俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

足の数

2012-04-17 15:28:44 | Weblog
 動物の足の数の平均値は6.1本ぐらいだろうか。
 蛇は0本、鳥は2本、犬は4本、蟻は6本、蜘蛛は8本、烏賊は10本、百足は100本として単純平均すれば18.6本だ。この計算は平均値の矛盾を象徴する。極端に大きな数値があれば平均値はそちらに大きくスライドする。一方で、小さな数値はゼロまでしか無い。
 また平均値が正常値でないことも明らかだ。ここで算出した18.6本足の動物など存在しない。百足を除く平均値は5.0本だが、勿論、5本足の動物もいない。平均値は正常値を意味しない。あえて正常値を求めるなら4本と6本であり、0本・2本・8本・10本・100本は特殊値(≠異常値)と言えよう。
 血圧なども同様に考えるべきだろう。血圧は個々および年齢別に正常値が定められるべきであり、薬品を使って無理やり平均値に近づけることは多くの場合、有害だ。
 身長ならもっと明らかだ。平均が良いとは誰も考えないし、脊の高い人も低い人も異常者ではない。ただの個体差だ。ホルモン異状のある人のみが異常者だ。

原発再稼働

2012-04-17 15:14:30 | Weblog
 私は原発には反対だが再稼働の一部には賛成する。訳の分らない理屈のようだが、既に施設があるからだ。危険な急カーブがあるために事故が多発する道路であろうとも廃路にすべきとは思わない。速度制限を厳しくして使えば良い。古い自動車を使用禁止とすべきとは考えない。排ガス規制基準を充たしたエンジンに付け替えれば使っても構わない。
 しかし今の済し崩し的承認には反対する。電気が足りないから原発を容認するという姿勢は現実主義ではなく現状是認主義だ。長期ヴィジョンが全く欠けている。ドイツのようにいつまでに廃止にするかを明確にした上で過渡期対策に限定して再稼働を容認すべきだろう。
 エアコンを総て禁止すればこの夏は原発無しでも乗り切れるだろう。逆にエアコン禁止という強行策でも取らなければ夏の電力は足りない。しかしエアコンを禁止する権利が政府にあるだろうか。国民の権利に対する侵害だろう。もし国民が「エアコンを使わないから原発を止めろ」ということで同意できるなら原発を即刻廃止できる。しかし民意が「エアコンを使うけれども原発を止めろ」ならそれを充たすことは不可能だ。過渡的措置を取らざるを得ない。原発ごとに安全性をランク付けして、上位だけを再稼働するということで妥協できないだろうか。
 

消費税の欠陥

2012-04-17 14:54:40 | Weblog
 所得税制度には欠陥がある。所得の誤魔化しが罷り通っている。所得の捕捉率は給与所得者・事業者・農家では9・6・4(クロヨン)とも10・5・3(トウゴウサン)とも9・3・1(クサイ)とも言われている。この不備を補うために消費税が導入されたが、日本の消費税制度は大きな欠陥を抱えたままであり問題点を放置したままで税率を上げることは不正の拡大となる。以前から益税として問題視されている中小企業優遇策が2つある。①免税事業者と②簡易課税制度だ。
 ①免税事業者
 前々年の売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納付が免除されている。この制度を悪用して2年ごとに廃業して免税事業者であり続ける企業もあるが、免税事業者数は何と4割を占める。4割の事業者が消費者から消費税を徴収しながら納税せずに自らの収益としている。
 ②簡易課税制度
 前々年の売上高が5,000万円以下の事業者は課税経費を一定の割合と見なして納税できる。見なし経費は卸売業者では90%、小売業者では80%などとかなり高く設定されている。人件費は非課税だから、小売店の場合はほぼ仕入原価が8割という意味になる。書店ならともかく一般の小売店の粗利益率が20%とはちょっとあり得ない話だ。多くは50%ほどあるだろう。この差に税率を掛けた約1.5%分がまるまる益税となっている。課税事業者の約半数がこの制度で利益を得ている。
 結局、事業者の4割が免税で、6割を占める課税事業者の半数が簡易課税だから、全事業者の7割で益税が生じていることになる。消費増税をする前にこの欠陥を改善しておくべきだろう。