今まで長年、夫の父(義父)と暮らしてきたけど、義父は自閉症だったんじゃないかと、今になって思う。
義父はまるで時計のような人だ。
毎日同じ時間に、朝、昼、晩、ご飯を食べる。
毎日同じ時間に、お風呂に入る。
そして、少しでもその時間がずれると、ものすごく怒り出す。
物の置き場所も決まってて、それを動かすと、すごく怒る。
そして、他人とうまくコミュニケーションが取れず、友達は一人もいないし、お客さんも敬遠して、家に訪ねてきたりしない。
他人の気持ちを理解することができず、共感できない。
妻である夫の母(義母)とも、全然仲良くできない。
義母が、義父がものをおいた場所を勝手に変えたり、食事の時間が少しでも遅れたりすると、義父は義母をものすごく怒るのだ。
義母はいつも義父から怒られまいと、気をつけてきたが、それでも時々時間に遅れ、怒鳴られていた。
義母はそのストレスからか、何度も胃潰瘍になり、挙句の果てに痴呆になってしまっていた。
私も、いつ義父に突然怒られ、ビクビク家の中でも心休まることなく、ずっと暮らしてきた。
義父の怒り方といったら、人をナイフで切り裂くように激しく怒るのだ。
癇癪持ちと言ったらいいのか。
私はどうして義父はこんなに性格が悪いのだろうと、どうしてこんなに人を傷つけて平気なんだろうと、いつも思っていた。
義父さえいなければ、この家は平和なのにと、ずっと思ってきた。
言葉の暴力、ドメスティクバイオレンスだと思ってきた。
義父の、この性格と考え方を変えてもらえないかと、いろいろみんなで努力したけど、全部だめだった。
普通の人なら、人を傷つけたりすれば反省するし、次からは気をつけようと思う。
しかし、義父は、自分の暴言で人が傷つくということが、全く分からないのだ。
そして、自分の行動に対する反省などまったくできないのだ。
私はそんなある日、とうとう義父の暴言のせいで、ノイローゼになってしまい、食べ物が食べられなくなってしまった。
ものすごいストレスの日々。
毎日ビクビク、義父を怒らせないように気を使い続けた日々。
ある日、自閉症のホームページを見た。
症状が、義父に当てはまる。
もしかして、義父は自閉症なのではないだろうか。
そして、もし義父が自閉症なら、義父のあのものすごい癇癪は、義父にもどうすることもできない病気のせいなのではないかと思った。
何か謎が解けたような気がした。
そして、義父の言動を変えることはできないと、あきらめなくてはならないと思った。
自閉症という障害を持って生まれてきた人は、その人が悪いからじゃなく、病気だからしょうがないとは理解できる。
可哀想な人なのだとは、理解できる。
でも、こんなに家族を傷つけ、妻を傷つけ、周りの人をストレスで病気にさせたりするのも、事実なのである。
私は、自分の子供たちは絶対に自閉症の人と結婚させたくはないと思う。
なぜなら、義母の苦労を目の前でずっと見てきたからだ。
自分が病気になるほど、傷つけられてきたからだ。
義母は、義父が生きている限り、ずっと義父の暴言で傷つけられ続けるのだ。
そして、どんなに義父の面倒を見てあげても、義父が義母の面倒を見ることは絶対にないのだ。
なぜなら、自閉症の人は、他人の面倒を見ることができないからである。
他人に優しくすることは、絶対にできないのである。
病気だから。
ドメスティクバイオレンス、DVの男性の中にも、隠れ自閉症の人たちがたくさんいるのではないかと思う。