刀剣乱舞の映画第2弾を見て来ました。
副題として「黎明」とあるんですが、更に「すべての審神者に捧ぐ」なんて献辞が付いてそうな作品でした
出陣先は現代なので、前作とはまったくの別物と考えた方が楽しめると思います。
ネタバレ少しありますよ。
前作「継承」が歴オタ的に完璧な作品だったんですよね
なので比べるのはちょっと可哀想な気もしますただ審神者的には楽しいところが満載でした。
主戦場を現代にすると、どうしてもニチアサ感が強くなりますし、
ターゲットを広げて若い世代にも見てほしいとなると、わかりやすさ優先でストーリー的にちょっと浅くなるのは仕方ないのかも。
歴オタ的には冒頭の平安時代が、重厚で陰謀と政略の臭いがプンプンだったのでそっちをもっと見たかったなと思いましたが
刀剣乱舞はメディアミックス展開の網の広げ方が凄いなといつも思うんですが、
審神者誕生に繋がる現代を描くというのは避けて通れない、いずれかのコンテンツでやらなければというのがあったのかもしれません
するとやりやすいのは映画かアニメということになったのかなと。スケール感も出しやすいですし。
挑戦したこと自体は悪くないと思います。刀ステで宝塚OGを主体にオールフィメールで上演した禺伝みたいに。
ただ評判が良く宝塚ファンからの続編希望が多かったとしても、続編をやるべきではないと思っています。
一種の禁じ手なので。それはもう刀ステとは別物になってしまいますから。
それと同じでもし映画の次回作があるなら、現代出陣は今作だけ、にしてほしいですね。
スピンオフで仮の主と刀剣男士のほのぼのした日常を描く、短い連続ドラマを作るというのならそれは悪くないと思いますけど
ゲームユーザーの一般人の日常に、普通に刀剣男士が存在してたら、確かに面白そうだし楽しそうだし見てみたくなりますね
その発想は悪くなかったですが、もう少し整理して欲しかったかな。
というか今作はゲーム世界とゲームのユーザーである審神者を、すごく意識した作りになってる気がしますね。
応援の刀剣男士がそれぞれ別の本丸から来ていることや、同じ刀でも本丸によって個体差があることがわかるような台詞があったり、
ラストに次々現れる刀剣男士たちの中に同じ刀がいたり、一斉に突撃すると刀種によって機動に差があるのがわかったり
仮の主、というのは面白い設定だなと思いますが、JKと三日月に尺を取りすぎだし、最後の説得の場面も冗長に感じられました。
もたついてるというか、長台詞が多いのと言い回しがまだるっこしい
私の最推しは三日月なんですが、その私でもそう思いましたから
仮の主たちはちょっと特殊な性質があるにしても、ごく普通の一般人というのを強調したかったんだろうと思います。
女子高生たちは特に。普通に可愛い子たちでしたけど凄く演技が上手いかというと、そうでもなく、
どこにでもいそうな普通の女の子たち=ユーザーである現在のすべての審神者、と同じ、を体現したかったのかなと。
酒呑童子の一件から飛んでちょうど1000年後の1995年。そこから時がまた動き出して2012年が主な舞台になります。
それは多分琴音と伊吹が同じ年生まれの17歳、ということなんだろうなと思います。
せっかく同じ歳にしたのならそこを活かして、どこかの時点で二人に接点があったことにすれば、
もっとストーリーを整理出来たのではと思いますね。ありがちですけど
拡樹くんの三日月宗近は、今までのどの三日月とも違っていたのに驚きました
そのためにメイクも変えてあったと思うんですが、妙に若い(千年も存在しているのに若いって何、って感じですが)
若干丸めで可愛くて、影とか秘密とかを背負いこんでなさそうな明るい三日月
健康体の三日月、と言ってる人がいて爆笑しましたレベル的にも少し低めでカンストしてなさそうな感じでした。
マイペースで食い意地が張ってるところは基本的に同じなんですけどね。
抹茶ラテマキアートを前に、ワクワクほくほくしてるところとか、オムライスに反応してるところで吹きました
オムライスはきっと本丸で、みっちゃん(燭台切光忠)か、歌仙くん(歌仙兼定)に作ってもらったことがあるんじゃないか、
と考えると、またニヤニヤしてしまいます
刀剣男士たちは初登場の源氏兄弟含めみんなカッコイイ
仮の主たちとの関係性も凄く良かったですし、殺陣のボリュームが大きくて、
アパートでの三日月vs山姥切国広、それに長義も加わった倉庫での三つ巴の殺陣の迫力が凄い
みどころが沢山で、最後の渋谷での大乱戦が楽しすぎました。
カッコ良かったし、笑いどころもちょいちょいあったし、考えさせられるところもあって、良かったところも沢山あったので
リピートはぜんぜん辛くないです、私は
映画だと上映が続いている限り、チケット確保の心配をしなくていいのも助かります
それだけに微妙に惜しいのが勿体なかったなと思います