俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

煙草と屁

2008-08-05 15:47:19 | Weblog
 煙草は百害あって一利無しとされているが、それでも喫煙者がいるのは決して無知によるばかりではなく、人に言えない恥ずかしい事情があるからではないだろうか。
 私は喫煙者だ。煙草を吸うきっかけとなったのは北杜夫氏の「どくとるマンボウ」シリーズの何かだった。氏は「煙草を止めたら屁が増えて困った」と書いていた。当時の私は自分の屁に悩んでいた。消臭スプレーを常備して屁のたびにスプレーで消臭していた。
 北氏の話に藁にもすがる思いで煙草を吸ってみたら効果は覿面だった。もしかしたらプラシーボ効果(偽薬効果)かも知れない。プラシーボだろうと実効だろうとそれは私にはどうでも良い。屁が出なくなったという現実が大事だった。
 喫煙者だった私の父は45歳くらいで禁煙したその頃から放屁癖が始まった。私は49歳の父を「始終臭い」とからかった。
 こんな効果は私と私の父と北杜夫氏の3人の証言に過ぎないが、同じような恥ずかしい理由で煙草を止められない人がいるように思う。

マナーの無知

2008-08-05 15:34:01 | Weblog
 「男はつらいよ」でこんなシーンがあった。テーブルマナーを全く知らない寅さんがレストランでトンチンカンなことをやって周囲の顰蹙を買っていた。気取った態度を愚弄することが話の流れだったから周囲の観客は大笑いしていたが私は全く笑えなかった。これこそが「無礼」の本質だと感じてしまったからだ。
 他人のマナーの悪さを非難する人は多いが本人はどうだろうか?自分が知っているマナーを破る人を非難するが、自分の知らないマナーについては問われない。
 口臭や体臭は自分では気づきにくい。自分では気づかずに周囲に不快感(不快臭)をばら撒いている。
 もしかしたら人から頼まれた時に「嫌な顔」をしているかも知れない。しかしこのことには自分では気づかない。
 歩道を自転車で走って通行人にベルを鳴らす人は自転車が車両だということを知らないのだろう。食堂やレストランで箸を振り回す人はそれが不潔であることを知らないのだろう。無知こそ恐るべきだ。マナーは初等教育でしっかり教える必要がある。

有害物質

2008-08-05 15:22:40 | Weblog
 有害説は無害説より圧倒的に有利だ。素人でも有害説は説得力を持てるし、無害説は専門家でも証明は難しい。環境問題と発ガン物質で嘘がまかり通るのはこんな事情による。
 環境の悪化も発ガンもすぐには結果が出ない。世間を騒がせようとする連中はここに付け込む。
 「買ってはいけない」のやり方がまさにこれだ。厚労省の基準値の100倍くらいを投与して「やっぱり有害だ」と騒ぎ立てる。安全基準の100倍を投与すれば何らかの問題が生じて当然だ。塩を600g摂取させたり純粋アルコール換算で2ℓ飲ませれば発ガン性どころではなく生死にかかわる。
 ダイオキシンにしても焚き火で発生する100倍の濃度にすれば簡単に猛毒になる。
 酸素を危険物質と主張することも簡単だ。酸素には発ガン性も老化促進性もあり危険な気体だ。しかし「酸素を減らせ」という主張は余りにも馬鹿馬鹿しいので今のところこんな主張は見られない。しかしそのうち「呼吸を減らせば長生きできる」という珍説が発表されるかも知れない。