【独自】「団結と叫んで尹大統領と電話、
数百人が聞いていた…引きずり出せと言った」
昨年の非常戒厳時に、クァク・チョングン前陸軍特殊戦司令官は、普段と同様に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領からの電話に出て敬礼し、その後、「国会から国会議員を引きずり出せ」と隷下の部隊員に指示したという。国会、検察、憲法裁判所での表現が多少異なるとして尹大統領側は証言の信ぴょう性を問題視しているが、クァク前司令官が尹大統領の指示をそのまま伝えていたことを示すものだ。
クァク前司令官の弁護人は12日、ハンギョレに「(国防部)長官の電話には(クァク・チョングン前)司令官は気軽に出るが、大統領は異なる。あの日尹大統領から2回電話がかかってきたが、すぐに姿勢を正して『団結』と言って敬礼して電話に出た」と明かした。続けて「この様子は指揮統制室の中にいた全員が目撃している」とし、「周囲の人々も大統領からの電話だということが分かっていたので、『引きずり出せ』という(クァク前司令官の)『大統領からの指示についての証言』に誤りがあるはずがない」と説明した。
クァク前司令官は6日の尹大統領の憲法裁判所での弾劾審判第6回弁論に証人として出廷し、12月4日0時30分ごろに尹大統領が自身に盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)で電話をかけてきて、「まだ国会内で議決定足数が満たされていないようだ」、「国会の中にはやく入って議事堂の中にいる者たちを連れて出てこい」と指示したと述べ、検察が起訴状に記した内容は「すべて事実」だと認めた。
これに対して尹大統領の代理人団は、クァク前司令官が「引きずり出せ」と言われたという対象が要員、議員、人員と変化している、などの理由をあげ、クァク前司令官の主張を攻撃した。尹大統領も6日の弾劾裁判で、「(昨年)12月6日、まさにホン・ジャンウォン(前国家情報院第1次長)の工作と(クァク・チョングン)特殊戦司令官が(共に民主党議員の)キム・ビョンジュTV(ユーチューブ番組)に出演したときから内乱フレームと弾劾工作が開始」されたとして、クァク前司令官の証言に揺さぶりをかけた。
これについてクァク前司令官の弁護人は、「(尹大統領側は)盗聴防止機能付き電話の記録がないという理由で立証するものがないと考えているようだ」とし、「クァク司令官の話はスピーカーを通じて旅団の指揮統制室に伝えられていた。(この指示を)見聞きした人だけでも数百人」はいると語った。
クァク前司令官も憲法裁の証人尋問で、「戦闘統制室で(オンライン会議)開始時からマイクがついていた。消さずにいたように思う」とし、「大統領に指示されて話していることが、命令下達時から終わりまで、隷下全体の人員にまで生中継されていた」と述べている。