俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

美はアンチテーゼ?

2008-12-02 13:48:19 | Weblog
 もし人類が健康で賢くなろうとするならその方向に男女の嗜好が向かうことになる筈だ。これを「正の方向性」と言って差し支えなかろう。
 しかし全然違う種族内淘汰が起こっている。女性が細いことや頭が小さいことが「美」として高く評価されている。つまり不健康で脳が小さいことが「美」とされている。
 なぜこんな不合理なことが起こるのか?なぜ正の方向性に逆行するような価値観が生まれるのか?
 1つの仮説として、同じ方向への進化を防いでいるということが考えられる。同じ方向への進化は絶滅を招きかねない。例えば恐竜は巨大化し過ぎたために気候変動に耐えられず絶滅した。現状の環境に完璧に適応すれば、環境が変われば忽ち不適応者になってしまう。
 カンボジアのポルポト政権は賢い者を虐待した。知恵のある者は原始共産制には馴染まないからだ。ヒットラーがユダヤ人を虐殺したのはユダヤ人がゲルマン民族に匹敵するほど聡明だと考えたからかも知れない。
 賢さや健康という偏った方向へと進化させないために「美」という異なった価値観がそれらに背く淘汰を積極的に生み出そうとしているのかも知れない。

リストラ(2)

2008-12-02 13:36:21 | Weblog
 企業の業績不振の責任は誰が取るべきだろうか。少なくとも一般社員や派遣従業員や外国人労働者ではない。多分、経営者および過去の経営者だろう。前に使ったことのある寓話を再度掲載する。
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 下手な陶芸家がいた。彼の作る器はいつも色も形も駄目な作品ばかりだった。彼は「この出来損ないの丼鉢め!」と言って毎日器を叩き割っていた。しかし責任を問われるべきなのは器ではなく彼自身だろう。
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 社員はその企業の将来性に期待をして就職する。入社後に業績が悪化すれば期待通りの報酬を得られないのだから彼は間違いなく被害者だ。その被害者がなぜ更なる追い討ちを受けねばならないのだろうか。
 若く生を満喫できる時期に自由を奪ってコキ使ったあげく年をとったら老廃物かゴミのように扱う。一生の一番大切な時期を無駄遣いさせておきながら使い捨てにしようとするのでは、まるでトカゲの尻尾切りだ。
 入社する社員はその企業に入社しなければ他の企業を選ぶこともできた。企業はその社員の一生を台無しにしてしまったことに対して責任は無いのだろうか。
 現在の従業員に責任を押し付けるよりは、誤った舵取りをして経営を悪化させた過去と現在の経営者の責任を追及すべきだろう。
 高給と高額の退職金を受け取った経営陣の責任を問い報酬の一部でも返還させるべきだろう。彼らには権限だけではなく責任もある。株主に対する責任以上に従業員に対する責任のほうが重大だ。

自転車

2008-12-02 13:18:56 | Weblog
 自転車は石油の代わりに皮下脂肪をエネルギーとして使うのだから、本人の健康のためにも地球環境のためにも良い、理想的な乗り物だ。しかし日本では場当たり的な対応のために「歩道を走る凶器」になってしまっている。
 車道の自転車が危険(邪魔?)という理由で自転車を車道から追い出して歩道を走らせれば、今度は歩道の歩行者が危険になることは分かり切ったことだ。これは大型肉食魚に食べられることを避けるために中型肉食魚を小型魚の水槽に移すような馬鹿げた対策だ。
 駅前の不法駐輪によって歩道を狭くされ、前方からも後方からも自転車の危険に晒される歩行者にとって自転車は厄介者でしかない。
 そもそも最初の分類が間違っている。車道と歩道にしか分類していないからだ。自転車は本来車両ではなく、かと言って歩行者でもない。それをどちらかに分類しようとするから無理が生じる。自転車道を作れば殆どの問題は解決する。
 自転車道の無い現状ではどうすべきか。原則としては車道の左端を走り、徐行する自転車に限り歩道通行を認めるということではないだろうか。
 いっそのこと不法駐輪ゾーンを自転車道にしてしまったらどうだろうか。不法駐輪ゾーンは道路として使えていないのが現状だから歩行者にとってデメリットは無い。むしろ自転車を隔離できるというメリットのほうが大きい。
 低コストで自転車道ができるのだから自治体や歩行者や自転車利用者の3者にとってメリットとなる画期的な対策となる筈だ。
 しかし大きな問題が残る。どこが新たな不法駐輪場になるかということだ。多分、新・自転車道に止めることはないだろうから、歩道に不法駐輪されて今より更に狭くなると予想される。しかしそれでも現状よりはマシだ。一番悪いのは歩道が無法地帯になっていること、つまり現状が最悪なのだから、今以上に悪くなることは無いだろう。