俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

商品券

2008-12-23 14:16:01 | Weblog
 約70%の企業が法人税を納めていないらしい。理由は赤字だからだ。決算を赤字に粉飾するのは簡単だ。家族に給料を払ったことにして人件費を水増ししたり自家用品(自動車や土地なども含む)を法人用として申告するなど幾らでも手はある。
 最近こんな手法を知った。デパートで商品券を贈答品として買ったことにすればあとはやり放題だ。贈った筈の商品券を使って贈答品を買えば贈答額を2倍に水増しして計上できる。贈答した筈の商品券を自分で使えば完全に裏金になる。使い切れないほど多ければチケット店に売ればよい。
 贈答品以外に景品として架空計上する方法もある。不特定多数の顧客に対する景品として使った形にすれば宣伝費として計上できる。宣伝費で落とした商品券は裏金になる。
 大分県の教育委員会での汚職事件でも使われたように都市部ではデパートの商品券は非常に使い勝手が良い。こんな悪用され易い「商品」を放置しておいて良いのだろうか。何らかの法的規制があっても良かろう。
 ところで商品券の過剰包装は何とかならないものだろうか。封筒を開けると包装紙が現れる。その下には「のし」があり更にその下に紙箱がある。なぜこんな無駄だらけの4重放送が今なおなされているのだろうか。
 かつてデパートの食品ギフトの過剰包装が問題にされて見直された。なぜ商品券の過剰包装は問題にされないのだろうか。スーパーのレジ袋と違って、見栄えだけで実用性が全く無くゴミにしかならない紙箱など強制的に有料化しても良かろう。

ストロングセブン

2008-12-23 14:00:34 | Weblog
 最近、私はキリンビールのストロングセブンという第3のビールを愛飲している。理由は単純だ。アルコール量が約3割多いからだ。
 酒は酔うために飲む。値段が同じで味が大して違わなければアルコール度数が高いほうが得だ。ビール本来の製法ではアルコール度数7%の飲料は作れないから、ビールというカテゴリーから外れることによって生まれた新しいアルコール飲料とも言える。
 発泡酒や第3のビールはビールではないと考える人も少なくない。それはある意味では正しい。酒税法上では発泡酒や第3のビールはビールではない。しかしビールばかりを有難がる人には不信感を持つ。一体どれだけの人が実際に飲み比べて「ビール」を選んでいるのだろうか。発泡酒や第3のビールは偽物で昔ながらの製法で作られたものだけが「ビール」の名に値すると彼らは言う。
 しかし醸造技術は日進月歩で向上している。いつまでも古い醸造方法を後生大事に守っていても意味が無い。それはまるで10年前のパソコンを「これが本来のパソコンだ」と主張するようなものだ。
 多分50年前の製法で作られた梅干は塩辛すぎて現代人には歓迎されないだろう。塩分が多すぎるので健康にも悪い。こんな梅干を「本来の梅干だ」と言うとうな愚行を「本物のビール派」は犯しているのではないだろうか。

潜在意識

2008-12-23 13:48:59 | Weblog
 有名なこんな実験がある。
 催眠術を解く際に「催眠を解いたあとで私が口笛を吹けば窓を開けたくなる。」と言ってから催眠を解き、口笛を吹くと被験者の殆どが窓を開けるそうだ。
 実験者が「なぜ窓を開けたのか」と質問をすると被験者は「暑かったから」とか「空気が淀んでいたから」とかそれらしい理由を挙げる。これが後催眠暗示によるものだと教えても納得せず、実験中の録音を聞いて愕然とするそうだ。
 人間は決して理性的動物ではない。意識される領域よりも意識されない領域のほうが遥かに大きい。
 こんな実験もある。2つの顔写真を並べて「どちらの顔のほうが好ましいか」という実験では、被験者が気付かないほどのほんの少しだけ長い時間を見せられたほうを選ぶことが多いそうだ。
 人間がこんな不合理な性質を持つから、高いCM料を払ってでもつまらないCMを何度も流し続けたり、選挙では政策の説明よりも名前の連呼が選ばれたりするのだろう。