私の従兄弟の一人に、10歳年上の従兄弟がいる。
隣に住んでたから、幼いころの私は、その従兄弟を兄のように慕っていたらしい。
その従兄弟は、県外の大学に進学したので、私が8つの時まで、私の兄貴分だったようだ。
でも、私には、幼すぎて、その当時の記憶があまりないのだ。
しかし、ちょうど思春期にあたる当時の従兄弟は、その頃の記憶が鮮明に残っているらしい。
私の知らない私の記憶を、従兄弟は大切にしてくれているのだ。
丁度、子供は幼いころの記憶がなくても、親にとっては子供の幼いころの記憶が宝のように思えるように。
考えてみると、不思議なものである。
自分の知らない自分の記憶が、誰かの記憶にしっかり残っているなんて・・・
おそらく、幼いころの私は、従兄弟を兄貴と思い、無邪気におんぶしてもらったり、後ろをついて回ったり、遊んでもらったりしていたのだろう。
そして、一人っ子の従兄弟は、私を妹のように思ってくれていたのだろう。