今回研究開発された超深水杭打ちハンマーの設計作業水深は、中国の主要海域をカバーできる。超深水杭打ちハンマー全体案の設計、重要中核部品の設計・製造など複数の重要技術を相次いで確立した。

2023-07-02 09:35:53 | 科学最前線

2500m級超深水杭打ちハンマーの海上試験が成功

人民網日本語版 2023年06月29日15:51
 

海洋石油工程股份有限公司が27日に明らかにしたところによると、中国が独自に研究開発した初の2500メートル級超深水杭打ちハンマーの海上試験が成功した。中国国内の超深水杭打ち中核設備の技術の空白を埋めた。人民日報が伝えた。

杭打ちハンマーは海洋油ガスや風力発電などの各種プラットフォームの海底基礎構築の重要設備だ。今回海上試験を行った超深水杭打ちハンマーの自重は約165トン、杭打ち直径は2.5メートルに達する。杭打ち中に内部構造の衝撃を利用し、生まれた衝撃力を杭本体に伝える。250標準気圧相当の強い海水圧力を受けながら、最速3時間で数千回の杭打ちを行い、長さ100メートルの鉄杭を海底に打ち込む。省エネで汚染が少なく適応性が高いといったメリットがある。

今回研究開発された超深水杭打ちハンマーの設計作業水深は、中国の主要海域をカバーできる。超深水杭打ちハンマー全体案の設計、重要中核部品の設計・製造など複数の重要技術を相次いで確立した。作業位置の制御精度が準メートル級に達し、総合性能で世界トップレベルに達した。これは中国の深海油ガス資源開発の加速、中国の国家エネルギー安全保障に対して重要な意義を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年6月29日

 

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「イタリア半島で人々が絶滅したのは驚くべきこと」だと、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のヨハネス・クラウゼ所長は語った。

2023-03-06 10:14:26 | 科学最前線
 

2万年前の「最終氷期極大期」、古代ヨーロッパ人の運命の分かれ目に

登録:2023-03-04 06:42 修正:2023-03-05 09:27
 
古代ヨーロッパ人の「ゲノムデータ」分析…「ネイチャー」に発表
 
 
遺伝的、考古学的資料に基づいて描かれた南東ヨーロッパの狩猟採集民の姿/ロイター・聯合ニュース

 古代ヨーロッパの狩猟採集民は「最終氷期極大期(LGM)」がピークに達した時、いかにして生き残ったのだろうか。「最終氷期極大期」とは北米と南米、ヨーロッパとアジア地域の大部分が氷河で覆われた時期で、人間にとっては過酷な環境だった。この時期を前後して暮らしていた古代人類に関する情報が3月1日、国際学術誌「ネイチャー」に発表された。

 同研究は氷期の集団的移動の様相をはじめとする先史時代のヨーロッパの人口力学を示している。研究チームは3万5千年から4千年前にヨーロッパと西アジアに住んでいた356人のゲノムデータを分析した。その結果、フランス、スペイン、ポルトガルを含め比較的暖かい地域に移動した一部の個体群は生き残り、イタリア半島に移動した他の個体群は絶滅したことが明らかになった。

 「これまで出てきたヨーロッパの狩猟採集民のゲノムデータの中で最も膨大だ」と、研究の筆頭著者でありドイツのテュービンゲン大学の古遺伝学者のコシモ・ポス氏は語った。中国北京大学の古生物学者であり同研究の共著者であるホ・ユ氏は「今回の研究は、人間がいかにして氷期に生き残ったのかについてこれまでの知識を一新するだろう」と付け加えた。

 
 
ドイツ西部で発見された1万4千年前の頭蓋骨=ユルゲン・ヴォ―ゲル提供(ライン州立博物館)//ハンギョレ新聞社

 現在の人類の祖先であるホモ・サピエンスは、少なくとも4万5千年前またはそれ以前にアフリカからヨーロッパに移り住んだ。当時、ヨーロッパの原住民だったネアンデルタール人は移住してきたホモ・サピエンスと共存し、遺伝的にも交流したが、絶滅した。狩猟採集民は多様な群れに分化しヨーロッパに広がり、狩りでマンモス、サイ、トナカイなどを捕獲するとともに、食用植物を採集して生活した。

 ところが、苛酷な「最終氷期極大期」が訪れたことで、彼らは生きるために移動を余儀なくされた。研究チームは、この時期生き残った人々がフランスとイベリア半島の一部地域に避難した狩猟採集民であることを発見した。これまで主な避難地と考えられていたイタリア半島に移動した人々は絶滅した。

 「イタリア半島で人々が絶滅したのは驚くべきこと」だと、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のヨハネス・クラウゼ所長は語った。

 同研究は、1万9千年前にバルカン半島から来た狩猟採集民がイタリア半島で再び暮らし始め、彼らの居住地域が次第にヨーロッパ全域に広がった事実も発見した。「約1万4千年から1万3千年の間に気候はだんだん暖かくなり、ヨーロッパの多くの地域は現在に類似した森の姿に変わってきた」と、研究の共著者ホ・ユ氏が明らかにした。

チェ・ムンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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6200万年前の初期の哺乳類であるパントラムダバトモドンの歯の化石を分析対象とした。イヌとブタを合わせたようなふっくらとした姿をしたこの草食動物は体重が42キロあり、当時最大の哺乳類だった。

2022-09-04 19:07:54 | 科学最前線
 

「2倍速の生」選んだ神秘の哺乳類…恐竜のニッチ獲得した秘訣

登録:2022-09-03 04:01 修正:2022-09-03 10:05
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[アニマルピープル] 
6200万年前の初期の哺乳類の歯の化石を精密分析 
妊娠期間7カ月…歯が生えそろい歩ける状態で出生
 
 
初期の哺乳類パントラムダバトモドン(Pantolambdabathmodon)の想像図。体重42キロで当時は最大の哺乳類だったこの草食動物は、子は長い妊娠期間を経て生まれ、速く成長し、早く死ぬというライフサイクルだった=H.シャープ提供//ハンギョレ新聞社

 1億7000万年間続いた恐竜時代が6600万年前の小惑星衝突で終わると、哺乳類の時代がやって来た。しかし、せいぜいネコほどの大きさだった初期の哺乳類がどのように生態系のニッチに収まり、ゾウやシロナガスクジラのような巨大な動物へと進化していったのかは依然として議論の的だ。

 恐竜の絶滅直後の初期の哺乳類は、長い妊娠期間と生後の「速く育って早く死ぬ」というライフサイクルによって、体を大きくしたり地球のあちこちに広がったりすることができたという研究結果が発表された。

 英国エディンバラ大学のグレゴリー・ファンストン博士らの国際研究陣は、1日付の科学ジャーナル「ネイチャー」掲載の論文で、「哺乳類の化石の歯の成長線と化学成分を分析するという方法で、太古の動物の一生を1日単位で再構成することに成功した」と発表した。

 研究者たちは、恐竜絶滅直後の6200万年前の初期の哺乳類であるパントラムダバトモドンの歯の化石を分析対象とした。イヌとブタを合わせたようなふっくらとした姿をしたこの草食動物は体重が42キロあり、当時最大の哺乳類だった。

 
 
初期の哺乳類パントラムダバトモドンの下顎の化石=グレゴリー・ファンストン提供//ハンギョレ新聞社

 研究者たちは、歯の化石を向こうが透けて見えるほど薄く切り、そこに現れる木の年輪と同様に生まれてからの時間が分かる成長線を分析するとともに、それをレーザーで気化させて化学分析を行った。

 筆頭著者であるファンストン博士は同大学の報道資料で「今回の研究は、絶滅した哺乳類の一生を1日単位でのぞき見ることのできる窓を開いた」、「これを通じて胎盤を用いる哺乳類の生活史と初期の進化史を知ることができた」と語った。

 研究の結果、この哺乳類の妊娠期間は7カ月で、1回に産む子をは1匹、生まれた時にはすでに目が開いており、歯も生え揃っていて、今日のキリンのように生まれてすぐに歩けたことが分かった。授乳期間は1~2カ月で終わり、1年以内に性成熟した。

 研究者たちは「ほどんどの個体は4歳ごろには死に、長く生きても11歳を超えることはできなかっただろう」、「似たような大きさの現生哺乳類と比べると2倍速い一生を送ったと言える」と述べた。

 研究に参加したスティーブン・ブルセット教授は「生まれる前に子宮の中で数カ月を過ごし、大きな子を産むことができたことは、恐竜時代にネズミほどの大きさだった小さな哺乳類を、今日のヒトからゾウやクジラに至る非常に多様な種へと進化させた秘訣だった」と語った。

 哺乳類は卵を産むカモノハシなどの単孔類、カンガルーなどの有袋類、有胎盤類の3種類に分けられるが、有胎盤類が圧倒的多数を占めている。有胎盤類は長い妊娠期間に胎児が母親から栄養分もらい、よく発達した状態で生まれることが成功の秘訣とされる。

 
 
    初期の哺乳類パントラムダバトモドンの骨格。右は子ども=S.シェリー提供//ハンギョレ新聞社

 ファンストン博士は、「(化石の成長線を分析するこの)新たな研究方法は、ちょうど歯に記された日記を読むようなもの」、「絶滅した太古の動物の毎日の暮らしが詳しく分かると期待している」と述べた。この研究方法は、人類の先祖である200万年前のアウストラロピテクスの化石分析に使われている。

 研究者たちは歯に刻まれた毎日の成長線を分析したが、これには生まれる時は亜鉛濃度が高く、授乳期にはバリウム濃度が高くなるなどの化学変化が記録されている。ファンストン博士は「分析によって母親がいつごろまで子どもを連れていたのか、乳はいつごろまで飲ませたのか、歯はいつ生えてきたのかなどが分かる」、「謎に包まれている一部の現生哺乳類よりも太古の哺乳類の方がよく知ることができる」と語った。

引用論文:Nature,DOI:10.1038/s41586-022-05150-w

チョ・ホンソプ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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