俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

主張と実現

2012-01-17 15:14:38 | Weblog
 昨年の4月12日付「原発ビール」でnew clearはnuclearと同音だから早急に「新clear」に改めるべきだと書いたが、実際にその通りに実行された。6月頃にはnewが取られ、今年になって「新」が付け加えられた。
 買い物袋の有料化を非難したこともあった。有料化は実質的に値上げだから、逆に袋不用の客に対して値引きすべきだと書いた。最近になって「エコ値引き」をする小売店が増えている。私が最初に知ったのはイトーヨーカドーだが、その後、関西スーパーや近商ストアなどが追随している。
 フィリピンのかっぱえびせんが日本製より旨いことを嘆いて元祖の意地を見せるべきだと書いたこともある。究極のかっぱえびせんが存在することを最近知った。匠海(たくみ)という商品名で普及品の6倍の海老を使っているそうだ。
 歩道の自転車については何度も書いた。残念ながら大阪では改善の兆しも見えない。しかし愛知県や岐阜県の一部の高校では自転車免許証が発行されているそうだし、東京では無法自転車の取り締まりが強化されつつある。
 これらは私が主張したから実現したのかどうかは分らない。私の主張とは無関係に実現した可能性も高い。しかし実現しているのだから主張は正しかったと考えても良かろう。
 私には何の権力も無い。無名の1ブロガーに過ぎない。それでも正論であれば社会が受け入れるかも知れないと期待することは大きな励みになる。

新卒者の雇用

2012-01-17 15:01:58 | Weblog
 プロ野球には毎年多くの新人選手が入団する。しかしその多くが一軍の試合に出ることもなく数年で退団する。退団する本人は気の毒だが、球団にとっては無駄な投資だ。お互いにとって不幸なことだ。
 新人と比べればトレードは失敗が少ない。既に基礎はできており実力も分かっているから人材が生かされる。
 一般企業の雇用も同じようなことではないだろうか。新卒者は玉石混交だ。学校での成績が分かっていても社会人として通用するかどうかは全く未知数だ。しかし仮に期待外れだと分かっても、プロ野球とは違って、数年で解雇することは許されない。新卒者の採用はリスクが高い。これでは企業は慎重にならざるを得ない。
 中途採用はトレードのようなものだ。社会人としての常識を備えた人を雇うのだから即戦力にもなり得る。転職者市場が拡大し高齢者雇用が義務付けられればますます新卒者は不利になる。
 光源氏は理想の妻を求めて幼い紫の上を養育した。企業に望まれるのはこんな長期的なヴィジョンではないだろうか。理想の社員を育て上げるためには短期的な利益を犠牲にする覚悟が必要だ。光源氏のような高い理念を現代の疲弊した企業に期待するのは無理なのだろうか。

現状維持

2012-01-17 14:48:39 | Weblog
 この2年間、夏場は毎日3㎞以上、春秋冬は2㎞以上泳いでいる。もし20代でこんな生活をしていればウエストは5㎝減り胸囲は5㎝増えるだろう。しかし60歳の私の体型は殆んど変らない。現状を維持できるだけだ。クロールも平泳ぎも多少は早くなったが、体力が向上したのではなくフォームが良くなったからだろう。
 多分、50歳以上になれば向上することは困難なのだろう。鍛練しても現状維持が精一杯だ。知力も体力も20代までは昇りエスカレーターに乗っているようなもので、普通の生活をしているだけでも向上するし、努力すれば一層能力は高まる。しかし50代以上は下りエスカレーターを登るようなものであり、努力しても向上せず、努力を怠ればどんどん低化する。
 「鏡の国のアリス」には「同じ場所に留まるためには全力で走らねばならない」という言葉がある。ルイス・キャロルの時代には存在しなかったエスカレーターやムーヴィングウォークに逆向きに乗っていることをイメージすれば分かり易い。高齢者には衰退へと向かうベクトルが働いているから、努力を怠れば忽ち下降してしまう。