フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

政治家のスピーチについて

2012年09月13日 08時57分52秒 | 社会・政治・思想哲学

 自民・民主の総裁選や日本維新の会の結党大会があって、政治家のスピーチを聞く機会が増えてきた。
 面白いなぁと思うのは、誠実に話している政治家ほどつまらなくて、橋元さんのように「バカなコメンテーター」などと過激な発言をするほうが、話に引き込まれていくことである。
 政策の合理性を語るより、感情を刺激するほうが、支持される。
 人々は理性より感情を重視するということだ。
 ただ、感情を揺さぶるには過激な言葉を使うだけでは足りない。そこには物語が必要である。
 
 1、自分に何かが欠けていて(力)、不利な状況にある。
 2、大きな敵が自分たちの行く手を阻んでいる。
 3、大きな敵を倒すためには、あなた達の力、支援が必要である。
 4、支援を得て、大きな敵と戦い、それに打ち勝ち、新しい世界が広がる。

  こういうストーリーである。
 できるだけこのストーリーを上手く組み立てる。敵を悪辣に仕立て上げ、自分たちの困難を大きく見せ、民衆のために命がけでやっていくヒーロー像を作る。

 政策を実行するためには、国民の支持が必要である。それがなくては何もできない。その意味で、このように国民の感情に訴え、扇動していくことも必要悪といえる。
 しかし、問題は政策の内容である。それを吟味するためには、感情に流されない理性が要求される。自分の利害をできるだけ排除した合理的公平さである。
 ただ、私たちは自分の利害から離れることはできない。
 ロールズの言った「無知のヴェール」(自分が利益を享受する側にいるか、犠牲になる側にいるかわからない状態で政策を決定すること)
のような公平さを維持するのは大変だ。

  

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