ヴォロネジの年金生活者たちは日本語を学び、建築家たちは日本のプロジェクトを待ち焦がれている
モスクワから南に500キロのヴォロネジに住む年金生活者たちは、日本語を熱心に学んでいる。ヴォロネジ・レーニンスキー地区の社会保護局に付属して活動する「年金生活者のためのアカデミー」日本語学部は、今年2017年初めに開設された。
社会保護局のナタリヤ・デミヂェンコ副局長は「スプートニク」のインタビューで、「年金生活者たちの日本語学習への関心は、私たちの予想を上回りました。日本語は、英語やドイツ語を越えて最も人気のある言語となりました」と述べ、次のように語っている-
「日本語『学部』を開設する可能性が生まれたと発表した途端、すぐに約20人がグループに申し込みました。今さらに15人が順番待ちをしており、日本語を勉強したいという熱い意欲を表しています。『アカデミー』での学習は無料です。日本語を教えているのは地元のテレビ記者のガリーナ・ロゴワさんです。ロゴワさんは日本語が分かります。彼女の先生は日本人でした。ロゴワさんは年金生活者たちに無料で日本語を教えてもいいと言ってくれました。生徒たちの平均年齢は70歳です。グループ最年長の生徒は71歳のウラジーミル・マルィシェフさんです。マルィシェフさんは年金生活に入る前、IT開発に携わっていました。マルィシェフさんはエレクトロニクス分野における日本の成果に関心を持っているため、日本語の文章を読んだり、インターネットサイトを閲覧するために日本語を勉強することに決めました。また英語、ドイツ語、日本語を同時に学んでいる人たちもいます。高齢者たちの間で難しい日本語への関心が高まっていることには、私たちでさえも驚きました。今の時代、たとえこのような年齢になっても人々は発展・成長し、世界と交流することを望んでいます。それがこのような関心を呼んでいるのだと思います。さらにロシアでは日本文化への関心がとても高く、ヴォロネジでは私たちの町の未来が日本と結びついていることもこれに関係しています。」
プーチン大統領と安倍首相が署名した露日協力プランによると、ヴォロネジは日本の技術と投資を用いた『スマートシティ』と快適な都市環境をつくるためのパイロット・プロジェクトが実現される2つの都市のうちの一つに選ばれた。
2つ目の都市はウラジオストク。ウラジオストクとヴォロネジが選ばれた理由について、2月1日にヴォロネジを訪問した日本代表団の団長、花岡洋文国土交通審議官が説明した。花岡氏は、ウラジオストクについては、同市で毎年9月に協力について議論するためにプーチン大統領と安倍首相が会談することになるため部分的に政治的な選択だとし、ヴォロネジについては、モデルの豊かさによって選ばれたと述べた。
日本が提案したモデルの一つは、世界最大の交差点、複数の地下鉄駅、郊外路線、バス路線、多目的ビル、ショッピングストリート、忠犬ハチ公像などがある渋谷駅に代表されるTOD(Transit Oriented Development)。
なおヴォロネジには独自の「ハチ公」がすでにある。この銅像はヴォロネジ出身の作家ガブリエル・トロエポリスキーの物語「黒い耳の 白い犬ビム」に登場する犬を記念したもので、1998年に町のメインストリートに設置された。ヴォロネジの白い犬ビムも日本のハチ公と同じく主人の帰りを辛抱強く座って待っている。
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日本人観光客がヴォロネジを訪れるのはまだ稀だ。だが露日共同プロジェクトを実現するためにヴォロネジを訪れる日本人が増えている。共同プロジェクトが実現されるにつれてさらに多くの日本人がヴォロネジを訪れるようになるだろう。そして日本語を勉強している年金生活者たちには、日本人と話をしたり、さらには日本人のためにヴォロネジをめぐる短時間ツアーを行うチャンスが現れるかもしれない。なお日本発ヴォロネジ行きの直行便が存在しており、世界の7つの航空会社が同便を運航している。
サハリンマン 写真家・地震学者・地震特許取得者 ワーシン氏が住んでいるヴォロネジ州ヴォロネジ市 人口98万人 親日的な州民