高崎駅から3キロはなれた金沢山にある洞窟観音に行ってきた。
洞窟観音の創設者は山田徳蔵である。
1885年新潟県柏崎生まれ、高崎に呉服屋を開き成功する。
信仰心の強い彼は30歳過ぎにこの霊場の建設を思い立つ。
大正8年着工され、昭和39年、彼が88才の生涯を閉じる迄の50年間休むことなく工事が進められ、完成をみた。
動力や土木機械のない時代に、つるはしやスコップなどを使い、山を抜き、一日10センチ程度しか進まなかったという。
洞窟内の坑道は、長さ400メートルをこえ、御影石の観音像39体が他の石彫群と共に安置され神秘的で独特な世界を繰りひろげている。
洞窟の中はひんやりしていてクーラーが入っているかと思うくらいだった。
一年中、17℃で安定している。
普通なら薄気味悪いだろうが、私はあまり怖くない。むしろ、落ち着いた気持ちになった。
最初800円は高いかなぁと思ったが、その価値は十分にある。
山田徳蔵氏の穏やかな精神世界が見事に具現されている。
観音様が、安らかないい顔をしている。
仏像の顔は、人間の幸せなこころを写し取ったものである。
だれも神を見たことはないのだから。
安らかな顔をした人間の心の中に観音様が存在する。
仏も鬼も人間の心の中にある。仏像は人間の心を映し出したものだ。