俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

市場介入

2011-08-26 14:07:29 | Weblog
 政府と日銀は4日に4兆円規模と言われる市場介入をして円高是正を図ったと報じられている。
 なぜこの時期に介入したのか私には理解できない。米国債の格下げとその後の金融強化策が噂されている中での介入にどんな意味があったのだろうか。アメリカのための円売りドル買いだったのではないかとさえ勘繰りたくなるような最悪のタイミングだ。巨大なドル市場の波に飲み込まれることは充分に予想されたことだ。実際、介入の効果は3日ともたなかった。その後、円高は更に進み19日には史上最高値の75円95銭を記録した。
 何のための介入か、何のための4兆円なのか私には理解できない。物事にはタイミングというものがある。同じ投資をしてもタイミングを誤れば捨て金にしかならない。
 今回の介入に使われた4兆円はどうなるのだろうか。被災地の復興のために使われていれば「生きた金」になっていたのに、ドル買いに使った金は米国債を買った上で塩漬けにされると思われる。こんな無駄遣いが許されるのだろうか。これは史上最大級の無駄遣いではないだろうか。野田財務大臣は財務大臣の器ではなかったようだ。勿論、首相の器でもない。

戦勝

2011-08-26 13:55:40 | Weblog
 戦争で勝ったほうに正義があったということになっている。第二次世界大戦で勝った連合国は正義で負けた枢軸国は悪とされているがこれは全く不合理な話だ。「勝てば官軍」と言われるとおり戦勝国が好き勝手なことを言っているだけだ。
 確かに勝つためには士気が必要だ。士気を高めるためには大義名分が欠かせない。大義名分が無ければ優秀な兵士は集まらない。その意味では勝った国には大義名分があった可能性は高い。
 しかし敗戦国にも大義名分がある。士気ではなく物量戦で勝敗が決まることも少なくない。パスカルが「パンセ」で説いたように正邪を戦争によって決めることは全くもって不合理だ。それは子供が理屈の正否を腕力で決めるようなものだ。喧嘩で勝ったからと言って彼の理屈が正しかったことが証明されたことにはならない。
 イラク戦争の正義はどちらにあっただろうか。この戦争は大量破壊兵器があるとアメリカが言い掛かりを付けて起こした戦争だ。大量破壊兵器が無かったのだからアメリカに正当性は全く無い。
 インディアン(ネイティブアメリカン)と白人の戦争はどちらが正当だろうか。私は100%ネイティブアメリカンを支持する。マヤ・アステカ文明を滅ぼしたことの正当性も皆無だ。

死体

2011-08-26 13:43:55 | Weblog
 私は死体を残したくない。できるなら核兵器の直撃で原子レベルにまで分解されたい。あるいは溶鉱炉か溶岩の中に落ちて骨も残さずに溶けてしまいたい。航空機事故で海の藻屑となるのも悪くない。どれも叶わぬならせめて富士の樹海の奥で白骨になり無縁仏として廃棄されたい。死体があるから周囲の人に弔う義務が発生する。孤独死しても自治体が始末をせねばならない。
 私の伯父は「死んだら庭の桜の木の下にでも埋めてくれ」と言い残したが遺族は葬儀をして墓を建てた。遺骨を押し付けられる人も迷惑だ。何らかの供養をせざるを得ず、ゴミとして捨てる訳には行かない。
 米国の潜水艦にぶつけられて沈没した「えひめ丸」の遺族の意向は米国人には理解できなかった。なぜ日本人があれほど遺骨に拘るのかを彼らは不思議がっていた。キリスト教では遺体は魂のヌケガラでしかないからだ。
 遺体も遺骨も無ければ供養のしようが無い。硫黄島やフィリピンなどにはなまじっか遺骨が残っているからいつまで経っても遺骨集めが続いている。無駄なことだ。
 葬儀は遺族の世間体を保ち坊主を儲けさせるためのものだ。こんな無駄な習慣は速やかになくなって欲しいと思う。死後はゴミになりたい。