「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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福島に水俣の中学生が交流に行き、放射線知識を学ぶ、水俣病運動への疑念。度重なる熊本の同様事例。

2014-11-26 01:59:42 | 福島第一原発と放射能

熊本には、来年の1/25(日)午前、被曝回避に関して、三田医師と講演に伺う予定になっています。

その前に、こういう情報を知り、愕然としています。


水俣病関連の運動体の一部が、被曝回避に関してきちんと意識があるのか、相当に疑わしい事案を、またしても目にしました。しかも、これがはじめてではありませんが、熊本では。

今度は、水俣市の中学生が二十人以上、福島にわざわざ行って、地元で交流し、放射線の知識を学んでいることが、記事になっています。産経新聞。

http://www.sankei.com/premium/news/141122/prm1411220017-n1.html

「水俣病と原発事故 共通点で広がる福島:水俣両市の輪」


水俣市の子供と福島市の子供が意見交換することは、僕は否定はしません。

しかし、放射性物質があえて多大にある福島の環境に、わざわざ水俣の中学生をつれていくことが、正当と考えている水俣病の運動体は、僕には根幹から理解不能です。

なにが放射線の知識なのか?

海の化学物質汚染である水俣病と異なり、大気や地上の環境下に放射性物質が大量にある福島では、吸気に一定の危険は避けられません。そうした危険を、殆ど無視して、風評とか差別の構造ばかりを言い出す状態にしか、この話は見えません。

僕は、こうした市民活動的色彩によって、事の本質がゆがめられる事は許せません。この問題は、政治的立場や人権的感覚などに依拠する話ではありません。

現実の危険性をどう考えるのかということです。

福島の問題を指摘していた、被曝回避の立場でもあった熊本の水俣病運動関係者、被曝を回避を説いていた筈の熊本の医師たちが何をしているのかと、強く思います。足元の地固めすら何も出来ていないのが、熊本の本質ではないのかと、強く疑念を抱く話です。

水俣病の研究拠点がある熊本学園大が、小学生相手に「ふくしま子ども大使」を募集した問題について、去年6月に、このブログでもお伝えしましたが、同じような構造が、熊本ではずっと続いているということも認識できました。小学生がOKなら、中学生もOKでしょうか。

前の記事リンクは、こちらです。

7/11(木)バンダジェフスキー博士新潟講演本日受付開始。熊本の小学生「ふくしま子ども大使」募集について。

これは、地域と運動体の問題です。そして、被曝回避を熊本で主張しているはずの識者たちが、地元での関係性を壊したくない為に、被曝回避に関して、現実には何もおこなっていないことの反映だと、僕は確信を深めています。

少なくとも2回目です。繰り返していますから。

これは、運動に何らかの本質的欠陥がある可能性も想定すべきだと思います。

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僕のメルマガ最新号は、まさにこういう愚かしい日本人、運動や指導をする立場の人々の欺瞞と、そういうことに関しての他国の学者の切り返しについて書いたものです。実質を見ない人々には嫌気が差すばかりです。

【 日本を学ぶ台湾学生を福島へ行かせようとする日本の学者、危ないものは危ないから学生は無理と切り返す台湾の学者 】

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原子力に反対する 100 個の十分な理由 ~100 gute Gründe gegen Atomkraft~

#13 汚染物質の排出

原子力発電所は大気へ、水中へと放射性物質を排出している。
全ての原子力発電所は排気口と排水管を備えている――トリチウム、炭素、ストロンチウ
ム、ヨウ素、セシウム、プルトニウム、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの放射性物質の排
出のためだ。それらは大気中に分散し、水中、地中に留まる。さらに堆積し、濃縮され、生
物に取り込まれ、一部は細胞に組込まれる。そこでそれらの放射性物質は、とりわけ癌を
誘発し、遺伝子を傷つける。
この排気と排水による放射性物質の排出は政府によって公に認められている。通常
1000 兆ベクレルの放射性の希ガスと炭素、50 兆ベクレルのトリチウム、300 億ベクレルの
放射性微粒子、約 100 億ベクレルの放射性ヨウ素 131 の排出が許可されている。もちろ
ん 1 年間に、1 つの原子力発電所あたりの話である。