッド(上・下)』ケン・ウィルバー(春秋社、1999年)
トレヤは、ウィルバーとの結婚式の10日後には、ステージ2の乳ガンだと診断され、ハネムーンを病院で過ごすことになる。それから5年の間にトレヤは、二回の局部再発を体験し、正統医学と代替療法の療法のあらゆる治療を試していく。しかし、やがてガンは脳や肺にまで転移していることが知らされる。余命は、2ヶ月から4ヶ月だと宣告されるのである。

彼女は言う。
「困難に立ち向かい、肉体的な健康を手に入れることや、社会で確固とした成果をあげることを、わたしは成功とみなしてきました。けれども今、わたしは、ものの見方の変化、、つまり、より高い基盤からの選択とは、内的変化であり、内的選択であること、すなわちわたしたちの存在における内的な変容なのだと感じています。世間的な行為について語り、それを称讃するのは簡単なことですが、わたしが興味をそそられるのは、日々の霊的な修行によって自分自身が内的に変化し、肉体よりもずっと高いレベルまでますます健康になっていくことなのです。」(下巻p257)

トレヤは、ガンの転移についての知らせを受ける度に、泣き、怒り、打ちのめされた。しかし、そのつど立ち直り、このように語るようになるのである。

覚醒・至高体験事例集にも病気による死の宣告を受け、その絶望のさなかで解放されていく事例をいくつか取り上げているが、トレヤの場合は、一回だけのものではなく、何度も辛い知らせを受け止めながら、その度に深い内的な変化と成長を遂げていった事例だ。
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