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8703の部屋

「ハナマルサンの部屋」です。音楽、スポーツ 世相 等々 気ままに綴ります

春分の日の「卓上四季」

2013-03-21 16:08:21 | インポート
書き人の名前も顔も見えないのだが、北海道新聞の「卓上四季」には素晴らしいコラムが掲載される。3月20日秋分の日の「卓上四季」を転載する。

 はらはらと空から舞い来る淡雪がすっと姿を消した。ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・。さしていた傘に雨音が届いた。冬から春へ。季節のバトンがひそやかに受け渡されていく。

 この冬はことのほか長かった。荒々しかった。つらかった。昨年11月末、いきなり暴風雪が殴り込んできた。鉄塔は倒れ、電力は途絶え、多くの世帯が凍え、眠られぬ夜を強いられた。忘れようもない。「ひな祭り」の前日には、道東北を猛吹雪が襲い、9人の命を奪った。

 列車や空の便は乱れに乱れた。かいても、かいても、またかいても積もる雪に身も心も消耗した。ようやく、ここまでたどり着いた。今日「春分の日」。ほっと息をつく。

 <雪あたたかくとけにけり しとしとと融けゆけり>(室生犀星「ふるさと」から)。あれほど強情でだった雪塊が、その身を縮めるように退いていく。<しとしとしと>とこぼれる滴は、意図しなかったとはいえ、たくさんの人を苦しめ、悲しませてしまった後悔の涙なのだろうか。

 「彼岸」はこの世を「比岸(しがん)」としたときの向こう岸のことだと教わった。故・金田一春彦さんの「ことばの歳時記」(新潮文庫)は<日オガミの意味の日ガミから出たことば>との異説も紹介していた。

 本紙の天気予報欄には、まだまだ雪だるまマークが残る。穏やかな春を。一日も早く。まぶしさを増していく太陽に手を合わす。
 (2013・3・20)


そして今日、朝から猛吹雪で気温も低く、真冬日に逆戻りしたような荒天である。車の玉突き事故のニュースが流れている。なんとも遠い春である!
コメント
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